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ビール大手4社が一斉値上げ…晩酌の一杯が高くつくのも安倍元首相が「元凶」だった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/306242
2022/06/04 日刊ゲンダイ
安倍元首相(C)日刊ゲンダイ
ビール党に悲報だ。ビール大手4社が10月からの値上げを発表。値上げ幅は350ミリリットル入りで、それぞれ20〜30円程度になる見込み。要因は原材料の大麦やコーンのほか、アルミ、段ボール、輸送費など幅広くコストが上昇したためだが、ビールの高すぎる酒税の問題を忘れてはいけない。
ビール系飲料は原料や製法によってビール・発泡酒・第3のビールに分類される。最も高いビールに課せられる酒税は現在、米国の8.75倍、ドイツの17.5倍という高水準。そのため、各社とも、より酒税が安い発泡酒の強化や第3のビールへの参入に乗り出した経緯がある。
この高すぎるビールの酒税に対する早期減税の芽を摘んだのも、どうやら安倍元首相のようなのだ。
業界の要望を受け、自民党税制調査会がビール減税の検討を始めたのは2013年ごろ。具体的にはビールを減税、発泡酒や第3のビールを増税し、酒税を統一する方向で調整していた。14年には当時、自民党税調の野田毅会長はこう意気込んでいた。
「(発泡酒や第3のビールで)我慢していた人が、少し高くなるけど本物のビールを楽しむ姿の方がいい。世界の中で日本だけがビールの代用品の開発競争では寂しい」
裏で「アベ友」酒類メーカーが暗躍?
新浪剛史サントリーホールディングス社長(C)日刊ゲンダイ
しかし、14年は解散・総選挙で統一は先送り。この間、サントリーは統一に難色を示し、再三にわたって永田町・財務省に先延ばしを要望してきたという。同社は当時、売り上げに占める第3のビールの構成比が6割超とされ、増税すれば大ダメージとなったに違いない。
そして迎えた15年10月、安倍元首相は野田税調会長を事実上更迭。当時は「公明党が強く求めた軽減税率の導入に慎重だったため」と言われたが、2週間後に安倍元首相は都内の高級ホテルで麻生財務相(当時)らと共にサントリー首脳と懇談。翌月に積極派の野田氏を失った自民党税調は、2年度連続で酒税統一の先送りを早々に決めた。
「この頃からサントリーの新浪剛史社長は安倍氏とゴルフやクラシック鑑賞を共にし、盛んに親交を深めました。16年10月には再び自身を含めたサントリー首脳と安倍氏ら政府・与党幹部と懇談。その年の暮れの与党税制改正大綱で、10年後までにビール系飲料の酒税額を段階的に350ミリリットル当たり55円程度に統一することを決定。この『10年』のタイムラグを設けさせたのは『サントリーの政治力のたまもの』と言われたものです」(ビール業界関係者)
現在のビールの酒税額は70円。早期統一なら15円程度は安く飲めた。ちなみに、サントリーが安倍後援会主催の「桜を見る会」前夜祭に酒類の無償提供を始めたのは、16年から。酒税統一議論の真っ最中だったのは偶然なのか。ビール党はもっと怒るべきだ。
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