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岸田総理の安倍派パージ第一弾は「実弟・岸防衛相」という衝撃 直談判も無視! 参院選後に政局が訪れる
https://friday.kodansha.co.jp/article/250044
2022年06月24日 FRIDAYデジタル
衆議院本会議に臨む岸防衛相(左)と岸田総理
6月17日に発表された次官級人事が永田町に衝撃を与えている。
「岸田文雄総理(64)率いる官邸主導によるロコツな”安倍派パージ”が行われました。安倍晋三元総理(67)の腹心である防衛省の島田和久事務次官(60)の退任が決まったのです。島田氏は、12年12月から安倍元総理の秘書官を約6年半務め、次官就任後は防衛費を5年でGDP比2%の増額を目指す、旗振り役となった”省内随一のキレ者”。特に今年は参院選でも争点の一つとなる、防衛力の抜本的強化に伴い、年末までに戦略3文書改定の議論をまとめる必要があり、島田氏の次官留任が既定路線とみられていました。ところが官邸から示された人事には、後任として既に”あがりポスト”に収まっていた鈴木敦夫防衛装備庁長官(61)の名前があったのです。次官級の装備庁長官からの横滑りは異例で、鈴木氏自身も今回の人事には驚きを隠せなかったといいます」(防衛省関係者)
安倍元総理の実弟で防衛大臣の岸信夫氏(63)ら防衛省側は、官邸から示された島田氏の退任人事に対して「現下の厳しい安全保障環境をかんがみ、今回の戦略3文書改定は最も重要となる。年末の文書改定までは島田次官を続投させたい」と継続性の観点から強く反対したが、官邸の意向は変わらなかった。
官邸関係者が内情を明かす。
「栗生俊一内閣官房副長官(63)は『次官の就任2年での交代は慣例』『決定事項ですので』と電話一本で冷たく切り捨てたそうです。今回の人事を主導したのは栗生副長官と木原誠二内閣官房副長官、そして財務省の面々です。そもそも、安倍元総理は今年の経済財政運営の指針『骨太の方針』で、防衛費の大幅増額を主張。原案では『GDP2%』を本文に入れ、必要額達成までの年限を『5年以内』と明記させた。その立役者こそ安倍元総理の腹心である島田次官でした。この動きを苦々しく思っていた財務省は、島田氏を議論から排除することが念願だったのです。安倍元総理の骨太に関する発言を受け、文言を修正するハメとなった岸田総理は周囲に恨み節を吐いており、今回の人事はその意趣返しという側面があります」
今回の官邸の反逆に安倍元総理はすぐ反応。議員会館事務所に岸田総理を呼び、島田次官を続投させるよう直談判したのだが……。
「岸田総理の答えは『もう決まったみたいなんで』とまるで他人事だったそうです。この話を聞いた木原副長官は『安倍総理もよくやりますよね』と勝ち誇ったように笑っていたとか。国防族議員からは『あり得ない判断だ』、与党幹部からは『今回の件で岸田総理が安全保障に関して全く興味が無いことがわかった』という声があがっていますよ。元々、岸田総理には”ビジョン”が無い。2019年にテレビ番組内で総理になったら最もやりたいことを問われ『人事』と答えていましたから(笑)」(自民党秘書)
人事を差配した栗生副長官は着任当時から、「とにかく安倍派をパージしたいという岸田総理の意向を受けて動いていた」(自民党ベテラン秘書)という。
「岸防衛相は安倍元総理の実弟ですからロコツですよね。島田次官に今回の人事を説明するにあたって、栗生副長官は『岸田総理に島田次官の留任を3度お願いしたが翻意して頂けなかった。申し訳ないが退任を受けてほしい』と説得していたそうです。安倍元総理が岸田総理に直談判したと聞くや、栗生副長官は島田次官に電話を入れて『引き続きこの界隈で仕事したいなら余計なことをするな』とクギをさしたといいます。岸防衛相は参与として島田次官を残そうと動きましたが、これも栗生&木原コンビに潰されるでしょう」(同前)
島田次官の働きぶりを熟知している新聞各紙の防衛省担当記者が一斉に官邸の不可解人事の記事を出すと、岸田総理は6月20日に共同通信社のインタビューで、「(島田次官の人事は)所管大臣の了承を得ている」と、岸防衛相へ責任をなすりつけた。
防衛族議員が憤る。
「岸さんが今回の人事に反対していたのは、防衛省の人間なら全員知ってますよ。それでもあえて岸さんに責任をおしつけたということは、参院選後にも行われる次の組閣で岸さんを切る腹づもりでしょう。春先から、岸さんの体調不良説が流れていますが、これも官邸発ではないかと言われている。防衛省ポストを清和会(清和政策研究会。安倍派)から召し上げ、自らが属する宏池会の寺田稔さん(64)を後任に据えるプランがあると聞きます。人事を握って浮かれる気持ちはわかりますが、宏池会の議員は総じてハト派で、安全保障政策については素人が多い。国益無視はいただけない」
次は誰が切られるのか。真夏の霞ヶ関に不穏な空気が漂う中、参院選をむかえる岸田政権。夏が終われば、仁義なき政局が始まる。
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