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政権与党との対抗軸を形成できない野党が国政選挙を戦えるか 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/305352
2022/05/19 日刊ゲンダイ
「インベスト・イン・キシダ」(ロンドンの金融街シティーで講演する岸田首相=代表撮影・共同)
参議院選挙が1カ月後に迫ってきた。が、大手紙の政治記者や選挙プロの誰に聞いても自民圧勝、自公合わせて安定過半数確保は間違いないという見通しで、何の面白みもない。有権者がワクワクするような波乱要因はないのかと野党幹部に聞いたら、「いやあ、申し訳ないが、野党の劣勢は否めない」と頭をかくばかり。
「やはり32の1人区で野党統一候補をまとめ切れないのが痛手なのか」と尋ねると、こう答えた。
「確かに今のところ自民との1対1の対決に持ち込めるのは10選挙区程度。連合労組の共産党嫌い、国民民主のわがまま、全国政党化を狙う維新の参入など、いろいろあってなかなか難しい。とはいえ、野党間の確執をはやし立てているのはマスコミで、実際には共倒れを避けて何とか議席を取ろうという話し合いは、複数区も含めて水面下で進んでいるので、間際になれば何とかもう少し態勢が整うはず。しかし、そのことよりも……」と彼の声が曇る。
政権与党との政策的な対抗軸を形成できていないのが最大の問題だ。岸田文雄首相の「新しい資本主義」は依然として中身不明で、欧州で「インベスト・イン・キシダ」などと力んでみせたものの、何に投資していいのか分からない。そのことに自民党内からも不満が出ている時に、野党の側から「『新しい資本主義』というならこういうことでしょう」と高度福祉社会の設計図を打ち出すことができればいいのだが、その構想力がない。
外交面でも、岸田は連休前後にアジアと欧州を回ってNATOの一員であるかに振る舞い、5月下旬にはバイデン米大統領を迎えて「インド太平洋構想」という名の中国包囲網を高らかにうたい上げる。が、野党はそれを口を開いて見ているだけで、「台湾有事、尖閣危機を予防する平和外交を」という世論をつくり出すことができない。
「これでは、仮に野党選挙協力が進んだとしても、有権者はどういう国の行く末をイメージして投票すればいいのか分からない。旧民主党の時にはまだあった大風呂敷が、今の立憲にはハンカチほどの大きさもなくなってしまった」とベテラン幹部は嘆くばかりである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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