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※紙面抜粋
※2022年7月19日 日刊ゲンダイ
【ここにも国葬元首相の大罪】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 19, 2022
1ドル=140円で庶民の暮らしはどうなるのか
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/QwKCMz3hGd
※文字起こし
「投機的な動きも背景に急速な円安の進行がみられ憂慮している」
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議のため訪問したインドネシアのバリ島で、15日、鈴木俊一財務相はこう発言して円相場の動向を牽制した。ついに1ドル=139円台まで円安が進み、140円突破は目前。「必要な場合は適切な対応を取りたい」と“口先介入”も見せたがこれまで通り、効果ゼロだろう。
鈴木はG20会合の場でも為替相場について「急激な変動がみられ、高い緊張感を持って市場動向を注視する必要がある」と参加国に訴えたらしいが、G20の関心事は「ウクライナ戦争で混乱する世界経済の立て直し」であり、為替は主要議題にはならなかった。日本の財務相は“ガキの使い”みたいなもんだったのだ。
12日に来日したイエレン米財務長官と会談した後も、鈴木は急激な円安について「日本の立場を理解いただいた」と説明していた。だが、何か効果的な対策があるのかといえば、円買いの為替介入について、イエレンは否定的な考えを示したとロイター通信が伝えている。介入は「例外的な状況」においてのみ正当化されるというのがイエレンの考えだとのこと。6月の消費者物価指数が前年同月比9.1%もの上昇という超インフレに喘ぐ米国にとって、さらなる物価上昇を招くドル安円高の為替介入など容認できるはずがないのだ。
国葬より国民生活の救済が先決
日米での協調介入は決してやれない、と見透かされているから、海外投機筋はマネーゲームを仕掛け、楽々と儲けをむさぼる。そうして円安はどんどん加速していく。
日銀は20日、21日と金融政策決定会合を開くが、大規模金融緩和は維持される見通し。2022年度の消費者物価の上昇率見通しについては、4月時点の前年度比1.9%から2%台前半へ引き上げる方向で検討しているようだが、黒田総裁は自らの実績にバッテンをつけるような政策変更にはガンとして動かない。
一方で、米FRB(連邦準備制度理事会)は26、27日の会合で追加利上げを決める公算が大きい。通常の4倍の1.0%の利上げに踏み切る観測まで出ている。そうなれば、日米の金利差はさらに拡大。円売りドル買いにますます歯止めがかからなくなり、もう一段の円安物価高だ。日銀はどんどん追い詰められていくだろう。
もはや輸出企業だって過度な円安は望んでいない。そんな日本経済にとって危機的な状況下で、岸田首相は凶弾に倒れた安倍元首相の「国葬」を決めた。国会での議論を経ることなく、アベ政治の功罪を議論することもなしにだ。歴代最長政権だから「国葬」と強弁したが、長期政権だからこその罪は山ほどある。
中でも賃金が上がらないまま円安物価高を招いたのは、10年近く続くアベノミクスの異次元緩和に元凶があるのは間違いない。庶民生活を苦しめる大罪だ。異次元緩和の落とし前をつけずに、元首相は逝ってしまった。そのとばっちりを受ける庶民からは「安倍追悼よりもアベノミクスの断罪が先」という静かな悲鳴が湧き上がりつつある。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「亡くなった人を悪く言わない日本人のメンタリティーがあるので、メディアもアベノミクスを批判しなくなっていますが、異次元緩和が無理のある政策だったことは、今や誰もが分かっている。円安物価高の原因がアベノミクスにあり、その負担を国民が強いられているのですからね。『国葬』については、皆が賛成しているわけじゃない。岸田首相は安倍元首相の顔を立てたつもりかもしれませんが、国民生活に負担をかけた人に奉るより、現実に生活に窮している国民を救うのが先決ではないですか。政府・日銀が思っている以上に、物価高に対する国民の負担感は重い。放置し続ければ、国民は耐えられなくなり、どこかで爆発することになりますよ」
賃金上がらず物価上昇は「増税」と同じ
ガソリンや電気代だけでなく、生活に関わるありとあらゆるものの値段が上がっている。
東京商工リサーチの調べでは、大手外食業者120社のうち、今年1月以降に値上げか値上げを伴う価格改定を実施した業者は53社に上った。実に全体の44.1%である。値上げはデフレの象徴だった「ファストフード」にも広がり、値上げ率の高さが際立つ。マクドナルドのハンバーガーは110円から130円にアップし、値上げ率は18.18%。ロッテリアのハンバーガーは209円から220円になり、値上げ率5.26%だった。「海外からの輸入食材を中心に仕入れコストの負担が急騰し、価格転嫁が表面化している」のが大きな要因だ。
帝国データバンクが6月末に発表した主要食品会社105社の調査でも、値上げラッシュがこれから本格化することが分かっている。年末までに値上げの累計は2万品目を超えることが確実。もっともこの調査の段階では「1ドル=130円台を既定路線」としたものだったから、140円台突入、150円まで近づけば、さらなる価格改定に踏み切る会社が増え、値上げ品目は2万品目どころかもっと激増しかねない。
「前年同月比9.2%の上昇となった6月の企業物価指数と同時に発表された輸入物価指数は、円ベースで46.3%上昇となり、比較可能な1981年以降で最大の伸びとなりました。ただ、契約通貨(現地通貨)ベースだと輸入物価指数は25%の上昇。円安が輸入インフレを増長していることがハッキリ表れています。上流の輸入物価や中流の企業物価が上がれば、下流の消費者物価も上がる。円安物価高の水位がどんどん上がる“豪雨”が続いている状況です。中流の企業が耐えられなくなれば、下流の消費者が負担しなければならなくなる。賃金は上がらないのに物価だけ上昇では、庶民の体感は増税されているのと同じです」(斎藤満氏=前出)
日本企業の競争力も低下させた
「安いニッポン」で円の価値が恐ろしく低下しただけじゃない。一時的な痛み止め策だったはずのアベノミクスの異次元緩和を長く続けていることで、日本企業の競争力まで低下させてしまった。
円安誘導によって株価が上がり、為替差益で稼ぐことに慣れ切った輸出企業は、自らイノベーションや成長の努力をしなくなり、通貨安に依存しなければ収益を上げられない体質になってしまったのだ。その意味でも、アベノミクスの罪は重い。
安倍は亡くなる直前までアベノミクスを自画自賛し、「日本銀行は政府の子会社」だから国債を大量に買わせてもいいと発言。岸田に対しては、来年4月に任期満了を迎える黒田総裁の後継人事にも介入して、アベノミクスを継続させようともしていた。
急逝により安倍が異次元緩和の落とし前をつけられないのならば、代わりに岸田が動くべきじゃないのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「岸田首相は参院選の街頭演説でも、ロシアによるウクライナ侵攻を物価高の理由にし、世界と比べれば日本は上昇率を抑制できているなどと言っていました。しかし実際は、円安が物価高を加速しているのであり、上昇率は他国と比べて低くても、日本は賃金が増えていないので、庶民生活に与える打撃は大きい。最近、生活困窮者の支援やフードバンクなどのボランティアが拡大しています。本来は、行政が支援すべきことです。アベノミクスが物価高の出発点になっているのは間違いなく、原因をつくった元首相の国葬より、困っている国民のために税金を使うべきなのです」
死者にムチを打たないのが日本人の美徳とはいえ、怒りの声を上げなければ、庶民の暮らしは良くならないどころか、悪化するばかりだ。
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