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岸田首相を悩ませる「3つのチン」…自民楽勝ムード漂う参院選に不安要素ジワジワ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/304890
2022/05/10 日刊ゲンダイ
無策のままで支持率安定(岸田首相)/(C)共同通信社
参院選の公示まで50日を切った。就任以来、岸田首相はナーンもしていないのに内閣支持率は高め安定。そのうえ野党がバラバラで足を引っ張り合っている状況で、自民党内には早くも楽勝ムードが漂っている。
だが、余裕をカマしていられるのは今のうちだけかもしれない。
「選挙は魔物。甘い見通しの時ほど危ない。実際、ここへきて不安要素がジワジワ大きくなっているように感じます」(自民党ベテラン議員)
岸田首相を悩ませるのは3つの“チン”だ。
まず“ワクチン”。首相官邸のデータによると、5月5日時点で3回目のワクチン接種を終えたのは国民の53.6%にとどまり、特に若者世代の接種率がなかなか増えない。各地で人出が増えたGWを境に、新型コロナの感染者数は増加傾向にある。参院選前に感染爆発の第7波で死者数が増加すれば、岸田政権の無策に批判の矛先が向かうのは確実だ。
物価高が庶民生活を直撃
ワクチン接種率は増えず(左)、“プーチン”の戦争は長期化(央)、賃金は上がらないのに税金や物価は高騰…(C)日刊ゲンダイ
2つ目は“プーチン”の戦争が長期化しそうなこと。世界的に石油やガスなどのエネルギー資源や、小麦の価格が高騰しているが、今後ますます拍車がかかる。円安も進み、エネルギーや小麦を輸入に頼る日本はジリ貧だ。物価高が庶民生活を直撃するのは目に見えているのに、岸田政権は有効な対策を講じようとしない。
物価と同様に賃金も上がっていればいいのだが、日本は自民党の失政で賃金が上がらない国になってしまった。この“チン上げ”問題は、夏の参院選で与党への大きな逆風になりかねない。
賃金が上がらないのに、税金や保険料の負担は増える一方で、可処分所得が減っているところへ物価高が家計を圧迫。岸田首相は外遊先で「預金から投資へ」なんて大見えを切っていたが、国民の金融資産を吐き出させる経済政策のどこが「新しい資本主義」なのか。カツカツで預金もままならない庶民の実態がまるで分かっていない。
「石油価格が上がれば、輸送コストなどにも影響が及び、あらゆるサービスが値上がりしていく。夏が近づいてエアコンの使用頻度が増えれば、電気料金の高さにも驚くことになるでしょう。企業の負担も大きく、賃上げどころではなくなる。これまでは目先の“やってる感”だけで高支持率を保ってこられましたが、無策のまま国民生活を放置していたら、不満が噴出しかねません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
ちょうど参院選の頃に、物価高による痛みが一気に顕在化。岸田自民は3つの“チン”への対応に苦しむことになりそうだ。
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