http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/359.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2022年7月21日 日刊ゲンダイ2面
【9月27日の異様さも長く記憶されるだろう】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 21, 2022
凶弾でしか歴史に名を残せなかった安倍元首相と国民の悲劇
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/XOTcusxeMJ
※文字起こし
<岸田政権はバックにいる統一教会から『大事な広告塔だったから早く国葬にしなさい』とせっつかれているのではないか>
ネット上ではこんな皮肉も漏れている。政府が20日、参院選の遊説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬について、9月27日に日本武道館(東京・千代田区)で行う方向で最終調整に入った──と報じられたからだ。
首相経験者の葬儀は1980年の大平正芳氏以降、「内閣・自民党合同葬」の形式が主流だった。だが、岸田文雄首相が14日の会見で、「我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」などとして、突然、安倍の国葬を発表。閣議決定する見通しで、戦後の首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏に続き2例目となる。
こうした政府の方針に対し、共産党や社民党、れいわ新選組は反対を表明。立憲民主党は閉会中審査での説明を求めているほか、国葬となれば全額国費負担となることから、市民団体「権力犯罪を監視する実行委員会」は「国会の議決を経ずに国葬を行うことは違法」などと訴え、21日にも予算執行の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てる予定だ。
「閣議決定で一丁上がり」の愚弄
国民の間でも賛否が分かれ、批判の声が出ている安倍の国葬を岸田はなぜ、急ぐのだろうか。
そもそも国葬は法的根拠が曖昧だ。戦前の「国葬令」は政教分離の原則に反するなどとして廃止され、今は国葬の対象者などについて明文化した法令は何もない。
岸田は吉田の国葬も閣議決定だったことや内閣府設置法を根拠に、今回も問題ないと考えているようだが、吉田の時も内閣の権限だけで決めたことに対し、国会で批判の声が上がっていたではないか。少なくとも、立憲が求めている通り、閉会中審査を開き、国権の最高機関である国会の意見を聞くのが政府として当然の姿勢だろう。
それなのに反対派の声を力で封じ込めるかのごとく、例によって国会軽視の“アベ政治”の常套手段「閣議決定で一丁上がり」なんて国民を愚弄するにもホドがある。「民主主義を断固として守り抜く」どころか、こうした政府の姿勢こそが「民主主義の破壊」ではないのか。
福田赳夫元首相の秘書で、自民党本部情報局国際部主事を務めた経験を持つ中原義正氏がこう言う。
「安倍元首相の銃撃事件を受け、岸田首相が民主主義を守る、と言うのであれば、今やるべきことは政府、与党をはじめ、国会議員とカルト宗教のつながりの有無を徹底的に調査して明らかにすること。そして物価高やコロナ対策など国民生活を守る政策について取り組むこと。それが総理大臣の役割でしょう。それなのに安倍派にすり寄り、国葬などと言い出している。何だかんだと屁理屈をつけているが、要するに自分の権力を維持したいだけ。これでは政治を私物化した安倍政権と変わらないではないか。こんな横暴を許したら日本はメチャクチャになってしまうだろう」
国葬は岸田政権の国民に対する侮辱行為
岸田政権が国葬を決めた理由の一つに挙げているのが「憲政史上最長の8年8カ月に及ぶ長期政権」だ。
松野博一官房長官は20日の会見で、「安倍氏は憲政史上最長の8年8カ月にわたり首相の重責を担った」と説明。国葬に反対する野党について「国民の声、認識とはかなりずれているのではないか」などと言い放った自民党の茂木敏充幹事長も「憲政史上最長の8年8カ月の間、卓越した決断力と実行力で国内外のさまざまな重要課題に取り組んだ」などと強調していた。
だが、よくよく考えれば分かることだが、安倍が「歴代最長」となったのは当たり前。2017年、自民党が独裁を避けるために設けていた総裁任期「連続2期6年」を「連続3期9年」に変えたからだろう。過去、そんな自分勝手な総裁はいなかったのだから在任期間も長くなるわけだ。
なぜ、党則をねじ曲げてまで長期政権にこだわったのかと言えば、改憲もままならず、レガシーが全くなかったからだ。総理を長くやっただけで、「最重要課題」だった北朝鮮拉致問題も、「戦後外交の総決算」だった北方領土問題も、「責任者となって前面に立ち、必ず解決する」とぶち上げた福島原発問題も、何一つ解決しなかった。
首相在任中に続いて国民世論を分断
国会答弁で「118回ウソをついた」ことも問題視されたが、他にも「GDP600兆円」「目標出生率1.8」「介護離職ゼロ」……など、クルクル変わった看板政策もすべてがウソだった。
結局、コロナ禍の最中に2度目の「首相ぶん投げ」を決めるまでの8年8カ月の間、安倍がやったことは「公文書の捏造・改ざん」「統計偽装」「行政の私物化」「国会軽視」……など「汚点」を挙げたらキリがない。
そんな「負の遺産」だけで名前を刻んだ首相が、以前から問題視されていたカルト教団の広告塔を務めたことで凶弾に倒れ、悲劇のヒーローのごとく扱われ、歪んだ形で国葬に至る──。首相在任中も民主主義を冒涜し、国民世論を分断しまくっていたが、今度は「国葬」という形で注目を集め、さらなる分断を招いているのだから言葉もない。
凶弾でしか歴史に名を残せない安倍も悲劇だが、そのドタバタに巻き込まれる国民もまた悲劇と言わざるを得ないだろう。木原誠二官房副長官は「(国葬は)政治的評価を押し付けるものではない」なんて言っているが、安倍の「負の遺産」に頬かむりし、ワケの分からない“功績”ばかりを羅列して賛美している時点で押し付け以外の何物でもない。
おそらく今回の事件は、9月27日の国葬の異様さとともに教科書に残り、長く記憶されるのだろうが、10年、20年……経った時、果たして「安倍政権は良かった」「国葬に値する人物だった」と心の底から思う国民はいるのだろうか。
衆院事務局に30年余り勤め、「吉田国葬」にも議員秘書として関わった経験を持つ元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。
「吉田国葬というのは当時、与野党が何度も協議し、『超法規的対応』『前例踏襲しない』──ということで行われたものであり、今回はそれを全く無視している。そもそも安倍氏は人として国葬に値するのかと言えば疑問を抱かざるを得ない。私が提起した内乱予備罪を含め、いろいろな問題で刑事告発されているからです。そういう人物を(国民が喪に服すという)国葬なんてブラックユーモア。岸田政権の国民に対する侮辱行為であり、政治史で見れば、間違いなく汚点となるでしょう」
まさに悲喜劇だ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK287掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK287掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。