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京大教授が猛批判。“クズ中のクズ”岸田首相が支持率7割の亡国ニッポン
https://www.mag2.com/p/news/540758
2022.06.02 『藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』 まぐまぐニュース
報道各社が先日行った世論調査で、軒並み過去最高の支持率を記録した岸田首相。あまりの高さに自民党内からも疑問の声が上がっているこの状況を、我々はどう読み解くべきなのでしょうか。今回のメルマガ『 藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』では著者で京都大学大学院教授の藤井さんが、日本人の「政治に対する本質的な関心の喪失」を岸田内閣がここまで支持される理由として挙げるとともに、首相の無為無策ぶりを徹底的に批判。その上で、国民の7割近くがかような首相を支持している現状は「岸田禍」と呼ぶにふさわしく、極めて深刻な事態にあるとの認識を示しています。
(この記事はメルマガ『 藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』2022年5月28日配信分の一部抜粋です)
菅総理よりもずっと酷い岸田総理が導く恐るべき「岸田禍」 〜凡庸な宰相の無為無策が招く恐るべき日本破壊〜
岸田総理の支持率は極めて高い水準にあるようです。その支持率は軒並み過半数。高いものになれば68.9%なんて言うものもあります。そんな報道に触れる度、当方は心底絶望的な気分になります。今の日本人は、ホンットのホントに、「政治に対する本質的な関心」など全く持ち合わせていない人々なのだなとしみじみと感じてしまうからです。そして、「政治に対する本質的な関心」を失った民族は、100%確実に滅びる事になるからです。
所詮今の(少なくとも過半数、多ければ7割方の)日本人達は、岸田さんが私達の国をどうしようとしているかということなど、どうでもよいのであり、単に雰囲気で支持するかどうかを決めているだけなのです。
なぜそんな風に言えるのか…それはもちろん、岸田総理の政策内容が恐るべき水準で出鱈目だからです。その時に頭の中に入っているキーワードを、必死になって読み込んだその場その場の「空気」にあわせて呟き続けているに過ぎない宰相だからです。
そもそも今の日本は危機状況に直面しています。
賃金が四半世紀も上がらないデフレ不況が長らく続く中、コロナ禍に苛まれ、あまつさえ円安、ウクライナ情勢による激しい経済被害がもたらされています。この様な危機状況では迅速かつ、必要十分な危機対応をしなければ、取り返しの付かない大ダメージを被る事になります。
しかも、ウクライナ情勢の煽りを受けて、日本内外の誰もが鮮明に理解する程に、中国による台湾・尖閣侵略危機が高まっています。しかも、冷戦終了以後、大幅に縮小していた北海道へのロシア侵略危機も確実に高まりを見せています。
しかし岸田氏は、コロナの5類引き下げについても「時期尚早」と言うばかりでなく、マスクの規制緩和についても「時期尚早」としか言わず、結局何もしていません。
消費減税や大型補正の必要性が自民党内外からどれだけ指摘されようとも何もせず、結局は2.7兆円という凄まじく小規模な補正予算を組んだだけという結果に終わっています。
ウクライナ情勢と円安の影響で高騰しているガソリン価格についても、結局ガソリン税の暫定税率引き下げについては、実施するどころか言及すらしていません。
さらには尖閣や北海道における対中国、対ロシアとの安全保障問題に対処するために、防衛費を「しっかり確保していく」だの防衛力を「抜本的に強化」だのと言いながら、自分が設置した財政健全化推進本部には、「財政健全化の旗は降ろさない」と明言する提言書をまとめさせ、防衛力増強が100%不可能な状況を自ら作り上げています。
岸田氏は結局、デフレ不況や周辺の安全保障問題について、何一つ積極的なアクションを起こしてはいないのであり、むしろ、そういうアクションが不可能となる環境を作り続けているのです。
これは、岸田という総理は、前の菅総理よりも相当「質」が悪い総理だ、という事実を明らかに示しています。
抜本的な経済対策を行わず、過剰な自粛要請を繰り返した前菅総理は、当然、強く批判されるべき宰相でした。しかしそれで菅総理はGotoトラベルだのGotoイートだのという前向きな財政政策を行い、一定の経済効果を上げたのは事実です。国土強靱化にしても、15兆円の事業規模の緊急五カ年対策をまとめました。
ところが、岸田氏は、そうした取り組み全てについて「検討したい」と言うに留め、「時期尚早」と判断先延ばしを繰り返してきています。
そんな出鱈目宰相の岸田氏の支持率は、恐るべき事に、「何もしないこと」が原因となってどんどん高まっているのが実態なのです。コロナの感染拡大がないという環境も影響しているとは言え、これはもう怪奇現象のレベルにある政治現象です。
例えば、GotoトラベルGotoイートは賛否両論有り、それをやった菅総理を強く支持する人もいれば逆に否定する人もいたのであり、結果、支持率上昇には必ずしも結び付かなかったのです。「15兆円の事業規模の緊急5カ年対策」についても、支持する国民もいればインフラ事業の拡大を否定する人々からは反対する人もいたのであり、したがって、支持率上昇には有益なとりくみ、というわけではありませんでした。
ところが、岸田氏の場合はホンットのホントに何もしないわけで、その結果、「積極的に反対する人」が生ずることを回避できているのです。
これはつまり、多くの国民にとって政治家、あるいは総理大臣というのは、何かを積極的に成す義務をおった人物ではなく、ただ単に「ニュースに出てくる人」という程度の印象をしか持っていない、という事を含意しているのでしょう。
しかし、政治に関心をもつ(例えば、筆者は本メルマガ読者等の)人々にとってはもちろん、政治家、総理大臣というものは、何かを積極的に成す義務をおっており、不作為そのものが罪として糾弾されねばならない存在なのであり、かつ、とりわけ危機における不作為は集団殺人級の大罪なのだ、という認識を持っています。
しかし、そうした認識を持つ人々は、我が国においてはマイナーな極一部の存在、であり、したがって、岸田氏が何をしなければしないほどに、支持率が上がっていってしまうのです。
しかも、岸田氏が罪深いのは、日露関係を取り返しが付かないほどに、破壊してしまった点にあります。
ウクライナへの侵略をはじめたロシアを、日本政府がオフィシャルに非難するのは当然です。
しかし、だからといって、ロシアに対して徹底批難だ、ということで、10兆円の軍事費をウクライナに供与したり、自衛隊をウクライナに派遣したりまではしていません。
つまり、ロシアを批難するにしても、軽いものから重いものまで無限のヴァリエーションがあるわけです。
だとすれば、どの程度ロシアに批難、制裁を加えるかというのは、日本政府、ひいては岸田総理の采配一つで変えられるのです。
そんな中、日本はあろうことか、「8人のロシア外交官の追放」なることをやってしまいました。これは相当に激しい処置です。ロシアと準交戦状況にあるNATO各国がそれを行うのは理解できますが、日本は準交戦状況にあるわけではないのです。
にも関わらず、世論にウケがいいし、何よりアメリカや西欧の国々のウケが良いからという「だけ」の理由で、前のめりになって外交官追放をやってしまったわけです。
はっきり言って、この岸田氏の振る舞いは、完全に常軌を逸しています。有り体にいって、基地外です。
こんな事をすれば、ロシアに完全に「ケンカ」を売ったことになるわけですから、ロシアとしても黙っている訳にはいきません。経済制裁や非難決議程度なら、ロシアも、ウクライナ侵攻を開始した手前、それくらいは当然だろうと想定範囲内だったと言うこともできますが、外交官追放は、「戦争相手」のNATO諸国以外は誰もやってないのです。そんな中で、日本が外交官追放なんてやってくりゃ、そりゃもう、「お前も完全にNATOと同じか!?」と「敵国認定」を下さざるを得なくなるわけです。
そもそも日本は半世紀以上にわたって、ロシアが実効支配している北方四島を返す交渉を地道に続けてきたのです。つまり日本は、(誠に遺憾ながら)ロシアに「返してもらう」立場にあるのです(繰り返しますが誠に忸怩たる話しですが、それが現実です)。そうであるにも関わらず、日本側から外交官追放という格好でケンカを「おっぱじめた」わけですから、ロシアが「あぁ、もう返さなくていいんだな!?」と思うに決まっています。
というか、それくらいの覚悟が無く(この文脈で)「外交官追放」なんてやっちゃイカンのです(もちろん、法的には外交官追放はいつでもできますし、今回追放された外交官はスパイ活動をやっていた疑義有る人達なので、もちろんやっても構わないのですが、この文脈であれば、完全にケンカを売った事になるのです)。
ところが、岸田氏には、そんな覚悟など微塵もないのです。
image by: 岸田文雄 − Home | Facebook
藤井聡 この著者の記事一覧
京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。
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