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※FRIDAY 2022年6月24日・7月1日号 各誌面クリック拡大
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日本維新の会 石井章 地元で「もち」と「れんこん」バラマキ疑惑
https://friday.kodansha.co.jp/article/248027
2022年06月10日 FRIDAYデジタル FRIDAY』2022年6月24日・7月1日号
スクープ! 「顔で選んで」発言で炎上したあの議員の公職選挙法違反を追及 年末に地元の名産品を持参して選挙区を回る秘書たち…… 後援会関係者や地元住民が「もらった」と証言 県内の住所がズラリと並んだ「配布先」リストを入手
本誌の直撃に答える石井議員。「誰が(もらったと)言ったのか言って」「私は配っていない」などと語った
参院選の立候補予定者について「顔で選んでくれれば」と発言し、炎上中の日本維新の会・石井章参議院議員(65)に、新たな疑惑が浮上した。
「石井議員は、地元・茨城の支援者に対し、毎年、『もち』や『れんこん』を配っているのです」
そう証言するのは、石井議員の後援会関係者である60代の男性だ。
石井議員は、茨城県藤代町議、取手市議などを経て、’09年に民主党から出馬した衆院選に当選。その後、3度の落選を経て、’16年の参院選で維新の会から国政に復帰した。事務所は取手市内にあるが、毎年年末になると、事務所の秘書たちが「もち」や「れんこん」を持って地元の有権者の自宅を回るのだという。
「事務所に詰めている秘書やスタッフら4〜5名で、12月頃に茨城県内の各地域を回っています。新年を前に、『来年も石井章をよろしくお願いします』というわけです。配布先のリストを持って、一軒一軒訪問している。事務所のクルマを使う秘書もいるし、自分のクルマで回る秘書もいます」
本誌は、その配布先リストを入手。そこには、事務所のある取手市だけでなく、近隣の古河市、牛久市などに住む150人以上の氏名と住所がズラリと並んでいる。
「『れんこん』は農家から仕入れたもので、長さ80p、幅20pくらいの段ボールに3〜4本詰められています。『もち』は1〜2s程度でしょうか。いずれも2000円程度の価格だと思います。もちろん受け取ってくれる方ばかりではなく、拒否される方や留守のお宅もある」
本誌はリストにある住所を実際に回り、「石井章および事務所から『もち』や『れんこん』を受け取ったことがあるか」を取材した。住民のなかには、
「わからないよ。答えられない」
「友達から『石井さんかられんこんもらったか記者が聞いて回ってる』って連絡きたよ。もらっていても、もらってないって言えばいいんだよ」
と答える人もいたが、こう明言する住民もいた。
「この辺はみんな石井章(の支持者)だよ。昔から『もち』を持って挨拶に来る。だから私たちはずっと応援している」(取手市在住の男性)
選挙区内の人への「寄附」は、公職選挙法で禁じられている。カニやメロンを有権者に贈った疑惑などで’21年に議員辞職した菅原一秀元経産大臣の件でも明らかなように、食料品であっても寄附にあたる。公職選挙法に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏が言う。
「石井議員は全国比例ですから、全国が選挙区です。議員本人だけでなく、後援団体や選挙区支部が配っても公選法違反となります。公選法に抵触するかのポイントは、受け取った側が『石井章側からもらった』と認識しているかどうかです」
その点について、前出の後援会関係者は、こう断言する。
「秘書は『お世話になります。石井章の事務所から来ました』と挨拶するわけですから、有権者の皆さんは間違いなく誰からもらったかわかっています。もっと言えば、石井議員のカレンダーも一緒に渡すこともありますからね」
本誌は「もち」や「れんこん」の配布について、6月5日、牛久市での街頭演説を終えた石井議員本人を直撃した。
――年末に支援者の方に「もち」や「れんこん」を配っているのは事実でしょうか。
「私が?」
――石井議員や秘書の方です。
「私は配っていない」
――実際にもらったという方もいます。
「それはないから。昔はウチは商売一家だから、『もち』をついて、行商のおばあちゃんに売ったり。それが仕事だからね。もともとが」
――事務所で配ったことはないのですか。
「田舎ではたとえば、隣の家でついた『もち』をもらったり、おすそ分けをしたり、その範疇はある」
――その範疇とは。
「それは選挙どうこうではなくて」
――石井さんは配っていない?
「私はやってないけど、ほら、応援してくれる周りの方とか会社とか、知り合いはわからない」
曖昧(あいまい)な回答を繰り返し、「もし何かあればメールなり」と語り石井議員は立ち去った。そこで翌日、事務所に質問書を送ると、「(『もち』や『れんこん』の配布は)事実では御座いません」としたうえで、次のように回答した。
「(石井議員と関係のある菓子販売業者が)クリスマスケーキの予約購入者に対し、そのお礼としてお餅や蓮根を配布していたとのことで、(中略)石井章の事務所関係者がそのお手伝いを申し出て、実際に数件はお配りするお手伝いをさせて頂いたことは確認しております。しかし、その際に、石井章の事務所関係者が石井章の氏名等を出すことは一切しておりませんことも併せて確認しております」
ちなみに、本誌が入手した配布先リストもこの菓子販売業者が作成したものだという。リストには10市町村150人を超える氏名と住所が記載されている。しかも、大半が70代以上の高齢者だ。それらすべての人からクリスマスケーキの予約が入るということがあるのだろうか。
石井議員は次の参院選にも全国比例で出馬予定だ。この回答で、有権者に説明責任を果たしたと言えるのか。
配布先のリスト。左上に「もち」と記載されている。茨城県在住者の住所と氏名が150人分以上並んでいる
こちらのリストの左上には「れんこん」と記載されている。毎年年末になると、秘書が一軒一軒クルマで回る
6月5日の街頭演説には吉村洋文・大阪府知事も応援に。石井議員は「顔のこと言うと叩かれる」などと語った
『FRIDAY』2022年6月24日・7月1日号より
PHOTO:小川内孝行(1・4枚目)
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