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参院選「1人区」での野党共闘は3分の1以下に…与野党が激突する12選挙区の行方
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/306243
2022/06/05 日刊ゲンダイ
展望なし(C)日刊ゲンダイ
6月22日公示が想定される参院選の投開票日(7月10日予定)まで1カ月あまり。勝敗のカギを握る全国32の「1人区」をめぐり、立憲民主党と共産党の候補者調整がようやく決着。共闘態勢を敷く選挙区はこれまでの半分以下に落ち込んだ。ようやく選挙戦の構図は固まったが、下馬評通りの展開になれば野党は圧倒的に不利だ。敵に塩を送るとは情けない。
◇ ◇ ◇
最大ゆ党の日本維新の会はさておき、今国会では国民民主党が今年度予算に賛成するなど、自民党に露骨にスリ寄り。支持母体の連合の仲裁にも馬耳東風で立憲を袖にしまくり、“独自路線”を突っ走っている。昨秋の衆院選の野党惨敗や連合の共産嫌いもあいまって、野党共闘は事実上ご破算。立憲と共産の候補者調整は難航していた。
「GWあたりから選挙区事情に通じる立憲の馬淵澄夫国対委員長と、共産の小池晃書記局長がひざ詰めで協議。ひとつでも多くの1人区で候補者一本化を積み上げようと知恵を絞ったのですが、大きな前進はみられなかった」(野党関係者)
勝ちを捨てる気か
2022年の主な顔ぶれ(C)日刊ゲンダイ
結果、事実上の与野党一騎打ちは12選挙区にとどまる(別表参照)。与党候補に勝てる可能性が高い選挙区を優先するとのタテマエで、共産が鹿児島での擁立を取り下げ。立憲現職らがいる青森、岩手、宮城、福島、新潟、山梨、長野、三重、愛媛、熊本、沖縄での擁立も見送る。
野党候補がほぼ一本化した2016年の戦績は11勝21敗、すべて一本化した19年は10勝22敗だった。それが3分の1以下となる今回、よほど濃度の高い共闘を実現しない限り、結果はついてこないだろう。ちなみに、宮城選出で当選5回を狙う桜井充元財務副大臣は自民に寝返っている。
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「野党にとっては、とてつもなく厳しい審判が待ち受けています。これまでの動きを見る限り、勝てる選挙区をみすみす捨てているようなもの。新潟や沖縄は接戦の末に逃げ切る可能性がありますが、山梨は追い上げられている。愛媛も厳しいと言わざるを得ない。右傾化したマスコミや世論に迎合し、立憲が批判型から提案型にシフトしたのが決定的。振り返ってみたら、野党が国会から消えるターニングポイントとなる選挙になるかもしれません」
残された時間は少ない。
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