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※紙面抜粋
※文字起こし
また土下座外交が行われるのだろうか。
アメリカのバイデン大統領が、22日大統領として初めて来日する。23日に岸田首相と会談し、24日には日米豪印のクアッド首脳会合も開かれる予定だ。岸田周辺は、「日本の食事を楽しんでもらいたい」「総理が茶室でもてなしたらどうだ」と完全に舞い上がっている。
バイデンが来日する目的は、日本を巻き込んで「対中包囲網」を加速させることだ。目玉は、日本で発表する、新たな経済圏構想「インド太平洋の経済枠組み」(IPEF)の設立である。IPEFは、アメリカが中国に対抗する“経済安保政策”の柱に位置づけているものだ。半導体などの供給を加盟国間で補完し合う枠組みである。ポイントは、就労管理などを加盟条件にすることで、ウイグル族への強制労働が問題になっている中国を排除する仕組みにすることだ。
これまでもバイデン政権は、公然と“中国敵視策”を打ち出してきたが、もう一段、ギアを上げるつもりらしい。サリバン大統領補佐官は、日韓歴訪の意義を「特定の国を狙ったものではないが、韓国、日本、クアッドの首脳会談を通じ、我々のメッセージは北京にも届くだろう」と露骨に挑発している。
中間選挙に向けて死に物狂いの大統領の思惑とそれに乗っかる危うさ
ここにきてバイデン大統領が“中国叩き”を強めているのは、11月に中間選挙を控えていることが大きい。アメリカ社会は分断が進んでいるが、唯一、結束できるのが“中国叩き”だからだ。国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「ただでさえ、新大統領誕生後の最初の中間選挙は、与党は苦戦しがちです。しかも、バイデン政権の支持率は40%と低迷している。このままでは秋の中間選挙は敗北濃厚です。バイデン大統領にとって外交は内政の延長になっているのでしょう。それだけに、この先、さらに中国包囲網を強める可能性があります」
しかし、いくら中間選挙を控えているからといって、大国である中国をいたずらに刺激して大丈夫なのか。クアッドにしても、以前から中国が「アジア版NATOだ」と不信を強めているものだ。ロシア以上にメンツを重視する中国は、黙っていないのではないか。
常に戦争を求める危険なアメリカ
どう考えても、中国との緊張をあおり立てることは、国際社会の安定にはつながりそうにない。
ヤバイのは、アメリカという国は、いつも軍事的緊張をつくっては、それをメシの種にしてきた国だということだ。ウクライナ侵攻だってアメリカが要因をつくったようなものだ。
プーチン大統領は、何度も「NATOの東方拡大は受け入れられない」と訴えてきたのに、アメリカはウクライナにNATO加盟を唆してきたのだからどうしようもない。火をつけたも同然である。
しかも、この戦争の長期化を望んでいる疑いさえある。
米保守系メディア「アメリカン・コンサバティブ」は先月14日、〈米国と欧州はウクライナを支援しているが、それは平和をつくるためではない。それどころか、モスクワと戦うウクライナ人が最後の1人になるまで、ゼレンスキー政権を支援するつもりだ〉と報じ、ウクライナへの兵器供与についても〈ウクライナの戦争を長引かせることに役立っている〉〈米国は戦争の外交的解決を邪魔したいのだ〉と論じている。
戦争の長期化は、アメリカにとって都合がいいということだ。実際、軍需産業の株価は上がり、ロシアの輸出がストップすることで、今後は米国産原油や穀物の輸出が活発化するとみられている。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「冷戦終結後の30年間に限っても、アメリカは多くの戦争に関与しています。その大半が“正義の戦争”とはかけ離れたものだった。とくに2003年のイラク戦争では、イラクが大量破壊兵器を持っていなかったにもかかわらず、アメリカは『持っている』と因縁をつけて、軍事侵攻に踏み切った。これは明確な国際法違反です。目的は、自国の軍需産業を潤わせることや、天然資源など現地の権益を奪うことでした。やっていることは、いまのロシアと変わらない。プーチン大統領は『アメリカが許されたのだから、我々の侵攻も許されるはずだ』と考えている可能性があります」
いったい、アメリカは何を狙って中国との対立をあおり立てているのか。この動きは非常に危険だ。
日本だけが「最前線」に立たされる不安
そんなアメリカに日本の岸田政権は乗っかっているのだから、どうかしている。首脳会談では中国を刺激するように、日本の防衛費の増額を表明する見通しだ。また、中国包囲網の「IPEF」設立をバイデンが発表する時、岸田も同席し、参加を宣言する予定だという。日米が一体となって、中国と対峙する形になる。
さらに、20日の読売新聞によると、首脳会談後に発表する共同声明で、中国に対して核軍縮を呼び掛ける方向で調整しているという。
しかし、日本は防衛費を増やし、「核シェアリング」論まで噴き出しているのに、中国に「核兵器を捨てろ」と求めるのは、とても通用しないのではないか。中国が納得するわけはなく、怒りに火をつけておかしくない。
バイデン来日にすっかり舞い上がっているようだが、岸田首相は本当にこのまま中国との対立を強めるつもりなのだろうか。
ウクライナ危機で分かったことは、アメリカという国は、平気でハシゴを外す国だということだ。あれだけ「NATOに加盟すべきだ」とウクライナを唆しておきながら、いざロシア軍が攻め込んできたら、自分たちは兵士を送ろうともしない。
同じように、土壇場になったら、日本だけが“対中国”の前線に立たされている可能性だってあり得るのではないか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「いま必要なことは、アメリカと中国との“覇権争い”が激化しないようにすることだと思う。少なくとも、インドやASEAN諸国は、アメリカにも中国にも肩入れしないよう苦慮しながら外交をしています。第一、軍事大国の中国と戦って日本は勝てるのでしょうか。イザとなったら、米軍はいつでもグアムに撤退できますが、自衛隊や日本国民に逃げ場はありませんよ」
恐らくアメリカには、中国との間で緊張が強まれば、ますます日本はアメリカに従うようになるはずだ、という思惑もあるはずである。これから、いままで以上に日本に兵器を売りつけてくる可能性がある。
自民党は防衛費を2倍に増やし、憲法9条も変えるつもりだ。日米首脳会談が、日本の分岐点になる恐れがある。
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