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自公維新が提出「国民投票法改正案」にネットで批判の声広がる! 小泉今日子も〈#国民投票法改正案に反対します〉と投稿
https://lite-ra.com/2022/05/post-6193.html
2022.05.16 自公維の「国民投票法改正案」に批判の声!小泉今日子も反対表明 リテラ
「株式会社明後日」の公式Twitter
ロシアによるウクライナ侵略に乗じて岸田政権および日本維新の会などの改憲勢力が、憲法改正をごり押ししようといよいよ牙をむき出しにしてきた。とくにここにきて、ネット上で関心が高まっているのが、衆院憲法審査会で審議がおこなわれている、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案だ。
審議入りした国民投票法改正案は自民・公明と維新が衆議院に提出したもので、3党にくわえて国民民主党が賛成したことで憲法審査会に付託された。この改正によって改憲勢力が「国民投票をおこなう準備はできた」とし、一気呵成に改憲議論になだれ込み、改憲発議および国民投票の実施まで持ち込もうと目論んでいるのは明らかだろう。
しかし、ネット上では、憲法記念日あたりから危機感が高まりはじめ、今月12日には俳優で歌手の小泉今日子も、自身が代表取締役をつとめる「株式会社明後日」の公式Twitterアカウントで〈#国民投票法改正案に反対します〉と投稿をおこなった。
これは当然の動きだ。今年の憲法記念日にあわせておこなわれた世論調査では、朝日新聞でも憲法を「変える必要がある」と答えた人が昨年の調査よりも11ポイントも上回って56%となり、「変える必要はない」と答えた37%と差がついたことが話題となったが、国民のあいだで改憲の機運が高まっているわけではまったくない。実際、共同通信社が憲法記念日を前におこなった世論調査では、岸田文雄首相が任期中に目指す改憲の機運は、国民のあいだで「高まっていない」が「どちらかといえば」を含めて計70%にも上っている。
それでなくても、コロナにくわえて円安による物価高騰で国民生活がいっそう苦しくなるなか、国会で議論すべき喫緊の課題は山積み状態だ。だが、そうした問題を押しのけて、国民のあいだで機運が高まってもいない改憲だけは急ごうとするとは、国民を無視した暴挙としか言いようがない。
しかも、今回の国民投票法改正案には大きな問題点がある。それは、肝心の国民投票におけるCM規制が含まれておらず、与党と維新にいたっては「規制なし」のままで一気に発議まで持ち込もうとしていることだ。
■新聞広告もテレビラジCMも 規制なしの改正案を、改憲勢力と特需狙いのマスコミがごり押し
あらためておさらいしておくと、憲法改正が発議されれば国民投票運動が60〜180日間にわたっておこなわれるが、現行の「国民投票法」では、新聞広告に規制はなく、テレビ・ラジオCMも投票日の15日前まで「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないように勧誘する」CMを無制限に放送することが可能になっている。しかも、投票日前2週間のあいだも「賛否を勧誘」しないCMならば投票日まで放送できる。つまり、有名人が登場して「私は憲法改正に賛成です」などという意見広告は放送可能だ。
ようするに、このままでは約160億円(2022年分)というダントツの政党交付金を受け取っている自民党をはじめ、国会で多数を占める改憲派が潤沢な広告資金を抱えているため、CMを使った広報戦略では圧倒的に有利となる。そのため、2006年に参院憲法特別調査特別委員会で国民投票法が可決された際には〈テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加えること〉という附帯決議がつき、メディアには「公平性の確保」が求められた。
だが、4月21日におこなわれた衆院憲法審査会の参考人質疑において、日本民間放送連盟(民放連)の永原伸専務理事は「規制ありきの議論は言論表現の自由を毀損しかねない」と主張し、テレビやラジオのCM規制に反対を表明。さらに、規制の必要性が指摘されているネット広告の問題を持ち出し、「ネット広告は、もともと玉石混交で、フェイクも混じっている」とし、ネットのフェイク広告を見抜くための材料として「テレビ、ラジオ、新聞などさまざまな情報があったほうがいい」などと言い出したのだ。
民放連がCM量の公平性を担保せず、野放図になってしまえば、憲法改正という重大事の賛否が金の力で左右されてしまうという事態に陥ることは火を見るよりあきらかだ。にもかかわらず、民放連が放送に求められる公平性の確保を「表現の自由」の問題にすり替えて拒否する──。ようするに、「表現の自由」などと言いながら、実態は自分たちの儲けを優先させようというわけだ。
実際、憲法改正の国民投票時のCMにかんして問題提起をおこなっている本間龍氏によると、衆院選や参院選といった国政選挙でメディアに流れる金は、1回の選挙で400億円程度だという(『広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM』集英社新書)。国民投票は国政選挙よりも運動期間が長く、そうなると国政選挙よりも数倍〜数十倍のCM広告料がテレビ局にも流れることになるのだ。まさに「特需」である。
■Dappiのような自民党別働隊が暗躍する事態へ! 世論調査では8割が「広告規制必要」なのになぜ?
公平性よりもCM特需にあやかりたい民放連と、カネの力で改憲世論をつくり出そうという欲望を隠さない与党・維新。しかも、民放連が「フェイクも混じっている」としたネット広告の規制導入にかんしても、自民や維新は規制なしで推し進めようとしているのだ。
前述した共同通信の世論調査でも、改憲の是非を問う国民投票時のネット広告規制については77%が「必要だ」と回答している。にもかかわらず、その議論を深めようともせず、規制が含まれていない改正案を押し通そうとする。自民党をめぐっては、Twitterで野党を攻撃するデマなどを拡散させていた有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の発信元が自民党と取引がある広告・ウェブ制作会社だったことが判明しているが、つまり、このままでは同じように、自民党の息がかかった組織・団体が国民投票時にネット上でフェイク広告をばらまくようなことが起こる可能性が高いのだ。
問題点がすっ飛ばされているだけでなく、改憲に向けてアクセルが全開になる端緒となりかねない、この国民投票法改正案。時事通信によると、参院憲法審査会の与党筆頭幹事である自民党・石井準一幹事長代理が「残り会期で改正案を仕上げることは参院ではあり得ない」と述べており〈今国会中の成立は見通せない〉と報じられているが、油断ならない状態であることに変わりはない。今後も反対の声を盛り上げていくことが必要だ。
(編集部)
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