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※紙面抜粋
※2022年5月19日 日刊ゲンダイ
【政界は一寸先が闇】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) May 19, 2022
参院選 「自民圧勝」をマトモな庶民は冷静に警戒
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/x5aEodVvJp
※文字起こし
参院選は予定される公示日(6月22日)まであと1カ月強となっているのに、まったく盛り上がっていない。新聞テレビが相変わらずウクライナ戦争一色なこともあるが、あまりの野党のふがいなさから「自民圧勝」の下馬評が広がっていることも理由だろう。
読売新聞が13〜15日に実施した世論調査。参院選での比例投票先は自民44%で、日本維新の会10%、立憲民主党8%を大きく引き離していた。比例投票先を聞く調査では、通常、選挙が近づけば近づくほどお灸をすえようと与党の数字は下がるものだが、自民は今年2月調査と比べ3ポイント上昇、一方で維新は4ポイント、立憲は1ポイント下落した。
驚愕なのは、岸田内閣を支持しない層ですら比例投票先のトップが自民21%で、立憲15%、維新14%を上回っていたこと。頭がクラクラしてくる。ちなみに3年前の参院選前の同じ調査(2019年5月)では、内閣不支持層の比例投票先は、立憲がトップで23%、自民はわずか8%だったから、状況が大きく異なっていることがよく分かる。
世論調査では、ロシアのウクライナ侵攻への対応が評価され、岸田内閣の支持率も上昇している。
「参院選さえ乗り切れば、その先は国政選挙のない黄金の3年間」と岸田首相はウキウキらしい。「岸田さんは運がいい」「ウクライナ危機に救われた」という声が自民党内から聞こえてくるほどだ。
「自民党は、1990年代に分裂して以降の過去9回の参院選で、60議席以上の獲得が01年と13年の2回しかありませんが、今回は60の大台に乗せる可能性が出ています。ウクライナ戦争と野党の体たらくという『漁夫の利』です。立憲に存在感がないのに加え、自民の支持基盤である保守層を奪う可能性のあった維新も、ここへきて自滅気味。現職議員の学歴詐称疑惑や容姿発言など、包装紙だけ奇麗でも、中身が伴っていないことがバレた。その結果、何の実績もなく、『やってる感』だけの岸田政権が有利な情勢というのが現状です」(政治評論家・野上忠興氏)
野党は対抗軸を示せ
本当だ。昨年9月に就任して以降、岸田が一体何をやったのか。「新しい資本主義」は相変わらず意味不明。「令和版所得倍増計画」は、あろうことか真逆の「資産所得倍増計画」に姿を変え、将来の不安に備えて貯めた庶民の預貯金を“たたき起こし”、投資へ向けさせると外国人にアピール。新型コロナ対策にしても、医療従事者や病床確保のための法改正は先送り。
新自由主義で国民生活をぶっ壊したのが自民党政権
国民の我慢と努力で感染者数が減っただけで、岸田は対策らしい対策に手を付けずじまいだ。
円安と物価高への対応も、ガソリン価格高騰を抑制する補助金が中心で、庶民の家計圧迫を和らげるものではない。結局、岸田がやっているのは、欧米にただただ追随するだけのウクライナ支援とロシアへの経済制裁。プーチン大統領があまりに残忍で常軌を逸しているから、「岸田首相は頑張っている」と、世論は錯覚させられているのである。戦争がなければ岸田政権は吹っ飛んでいてもおかしくない。
「岸田首相は参院選に勝つことしか頭になく、何もやらないのは、波風立たせず、失点を避けるためでもあります。そんな政権に対し、選挙は野党が『我々ならこういう国をつくる』という対抗軸を見せる機会。欧米に追従するだけの政権でいいのか、保守層を引き付けるために『核共有』など勇ましいことを声高に叫ぶ政権でいいのか。『唯一の被爆国』と言うのなら、防衛強化一辺倒ではなく独自の外交も展開するべきではないのか。野党は具体的な事例を示して、争点化すべきなのです」(野上忠興氏=前出)
その通り、争点はある。ロシアのウクライナ侵攻後の自民党の暴走ぶりで、ここにきて争点がはっきりしてきた。
米国隷従の「戦争国家」に邁進するのか、それとも歯止めをかけるのかーー。
自民党は政府の国家安全保障戦略改定に向け、5年をめどに防衛費をGDP比2%以上に増額することや「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えて保有すべしと提言。相手の指揮命令系統を対象にする「中枢攻撃」は先制攻撃になりかねず、全面戦争を招きかねない。国会の憲法調査会で自民は「9条改憲ありき」の議論を進めようともしている。
岸田は岸田で、米国のお先棒を担いでアジア各国を回り、軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)の一員のように振る舞うだけでなく、来月行われるNATO首脳会議にも出席しようとしている。今月22日に来日するバイデン米大統領との首脳会談では、経済・軍事両面で「対中包囲網」を見せつけ、バイデンに引きずられるように中国を挑発することになるだろう。
防衛費のGDP比2%は現状の倍額の11兆円。そんなカネをどこから持ってくるのか。社会保障費や教育費が削られるのは目に見えている。
原発を新設し、刹那のエネルギーを確保するのかどうかも争点だ。
自民党の総合エネルギー戦略調査会は17日、岸田が経産省に策定を指示した「クリーンエネルギー戦略」をめぐる提言案で、原子力について、「エネルギー安全保障、脱炭素の効果の高い電源を最大限活用する必要がある」と盛り込んだ。原発再稼働を推進する政府・自民党もこれまでは「可能な限り依存度を低減」としてきたのに、「最大限活用」とは大きな政策転換である。
欧州で脱炭素の動きが加速しているところに、ロシアのウクライナ侵攻で化石燃料が高騰。18日の朝日新聞によれば、自民党内は「今こそ原子力の出番」と勢いづき、首相官邸内から新増設やリプレース(建て替え)を容認する声が出始めている。「最新の技術でリプレースした方がよほど安全」と言う官邸幹部すらいるという。
11年前の福島原発事故によって、いまだ帰還困難区域が存在し、二度と故郷に帰れないと苦しんでいる被災者がいる。あの悲劇を忘れたのか。ウクライナ戦争では、ミサイル一発で核攻撃されたのと同じことになる原発の恐ろしさも明確になったではないか。
日本をどう立て直すかが問われる
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「国民の命を危険にさらすのは、改憲、核共有、原発再稼働だけじゃありません。そもそも新自由主義で国民生活をぶっ壊してきたのが自民党政権です。『新しい資本主義』にしても、これまで自分たちがやってきた経済政策が行き詰まり、袋小路に陥っているから出てきたフレーズじゃないですか」
円安効果により、輸出大企業は22年3月期決算で過去最高益が続出。円安対策のガソリン補助金は、石油元売り企業に注入されるだけで、店頭価格はたいして下がらず、消費者が受ける恩恵はわずかだ。
昔も今も、自民党政権の視線の先にあるのは、財界や業界団体。石油でボロ儲けしている企業に補助金を出し、庶民を切り捨てる経済政策を支持するのかどうかも争点である。
「今度の参院選は、壊れつつある世界と日本にどうやってストップをかけ、立て直すのかが問われる選挙です。ロシアが壊してしまった平和や安全、グローバル化した経済システムをこれからどうしていくのか。既に大きく壊れてしまっているこの国の政治、経済、社会をどう立て直すのか。少子高齢化は喫緊の課題です。ここでなんとか踏みとどまらないと、取り返しのつかないことになります」(五十嵐仁氏=前出)
自民が圧勝ならこの国はオシマイ。そんな冷静な警戒感を抱いているマトモな庶民もいるはずだ。政界は一寸先が闇。寅年の参院選は与党が苦戦するというジンクスがある。今年だって分からない。
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