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※紙面抜粋
※2022年6月11日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
予想通り、内閣不信任案も、衆院議長不信任案も、あっさり否決されてしまった。
それにしても異様だったのが、大手メディアの報道ぶりだ。<内閣不信任 割れた野党><立民 際立った「孤立感」><「切り札」野党を分断>などと、2つの不信任案を提出した立憲民主党を一斉にヤユしていた。まるで立憲民主党が、とんでもない失態を犯したかのような報道だった。
たしかに、日本維新の会と国民民主党が内閣不信任案に反対したため、野党が分断されたのは間違いない。立憲民主党のやり方も、相変わらず稚拙だった。
しかし、大手メディアが問題にすべきポイントは、“立憲の孤立”や“野党の分断”ではないはずだ。メディアが焦点にすべきは、不信任案の提出が的を射ているのかどうか、なのではないか。内閣不信任案を提出した理由について、立憲民主党は「国民に安心を届ける機会だった補正予算案においても経済無策をつづけ、国民生活の苦境を放置している」と、物価高に対する岸田内閣の無策をあげていた。
客観的に見て、立憲民主党の主張は正しいのではないか。ところが、不信任案の中身の是非に焦点を当てた大手メディアの報道は皆無だった。
「大手メディアの報道は、ピントがずれています。維新と国民民主が不信任案に反対したことを、さも一大事のように“野党分断”と報じていますが、もともと2党は、与党みたいなものでしょ。不信任案に反対した一件は、2党の立ち位置がハッキリしたということ。それこそがニュースでしょう。一番の問題は、参院選が近いのに、野党第1党を批判する報道が結果的に自民党を利することになることを、大手メディアが分かっているのかどうか、ということです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
セクハラ疑惑議長を守った自民をなぜ批判しない
細田博之衆院議長に対する不信任案の提出も当然のことだ。
議長は最も公平・中立が求められる立場なのに、国会が決定した衆院選挙区の「10増10減案」に否定的な見方を示したかと思ったら、議員歳費について「100万円しかない」などと言い放ち、その挙げ句、セクハラ疑惑なのだから、議長失格なのは明らかだろう。しかも、野党が再三、説明を求めても無視してきた。
大手メディアは、不信任案を提出した立憲民主党をヤユするのではなく、議長不信任案に反対し、細田を守った自民党こそ批判すべきなのではないか。
おかしいのは、週刊文春の記事によれば、大手メディアの女性記者がセクハラ被害を受けているはずなのに、大新聞テレビから「告発報道」がまったく出てこないことだ。少なくても、週刊文春の記事が事実なのかどうか、自社の女性記者全員から聞き取り調査をして結果を公表すべきなのに、実施するそぶりもない。
「岸田内閣のインフレ対策と細田議長のセクハラ疑惑は、自民党にとって大きなアキレス腱であり、夏の参院選で争点になりうるテーマです。ところが、大手メディアは、2つの問題で不信任案を提出した立憲民主党に問題があるかのような印象を与えている。いったい大新聞テレビは、どこを目指して報道しているのか疑問だらけです」(五十嵐仁氏=前出)
安倍政権以降“日本メディア”は急速に劣化
大手メディアがやるべきことは、すでに弱体化している野党をあざけることではないはずだ。
この10年、大手メディアは、「悪夢の民主党政権」とレッテル貼りした安倍元首相に便乗して野党を批判してきたが、果たして、それで日本の政治が良くなったのかどうか。結果的に「自民1強」を盤石にしただけではないか。
本来、メディアがやるべきことは権力の監視のはずだ。なのに、選挙前に政権与党を利するような報道をするとは、いよいよトチ狂ってしまったのではないか。
実際、安倍政権以降、日本のメディアは急速に劣化している。フランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が5月3日に発表した内容は衝撃的だ。
2022年の「報道の自由度ランキング」で、日本は世界180カ国・地域の中、71位だった。民主党政権時代の2010年は11位だったのに、安倍政権以降、急落し、13年に53位にダウンすると、59位、61位、72位、72位、67位、67位、66位、67位と恒常的に下位に沈んでいる。
日本の下にランクされているのは、ほとんど独裁政権や軍事政権である。
しかも「国境なき記者団」は、日本メディアの状況について<日本政府が主流メディアに日常的に圧力をかけ、その結果、厳しい自己検閲が生じている>と指摘している。
細田のセクハラ疑惑についてほとんど報じないのは、まさに自己検閲なのではないか。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「政府と厳しく対峙することがメディアの義務のはずですが、安倍政権の発足以降、大手各社の幹部は首相とメシを食う関係になり、牙を抜かれてしまった。おかげで、垂れ流し報道があふれるようになった。最近、増えているのが『野党は批判だけ』といった類いの報道です」
アベノミクスの失敗には知らんぷり
大メディアは野党叩きに血道を上げているヒマがあったら、日本経済を破壊したアベノミクスの“生みの親”である安倍と黒田日銀総裁を徹底追及すべきだ。
足元では、電気やガス料金などライフラインをはじめ、食品や日用品の価格が上昇し続けている。
帝国データバンクによれば、7月以降に約4500品目の値上げが決まっている。その後も地獄のような値上げラッシュがつづく恐れがある。
なのに、黒田日銀は動く気配がない。欧米各国が利上げに踏み切る中、日銀だけがアベノミクスで打ち出した金融緩和策に執着している状態だ。その結果、「悪い円安」が進行し、輸入物価の高騰を招いている。
安倍にいたっては「日銀は政府の子会社」「20円で1万円札が刷れる」と放言。日本が1000兆円の借金を抱えていることについて「半分は日銀に国債を買ってもらっているから大丈夫だ」と無責任なことを言っている。
「この10年間、日本経済が成長できなかった原因はアベノミクスです。一握りのカネ持ちに富を集中させ、多くの庶民を苦しめたこの愚策を、一刻も早く捨て去ることが日本経済を立て直す第一歩です。多くの大メディアだってアベノミクスの問題を分かっているはずです。なのに、目に余る黒田総裁や安倍元首相のやりたい放題を批判もせず放置している。あまりにも無責任です」(本澤二郎氏=前出)
今や大メディアは、政府・与党のPR機関そのもの。国民はあまりにも不幸だ。
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