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※紙面抜粋
※2022年6月28日 日刊ゲンダイ2面
【物価高にも食料危機にも打つ手なし】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) June 28, 2022
ならず者の前にG7の空しい結束
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/ZUDBBzjqXS
※文字起こし
「選挙は大事だが、国益のために会議に参加する意味は大変大きい」
「ロシアによるウクライナ侵攻への対応、物価高対策を含む世界経済、そしてインド太平洋などの地域情勢といった課題について率直に議論を行い、G7の結束を示す機会にしたい」
そう言って、ドイツ南部の保養地エルマウで始まったG7サミット(先進7カ国首脳会議)に出席するため、参院選の最中に旅立った岸田首相。国政選挙期間中の首相外遊は異例だ。
今回のサミットのテーマは、何と言ってもロシアによるウクライナ侵攻。その対応としての制裁強化であり、副作用である物価高や食糧危機に関する議論を深め、国際社会の連携を打ち出して力強いメッセージを発すること──なのだが、実際のサミットのお気楽なことといったら……。
AFP通信などによれば、26日に開幕したG7サミットで恒例の写真撮影の際、テーブルに着席するなり英国のジョンソン首相が「ジャケットを脱ごうか」と言い出した。ロシアのプーチン大統領がカレンダーなどでたびたび筋肉を誇示する写真を披露してきたことを念頭に、「上着を脱いでわれわれはプーチン氏よりタフだと示さなければならない」と冗談を飛ばしたわけだ。
これにカナダのトルドー首相が「裸で馬に乗る姿を写真に撮ってもらおうか」と呼応し、テーブルは笑いに包まれたという。2009年にプーチンが上半身裸で乗馬する写真を公表したことを揶揄したのだ。この弛緩しきったムードは何なのか。
「西側諸国のトップリーダーがこの程度だから、プーチン氏にいいようにやられているのだと情けなくなります。正当な理由もなく、ウクライナに侵攻したならず者を止められなければ、国際社会のルールも民主主義の理念も破壊されてしまう。今は文明の危機なのです。首脳同士が冗談を言い合ってる場合ではない。何のためにウクライナに武器を供与しているのか。どうやってプーチン氏のドス黒い野望を止めるのか。グランドデザインが描けないまま、逐次的な対応に終始しているのがG7首脳で、何としても自由と民主主義を守るという覚悟がまったく感じられません」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
内政問題を抱える出席者たち
プーチンを揶揄するジョークは、ちっとも面白くない上にG7の弱体化を象徴するような話だ。出席者はそれぞれ足元の内政問題を抱えている。
ジョンソンは不信任投票をなんとかしのいだものの、地方選挙での苦戦が予想され、求心力を失っている。4月に再選を果たしたフランスのマクロン大統領も、19日に行われた国民議会(下院)総選挙で与党が過半数を大きく割り込んで、政権運営に黄信号がともったばかり。ドイツもショルツ首相の与党が州議会選で連敗した。米国のバイデン大統領も支持率が就任以来、最低に落ち込んでいる。
各国首脳を追い込んでいるのは物価高だ。ロンドンでは18日、数千人がデモに参加して物価高への不満を訴えた。ベルギーのブリュッセルでも労働者ら7万人がデモを行って生活費の高騰に抗議した。
ロシアに対する西側の経済制裁が、エネルギーや穀物の価格高騰として跳ね返り、物価高が庶民生活を苦しめる。その不満が政権に向かう。だから、ロシアに対して制裁強化や力強いメッセージを打ち出すことができなくなっている。G7の結束は上っ面の言葉だけになる。物価高にも食糧危機にも打つ手なしだ。
ヘラヘラ笑って記念撮影しているだけの首脳会議
岸田が選挙をほっぽり出して外遊に出かけたのは、「各候補の応援に入るより、総理が外交舞台で活躍する姿をテレビで華々しく報道してもらった方が効果的」(自民党関係者)という意見があった。だが、そのもくろみはすっかり当てが外れたのではないか。
「G7は新たな制裁措置として、ロシア産の金の輸入禁止を打ち出しましたが、制裁の効果は薄れてきている。禁輸措置は穴だらけで、もはやプーチン氏の蛮行を止める効力があるとは思えません。本来なら、日本の首相のG7出席はNHKのトップニュース扱いなのに、今回は大きく扱われていない。選挙報道が優先ということもあるでしょうが、あまりに中身がないので、提灯メディアも報じようがないのでしょう。ロシアの侵攻直後は西側が結束して力強いメッセージを発し、プーチン氏を追い込むためには痛みにも耐えると宣言していましたが、4カ月に及ぶ戦争の長期化で“ウクライナ疲れ”も広がり、足並みがそろわなくなってきた。そこをプーチン氏は冷静に見ている。これといった戦略もないのに、笑って記念撮影しているだけに見えてしまうG7で、本当に対抗できるでしょうか」(春名幹男氏=前出)
G7がヘラヘラ笑っている間に、ロシアは次々と手を打ってきている。
ドイツとのパイプライン「ノルドストリーム」による天然ガスの供給を6割減らすと発表したのは、いわば“逆制裁”だ。欧州でのエネルギー価格の一層の高騰は避けられないだろう。ドイツ経由で天然ガスを輸入しているフランス、オーストリア、チェコへの影響も計り知れない。
また、G7サミットを牽制するように、23日にはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)のオンライン首脳会議も開かれた。24日には拡大会議も開催され、アルゼンチン、エジプト、インドネシア、マレーシア、タイなど13カ国が参加した。
これは、国際社会はG7の価値観がすべてではないことを物語っている。物価高と食糧危機の影響を最も受けるのは発展途上国だ。制裁と武器供与を続けるだけで、戦争を止められない、問題を解決できないG7に批判的な見方もある。そんな中で、言葉だけの空しい結束しか表明できないG7は、もはや漂流しつつあるのではないか。
税金はまず自国民のために
西側政府はG7の場で、ロシアの外貨建て国債の利払いが猶予期限の26日までになかったことについて、「デフォルト(債務不履行)」に該当するとの認識を示したが、通貨ルーブルは値を戻し、27日のモスクワ市場ではプラス圏に浮上した。西側の制裁はどれだけ効果があったのか。
そんな空しいG7が28日に閉幕し、岸田はその足で29日に開かれるNATO首脳会議に出席するため、スペインのマドリードに飛ぶ。
「岸田官邸は、日本の首相として初めてNATO首脳会議に参加するとアピールすることが選挙にプラスになると計算していたのでしょうが、有権者の関心は安全保障から物価高に移ってきている。西側各国は物価高問題が政治を動かしています。日本でも思いのほか早く梅雨が明けて、いきなりの猛暑でエアコンはフル稼働、電気代が家計を圧迫するでしょう。食料品など生活必需品の値上げも相次いでいる。外交安保も重要な問題ですが、物価高は国民生活にとって切実です。首相が外遊で不在中に、自民党の茂木幹事長が『消費税減税なら年金カット』と国民をドーカツするような発言をして批判が集中しているし、G7でも物価高対策の主だった成果はない。この外遊でどれだけ票の上積みができるかは疑問です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
G7の演説で岸田が発展途上国のインフラ投資に今後5年間で650億ドル(約8.8兆円)以上の拠出を目指すと表明したことにも、「途上国への支援もいいが、税金はまず自国民のために使って欲しい」と批判が噴出だ。8.8兆円といえば、消費税3%以上に相当する。自国民には、節電でポイント付与とかセコイことしか言わない政府が、国際社会でいい顔したくて税金を好き勝手にバラまく。そんな政治で本当にいいのか。有権者が「NO」を突きつけるには、参院選は絶好のチャンスだ。
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