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安倍氏の責任重大。日本衰退の原因が「アベノミクス」であるこれだけの証拠
https://www.mag2.com/p/news/536803
2022.04.26 津田慶治『国際戦略コラム有料版』 まぐまぐニュース
4月20日には20年ぶりに1ドル129円を突破するなど、猛烈な勢いで進む円安。鈴木財務大臣も「悪い円安」と認めたこの流れを止める手立てはないのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、黒田日銀総裁が辞任するまで円安は続くとしてその理由を解説。さらに円安は日本復活の大チャンスとした上で、日本経済再興のために政府が取るべき政策を具体的に提示しています。
日本衰退の原因はアベノミクスだ
世界はインフレで日銀以外の中央銀行は利上げを行うが、日銀は利上げができない。なぜかと対処策を検討する。
NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、3月8日は32,632ドルまで下落したが、4月14日は34,451ドルで、18日は39ドル安の34,411ドル、19日は499ドル高の34,911ドル、20日は249ドル高の35,160ドル、21日は368ドル安の34,792ドル、22日は981ドル安の33,811ドル。
4月22日に、パウエルが初めて議長として0.5%利上げを示唆し、それを受けて、年末政策金利予測は2.74%まで上昇した。ということは、利上げペースは5月6月の連続0.5%利上げや0.75%幅の利上げもあり得ることになる。景気後退を意識して、景況感を映す10年債利回りはやや下げて2.90%になった。
このため、株価は大幅な下落になり、4月は株価の安定性がなくなり、4月20日までの1週間に米大型株から引き揚げられた資金は196億ドル(約2兆5,200億円)にも上るようである。
市場の混乱を見て、イエレン米財務長官は、米経済は一連のショックに対して「非常に耐性がある」ことが証明されており、リセッション(景気後退)に陥るとは想定していないと、市場に向けて述べた。
FRBが金利上昇を急ぐが、銀行は平静を保っている。これは銀行にある米国債を担保に無利子で貸し出すので、銀行は問題がない。銀行は貸出金利を上げられるので、銀行はOKである。
中国は、コロナで3億人以上もロックダウンしているので、経済停滞で、IMFではGDPを年間4.4%と前回に比べてマイナス0.4%にしたが、この大きな落ち込みは、ロックダウンである。
今後、米利上げと中国の景気後退で世界的な景気後退が来ると、今まで上げていた資源株も大幅な下落になっている。
ネットフリックスも会員数純減を受けて、株価が35%も下げて、コロナ特需で株価を上げてきたグロース株も下落した。世界経済は、ウクライナ戦争と中国のゼロコロナ政策と米利上げの3つの要因で、世界経済は縮小するとみていることがわかる。
しかし、ロシアとウクライナの生産減は、他国が生産増にするため相殺できるはずであり、短期な景気後退はあるかもしれないが、米国もシェール増産、小麦・トウモロコシの増産、軍備品増産などで潤うことになるはずであり、物価上昇も短期的なものであるとみる。
それでも、世界の投資家は、短期しか見ないので、一度大きく下げる可能性は否定できないが、そこが買い場になるとみる。
日本の状況
日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は24,717円の底値になり、4月15日は27,093円で、18日は293円安の26,799円、19日は185円高の26,985円、20日は232円高の27,217円、21日は335円高の27,553円、22日は447円安の27,105円。
18日の週は、27,000円台をキープしたが、25日の朝は大幅安で始まる。ドル円は一時129円まで上昇して円安が進んでいる。黒田日銀総裁は、それでも金融緩和を続けるというので135円までには確実になるようだ。口先介入は効果がないことも証明した。
G20後の日米財務相会談で、日米の協調介入を提案したが、イエレン米財務長官に拒否されたという。当分、円安方向は変わらないことになる。
しかし、黒田総裁は、円安がどこまで進んだら金融緩和をやめるのかだが、止められない。悪い円安との認識を持つが、金利が上昇すると国債費が財政を圧迫するので、それもできない。日本単独の為替介入という手があるが、長くは続かない。
米国の利上げで金利差は拡大するので、円キャリートレードが起こり、円で借りて世界で運用すると、当分円安は進むことになる。
そして、円ドル相場には8年サイクルがあり、次の2023年が円安のピークになるとも言われている。
円安ということは、通貨で持つと価値が下がるので、資産で持つしかないが、海外投資家の日本売りにはならいようだ。この状況でも海外投資家は、日本株を買っている。
米国株に比べて、日本株のPERは著しく低い。配当利回りも6%の物も多数ある。このため、下げた地点は買い場になる。米株からの退避先として、日本株は妙味がある。
日本の現状と対処策
日本の債務残高は、1,220兆円でGDPの256%であり、世界最大の借金国である。この金利が1%で国債費は年間12兆円になり、2%となると24兆円になってしまう。3%では36兆円と予算全体と同じ額になる。
日本銀行は2021年末時点の国債保有残高が約521兆円で半分を日銀が持っている。
令和4年度予算概算の総額は、31兆1,688億円で、このうち国債費は、24兆3,393億円もある。77%が国債費ということになる。利子支払いは8兆円であり、日銀持ち分を除く金利分として見合う。
ということで、金利上昇は政府としても国債費の膨張からできないことになる。このため、日銀の10年国債の指値オペが必要で、金利を0.25%に固定して、国債の金利1%を魅力あるものとしたいのであろう。
円安の対応策としては、指値オペで国債を日銀が吸収して、金利上昇でも国債費が増えない方向をめざすしかない。それが終わるまでは、異次元の金融緩和を続けるしかない。利上げができるようにするために、今までより強力な緩和が必要となる。
それにより、国債の日銀以外の保有分を減らして、金利を上げても国債費が増えないようにすることだ。ここまでを黒田総裁が行うことで、次期総裁は利上げを行える環境を作ることである。それが、黒田さんの責任範囲だ。
そのため、黒田総裁が辞任するまで、円安は止まらない。150円もあり得る。国債吸収という円安防止策が円安を進ませるという結果になる。
それと同時に、急速に財政健全化を行い、赤字財政ではなくプライマリーバランスを取り、利上げができるようにするしかない。
しかし、高齢者の増加が続くことで社会保障費の支出が増えているので、この増加を抑える必要もあり、年金支給額は年々減らされることになる。消費税増税も必要になるし、社会保険料の値上げも必要になる。その結果、日本人を貧困化させることになる。
国債を増やした元凶は、アベノミクスである。年間30〜40兆円もの国債発行を増やしたのに、それを最先端の産業育成に使わずに、国民にバラまいたことで、国債発行額が急増して、円安を止める利上げもできなくなってしまったのだ。このような政策では、ハイインフレになるので、ダメと何度も指摘したが、聞き入れなかった。
ハイインフレで、日本人が貧乏になると、再三、このコラムでは注意してきたが、とうとう、そのような事態になってしまった。1年前まで、MMTをそれでも主張する高市さんのような政治家が跋扈して、日本の未来は暗いと注意した。
前回のコラムに対して意見があり、明るい面だけではないというが、ここまで来ると、貧乏になることを覚悟の上、一度、超円安にして、日本復活を図るしかない。
【関連】ウクライナ侵攻で潮目が変わった。来る「超円安」と“戦争の時代”を生き残る経済理論とは
前回で、日本企業の工場回帰、農業活性化、林業復活、再生エネルギー構築などと産業育成策を提案しているが、貧困層への給付金の議論しか、国会報道に出てこない。勿論、それも必要であるが、それだけでは、日本は復活しない。
円安で、日本復活の大チャンスであることを知ってほしいのである。円安で貧困化することは、前から分かっていることで、安倍元首相の責任重大であるが、そこで議論を止めても仕方がない。
物価統制を当分行う、統制経済にするしかない。輸入を止めて国内生産を拡充して、労働力を難民やロボットに頼ることである。円安になるため、ベトナム人のベトナム国内での給与が日本より高くなり、ベトナムからの移民もなくなる。
このため、ミャンマーからの難民やウクライナからの避難民の労働力を得るしかない状態になってきた。移民ではなく、難民を入れるしかない。それなら、ロシアやベラルーシからの避難民も入れればよいのである。
ここまで来たのであるから、今までの反省もするが、それだけでは終わらずに、日本復活という政策で前を向いていくしかない。
もう1つが、国債増発ができない仕組みを構築するしかない。金本位制などの物と連動した通貨の仕組みが必要である。政治家の恣意では通貨を増やせない仕組みが必要だ。
戦後、日銀の財政ファイナンスを禁止したのに、法律趣旨を無視して政治家は、それをしてしまったことは、大きい反省である。財政赤字ができない仕組みを作ることしかない。
さあ、どうなりますか?
image by: 自民党(YouTube)
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国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。
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