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スキャンダル報道は政治家選びの最高の指標(下) 高橋清隆の文書館
http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/163.html
投稿者 ますらお 日時 2022 年 7 月 05 日 00:55:03: tlXAsMLYVhTKo gtyCt4Lngqg
 

元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2050905.html
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(中)からの続き
デジタル監視社会に盲目な参政党信者

 諸派の中で、新聞紙上での露出が最も多いのが参政党である。その論調は例外なく好意的である。毎日新聞は6月20日、山田孝男特別編集委員の署名で「参政党現象」と題するコラムを載せた。若い世代をネットで引きつける同党のパワーを礼讃し、「バカバカしいと笑って見過ごしてよい現象ではない」と締めくくっている。大新聞からの堂々たるエールである。

チラシ
参政党の今参院選での選挙公報。コロナへの言及はない。

 『日刊スポーツ』もコラム「政界地獄耳」で「世界同時にネット拡散する参政党の主張」と題する論考を掲載。“参政党現象”を橋下徹率いた大阪維新の会や山本太郎率いる「れいわ」の台頭になぞらえて持ち上げている。『日刊ゲンダイ』も「新興勢力参政党が参院選台風の目に? ネット戦略で支持拡大 比例1議席獲得の可能性」と大きく報じている。同夕刊紙は、政府や小池都知事の感染症対策の不徹底さやワクチン接種率の低さを糾弾してきた。

 参政党支持者のほとんどは、コロナ騒動に終止符を打ってくれることを期待している。確かに同党は、新型コロナは政府やメディアが言うほど脅威ではないとして、マスクやワクチンの有効性にも疑問を呈してきた。しかし、党ホームページに掲載されている政策「10本の柱」において、コロナ政策に関する記述は2本目の柱の1項目にとどまる。そこには「ワクチン接種の即時中止」という主張はないし、「マスク」という文言すらない。

 代わりに 「AI、IoT、5G/6Gなどの最先端技術で、モノとヒトと情報が高度につながる“Society5.0”に向け、これから一体化が進むリアルとバーチャルを人間本位で最適化するソリューションを各分野で生み出す国になる」「リモート化や身体機能を拡張させる先端技術の活用で、年齢性別地域に関係なく、社会参加や就業ができる基盤づくり」などの政策がうたわれている。前者は脳とAIを接続し、人間精神をクラウドにアップロードするというレイ・カーツワイルの計画に沿う。後者は米国防高等研究計画局(DARPA)の保健部門、米国健康高等研究計画局(HARPA)が推進する政策と重なる。すなわち身体障害者の欠損部分にIT機器を装着し、健常者より高い能力を発揮させるというもの。人間における機械性と生物性との融合の入り口として想定されている。これでは、自民党以上にカルト権力を喜ばせていないだろうか。

 このようなグロテスクな提案が出てくるのは、ひとえにボードメンバーの一人、松田学の存在から来る。「松田プラン」の骨格は、マイナンバーとひも付けしたデジタル政府通貨による国民監視にほかならない。同党の政策は基本的に松田氏が書いている。さらに当初の軍資金は松田氏が一人で引っ張ってきたと筆者はにらむ。他の候補者が街頭で何を言おうと、この本質は変わらない。

 一例を挙げれば、9本目の柱「地球と調和的に共存する循環型の“環境・エネルギー体系と国土づくり“」には「カーボンゼロ目標を目指すにあたっては、国民経済の負担増を回避できる範囲での次世代循環型エネルギーの活用と安全な次世代原発の推進をもって対応」の項目がある。これはボードメンバーの武田邦彦氏が20年前から展開してきた「CO2温暖化説はうそ」との主張に反するではないか。

 こうした同党の姿勢は、武田氏がSDGsやコロナ茶番を平素から糾弾しながらテレビで一度も言及したことがない「大人の姿勢」と重なる。これでは支配権力の補完性と呼ばれても仕方あるまい。テレビや新聞、ウェブニュースに参政党批判の記事が出たならば、筆者はこの認識を改めるが。街宣に群がる参政党信者たちには、この事実が全く見えていないか、見ないようにしている。

 7月1日に公開された参政党の政権放送には予想通り、コロナ対策への言及がなかった。唯一「ワクチン」という言葉が赤尾由美氏のスピーチで登場した。これは党が掲げる三つの重点政策、すなわち「子供の教育」「食と健康、環境保全」「国のまもり」のうち「国のまもり」に関するもの。赤尾氏は「ワクチンに言及するとユーチューブの削除対象になる」と吐露。その理由として「国が推進しているから、グローバル企業も従うしかない」との認識を示した。しかし、事実は逆ではないか。私企業による削除が怖くて国家によるコロナ茶番の終了という従来の看板政策を取り下げたなら、本末転倒ではないか。

 アリストテレスの時代、政治は目の見える距離、耳に聞こえる範囲でしか行われなかった。ところが現在ではろくに会ったこともない人に一票を投じてはいないか。情報は全てメディアを通じ、加工して届られる。代議制民主主義は、庶民には政策についての判断能力はないが、人物については判断能力を有するとの考えに基づいている。庶民と大衆は違う。大衆はマスメディアから流れる情報を受け取る人々であるのに対し、庶民とは歴史的精神の形式すなわち伝統を次の世代に引き渡す人々を指す。

 政治がこれだけ広範囲に営まれている現在、各政治家の考える政策や理念について検証するのは大衆には無理だ。公正な政治運営がなされるには、有権者がメディアから離れ、自分で調べ、自分の頭で良し悪しを評価しなければならない。ただし、正邪倒錯というメディアの法則を知ってしまえば、もはや調べたり考えたりする必要すらない。最も攻撃されている人に一票託せば、まず間違いはないからだ。

 かくいう私も、この視点で新聞の三面記事を見るのが密かな楽しみになってきた。7月24日までスキャンダル記事から目が離せない。(終わり)

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