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※2022年7月11日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
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※2022年7月11日 日刊ゲンダイ3面 紙面クリック拡大
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安倍暗殺と自民圧勝 現状追認の選挙結果で歴史が暗転する予感(上)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308110
2022/07/11 日刊ゲンダイ
下馬評では表を減らしていた 自民党を蘇らせたのは凶弾なのか
衝撃冷めやらぬ中、国民が審判。歴史の分水嶺(上は、安倍元首相の銃撃現場に設置された献花台)/(C)日刊ゲンダイ
この選挙が歴史の分水嶺だったと、後になって振り返ることになるのだろうか。10日、投開票された参院選は、予想通り自民党の圧勝だった。自民は改選55議席から大きく伸ばして63議席。単独で改選過半数(63議席)に達し、第2次安倍政権発足翌年の65議席、小泉政権時代の2001年に獲得した64議席に迫る大勝利となった。自公与党では非改選を含め146議席の新勢力となる。
この大勝利はやはり、投開票2日前に元首相が凶弾に倒れるという信じがたい事件を抜きにしては語れない。8日に奈良市内で応援演説中だった安倍元首相が銃撃されて死去。事件翌日は選挙戦最終日で、自民陣営は喪章をつけて街頭演説に臨んだ。
「安倍氏が非業の死を遂げたことによって、終盤に競り合っていた激戦区の風向きは一変しました。元首相が選挙の応援演説中に銃撃されるという衝撃的な事件だったことも大きかった。当日のテレビはこの話題一色に染まり、投開票前日の土曜日夜にはNHKが緊急特番を放映した。本来、選挙の投票行動には冷静な判断が求められますが、事件の衝撃に加え、大メディアの情緒的な追悼報道をずっと見せられていれば、自民に投票したくなるのも無理はない。いわゆる“香典票”で、浮動票の多くが感傷的に自民に流れたとみられます」(政治評論家・野上忠興氏)
銃撃事件の容疑者の供述によれば、犯行動機は宗教問題にまつわる私的な恨みだったようだが、選挙演説中の銃撃事件は政治テロの様相で、「民主主義に対する挑戦」と受け止められた。暴力に屈せず、「民主主義を守る」という使命感から、自民に投票した有権者もいただろう。選挙戦中盤以降、自民は比例代表で伸び悩んでいたが、最終的には18議席を獲得。前回(19年)、前々回(16年)の19議席にほぼ並んだ。
令和の日本で、公衆の面前で元首相が暗殺されるという衝撃冷めやらぬ中で行われた参院選。投票率は52.05%で、3年前の前回を3.25ポイント上回った。
岸田首相はこの結果を受けて独自色を出していくのか
安倍元首相の急逝で状況は変わってしまった…(参院選自民党開票センターで取材に応じる岸田首相=10日)/(C)JMPA
これまで党内に気を使って「安全運転」に徹してきた岸田首相は、この先どう動いてくるのか。参院選の大勝を受けて、いよいよ独自色を打ち出していくかと思いきや、そう簡単な話ではないようだ。
「岸田首相が先頭に立って戦った参院選で圧勝すれば、他派閥に気兼ねすることなく、本当にやりたいことができるようになるはずだった。しかし、安倍さんの急逝で状況は変わってしまった。党内でも多くの議員が内心では『圧勝は安倍さんのおかげ』と思っている。いきなり首相が安倍路線と決別してリベラル色を前面に押し出したり、安倍派を排除するようなことをすれば、それこそ政局になります」(自民党関係者)
参院選後に予定されている内閣改造人事も、当初の構想からは調整が必要になりそうだ。
「普通は国政選挙に圧勝すれば首相の求心力が高まるが、今回はそうなっていない。岸田政権の政策が支持されたわけではないし、安倍氏の岩盤支持層に助けられたことは首相も分かっている。今後しばらく『安倍氏の遺志を継ぐ』という訴えを無視できないでしょう。そうなると、アベノミクスからの転換もしづらいし、防衛費倍増もしかり。憲法改正も無視できない。人事でも、交代が既定路線と言われていた高市政調会長を代えられるかどうか。政策も人事もフリーハンドどころか、かえってがんじがらめになってしまったように見えます」(野上忠興氏=前出)
足元の物価高や円安、再びのコロナ感染拡大など、現実的な問題への対応は急務だ。のらりくらり検討しているヒマはないのだが、党内に目配りして「安全運転」が続く可能性がある。安倍の影響力に手足を縛られたままでは、岸田カラーを打ち出すことも難しいか。
翼賛国会で改憲・軍拡、民主主義は消滅危機
改憲が悲願だった安倍元首相の銃撃事件が議論に拍車をかける(C)共同通信社
参院選の結果、自公与党に加え、日本維新の会、国民民主など「改憲勢力」が3分の2以上を維持。直近の民意を得たとして改憲議論が加速するのは必至だ。
議論に拍車をかけるのが、改憲が悲願だった安倍の暗殺である。
10日の開票中、早速、維新の松井代表は「自民党のみなさんは安倍さんの遺志を引き継ぐとおっしゃっている。ぜひ(憲法改正の)公約を守って欲しい」と強く求めていた。この状況では翼賛国会で改憲へ一瀉千里となっておかしくない。安倍が凶弾に倒れた衝撃が冷めやらないうちに、改憲発議に打って出る可能性がある。
「メディアが安倍元首相の『功績』を強調するあまり、故人を英雄視するような世論が醸成されつつある。恐らく改憲勢力も『安倍さんは命がけで憲法を改正しようとした』と前面に打ち出すに違いない。ロシアのウクライナ侵攻と要人テロで国内外に不安が渦巻く中、『安全を守って欲しい』との国民心理に付け込み、9条への自衛隊明記や緊急事態条項新設を押し通す好機ととらえているはずです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
GDP比2%以上の防衛費倍増、指揮統制機能を含めた敵基地攻撃能力の保有など、岸田自民党が掲げる軍拡メニューの大半は、安倍が言い出しっぺだ。
「すべての軍拡を『安倍さんの遺志を無にするな』で押し切れば“偉大な故人”に反対する方が悪いというムードになりやすい。しかし、マトモな批判すら許されない風潮がはびこるようだと、民主主義は消滅の危機です」(金子勝氏=前出)
岸田が手にした「黄金の3年」とやらで、時代は暗転の予感である。
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