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旧統一教会にとって政治家や芸能人は“広告塔”…「隠れ信者」という言い方で会員扱いに 安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308360
2022/07/16 日刊ゲンダイ
握手を交わす岸信介元首相(右)と文鮮明・旧統一教会創立者(「統一教会四十年史」より複写)
「動画を見て安倍元首相と団体(旧統一教会)につながりがあると思い、絶対に殺さなければいけないと確信した」
安倍晋三元首相を銃撃し、逮捕された山上徹也容疑者(41)は、インターネットに投稿された動画を見て犯行を決断した。昨年9月、安倍氏が統一教会の創始者・文鮮明と妻の韓鶴子現総裁が設立した団体「天宙平和連合」(UPF)のオンライン集会に寄せたビデオメッセージだった。安倍氏は「総裁はじめ、皆さまに敬意を表します」と持ち上げ、このオンライン集会には米国のトランプ前大統領もメッセージを送っていた。
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」代表の山口広弁護士は12日の記者会見で、「統一教会の社会悪を考えれば、反社会的団体にエールを送るような行為をやめていただきたいと、安倍元首相や他の政治家に何回もお願いした。どんなに被害者が苦しむのか、絶望するのか、それによって新たな被害者が生まれかねない」と訴えた。
旧統一教会にとって、著名人は信者勧誘のための重要な役割を担っていた。旧統一教会の集会や式典に政治家が出席したり、祝電を打ってくれれば、「問題のない団体」とお墨付きをもらえることになる。安倍氏は内閣官房長官だった2006年にも、UPFの行事に祝電を打っている。
同日の記者会見では40代の元女性信者が自らの経験談をこう話した。
「組織を守るために政治家を利用しているところはあると思います。私の場合、ゴルバチョフ(元ソ連書記長)、金日成(元北朝鮮国家主席)、岸信介(元首相)らと文鮮明が一緒に写った写真を見せられました。大物政治家と通じているんだ。この人(文鮮明)はすごいんだ。メジャーなんだという一つの動機付けになります。やっぱりメシア(救い主)なんだという思いにさせられてしまいます」
理由があって名前を出せない「隠れ信者」の存在
政治家や芸能人を「広告塔」として利用するため、実際は会員ではないのに、教会内で「会員扱い」されているケースもあるという。
紀藤正樹弁護士がこう指摘する。
「統一教会のシンパとして来る政治家や芸能人は、『隠れ信者』という言い方をするんです。『本当は信者なんだけど、理由があって名前を出せないんだよ』ということが多い。山上容疑者もシンパ、イコール信者と思わされていたか、そう説明されていた可能性もあります」
山上容疑者が、安倍氏と旧統一教会の間に強いつながりがあると思い込んでもおかしくない。
安倍元首相、今月に入り決断か 6月にも地元で機会も動きなし
その山上徹也容疑者が、7月に入って襲撃実行を最終決断したと供述していることが分かった。
安倍氏は6月28日にも現場に近い大和西大寺駅南口の街頭で参院選の応援演説を行っていたが、捜査関係者によると、山上容疑者が演説会場を訪れた様子はなく「6月の時はやるつもりはなかった」という趣旨の供述をしているという。
奈良県警は6月末から決行までの心境の変化や背景について事情を聴いている。
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独自「火炎瓶持って…」供述で判明した旧統一教会“襲撃計画”安倍元総理を狙った理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/c160cb1629acdba4fb11cc42ac6282d4a849124d
7/12(火) 23:30 ANN
2022/07/13 ANNnewsCH
安倍元総理を銃撃した山上徹也容疑者(41)の、これまで明らかにされていなかった詳細な供述を取材することができました。
山上徹也容疑者:「私は、近鉄大和西大寺駅近くで、選挙の演説をしていた安倍元総理を散弾銃で撃って殺そうとしました。本当は統一教会のトップを狙っていましたが、韓国にいて、コロナウイルスのために日本に来ませんでした。安倍元総理を狙って撃てば死ぬかもしれないことは分かっていましたが、どうしても統一教会が許せず、そこにつながっている安倍元総理を散弾銃で撃ったのです」
はっきりと認めた“強い殺意”。そして、山上容疑者が語ったのは、長年にわたって膨らんでいった“恨み”でした。
山上徹也容疑者:「20〜30年前に、母親が統一教会に入会しました。その後、多額のお金を振り込んだ影響で破産。それがそもそもの元凶です。その頃から恨んでいました。当時はナイフ1本を持って、教会の会合などをしている周辺をウロウロしたりしていました。トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁をずっと狙っていました」
韓鶴子氏は“旧統一教会”の創設者の妻であり、名前を変えた現在の『世界平和統一家庭連合』の総裁を務める人物です。
山上容疑者の母親は1998年、山上容疑者が高校3年生の時に、当時の統一教会に入会したとみられています。
どれだけ献金していたのかなど、詳しくは分かっていませんが、山上容疑者の母親は2002年に自己破産しています。
山上容疑者の実家からは「家庭を壊された」と、積年の恨みを走り書きしたようなノートも見つかっています。
山上容疑者は韓総裁に対し、実際に行動を起こしていたことも新たに分かりました。
山上徹也容疑者:「2〜3年前に、愛知に韓総裁が来ていました。その時、火炎瓶を持って行きました。教会のメンバーしか会場内に入れなかったので、行くだけで何もできませんでした」
3年前、韓総裁が来日した際、火炎瓶で襲撃を試みようとしたと山上容疑者は話しています。
その後、コロナのパンデミックによって、韓総裁が来日する機会は訪れませんでした。
すると山上容疑者は、恨みの矛先を安倍元総理にも向けるようになります。
山上徹也容疑者:「元凶は韓総裁かと思っていました。だから韓国に行って殺ってやろうかとも思いましたが、出国などできないと思いやめました。韓総裁を日本に連れてきた岸元総理の孫ということで、安倍元総理も一緒と思っていました。今年の3月か4月に、安倍元総理が統一教会に向けてビデオメッセージを送っていました」
岸元総理の名前を口にする山上容疑者。ただ、団体側は11日の会見でこう説明しています。
世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「私たち法人との関係というよりは、創設者の文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁、韓鶴子総裁が推進する平和運動に、強く理解を深めてくださっていたと私は理解しています。私たちの教団は、韓国から宣教師が送られてきて、その宣教師によって1人から2人3人と広がって定着した宗教団体です。従って、その動きのなかに岸元総理が何か特別な計らいをしたとか、あるいは特別な影響を与えているかということは、まずないと思います」
また、安倍元総理のビデオメッセージについては、別の組織である友好団体宛に送られたものだったと説明しています。
山上容疑者は、自作した武器のことも詳しく供述しています。作っていたのは銃だけではありませんでした。
山上徹也容疑者:「圧力鍋の爆弾等を最初に作りました。試しに爆発させたりしましたが、特定の誰かを狙うのは向いていませんでした。銃ならば狙って撃てると思い、銃を作りました。昨年の秋ごろに銃は完成し、弾はネットで空の薬莢(やっきょう)を買ってから火薬を詰めました」
そして、実際に行動を起こします。それが事件前日の7日、岡山市民会館での演説です。
山上徹也容疑者:「実際に安倍元総理を殺そうと動いたのは、岡山県に行ったことです。自民党のホームページで、安倍元総理が岡山に応援演説に行くと予定表があったので、自分も岡山に行きました。3発発射できる銃を持っていきました。黒いリュックに入れて、弾は入った状態で、バッテリーだけ外して持っていきました」
岡山に向かう前、7日の未明には、奈良市内にある教会関連施設に隣接する建物へ“銃の試し撃ち”をしたとみられます。7日午前4時ごろ、その銃声と思われるものが防犯カメラに捉えられていました。
しかし、岡山で犯行に及ぶことはありませんでした。その理由も詳しく話しています。
山上徹也容疑者:「安倍元総理が会場に入る時か出る時を狙っていましたが、裏口からの入退場で、周りにSPがいるので、結局その日は何もできませんでした。帰りの新幹線で、自民党のホームページで、安倍元総理が翌日、奈良県に来ることが分かりました。岡山で実行できなかったので諦めかけていましたが、奈良に来るということなので、この日に安倍元総理を殺そうと思いました」
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