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「令和版マドンナ候補」26人当選圏で旋風再び? 家計直撃と女性醜聞が89年参院選と酷似
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/307315
2022/06/26 日刊ゲンダイ
「山が動いた!」(土井たか子委員長=1989年参院選)/(C)共同通信社
「マドンナ旋風」の再来となるか。過去最多181人の女性が立候補した今回の参院選(7月10日投開票)。故・土井たか子委員長率いる旧社会党が大躍進した1989年参院選の女性候補者数(146人)を33年ぶりに上回った。岸田政権へ吹き始めた逆風が、過去最多の女性議員を生む可能性は大だ。
◇ ◇ ◇
野党系の女性候補が自民候補に先行、または追い上げている選挙区は計22区(別表)。現職・新人の26人が当選圏内にいる。参院選の女性当選者数は選挙区と比例代表を合わせ、2019年の計28人が最多。今回はその記録を上回りそうだ。
総務省が24日発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比2.1%上昇。生鮮食品は同12.3%、水道・光熱費は同14.4%も跳ね上がり、生活必需品の高騰は家計に大ダメージだ。止まらない物価高に無為無策の岸田政権に対する「ノー」が噴出し、実際、内閣支持率は軒並み下降傾向にある。
89年参院選は自民が大敗
比例区出馬の辻元清美(左)は土井チルドレン(C)日刊ゲンダイ
物価高に加え、岸田派ホープの吉川赳衆院議員は、18歳女子大生とのパパ活飲酒疑惑に説明責任を果たさないまま、雲隠れ。間もなく約290万円の「夏のボーナス」が支給される。細田衆院議長による女性記者へのセクハラ疑惑もくすぶったままだ。
物価高による家計直撃と、中ぶらりんの女性スキャンダル──。政権が2つのアキレス腱を抱える選挙戦は、自民が大敗を喫した89年の参院選と似ている。
当時は消費税の導入直後。家計直撃に有権者の反発が高まる中、宇野宗佑首相(当時)に「3本指」の女性スキャンダルまで浮上。自民党に逆風が吹き荒れた。土井たか子委員長(同)が率いる社会党が「マドンナ旋風」を巻き起こし、改選第1党の座を奪う圧勝。自民は改選前から33議席減という惨敗で、過半数割れ。土井が「山が動いた!」の流行語を残した瞬間である。
「『マドンナ旋風』の頃は、いわば女性が専業主婦として台所を預かっていた時代。だから89年の参院選では女性候補が生活経済の課題を争点に掲げ、多くの女性有権者が共感したのです。今は働きながら子育てする女性もたくさんいます。保育や社会保障、ジェンダーなど、関心は多岐にわたるでしょう。今回の参院選では、そうした問題に熱心に取り組んでいる野党系の女性候補に女性有権者の票が集まると思います」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
「令和のマドンナ」が再び旋風を起こし、33年ぶりに「山」は動くのか。
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