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月刊タイムス2022年5月号掲載「日本の懲りない面々」<本澤二郎の「日本の風景」(4423)
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2022年04月22日 jlj0011のblog
日本の危うい選択<本澤二郎の「日本の風景」(4423)
久しぶりに雑誌に原稿を書いた。新緑の季節に合わせて、例によって「死の商人」「原子力ムラ」の暗躍・蠢動にも多少、焦点を合わせてみた。「好きなテーマでどうぞ」という編集長の依頼に少しだけ応えさせてもらった。同号には、孫崎亨・内田正敏・安積明子らの注目される小論も掲載されている。
月刊タイムス日本の懲りない面々・政治評論家本澤二郎(HONZAWAJIRO)
コロナウイルスという「生物兵器」が、人々の命と生活を奪うという異常な事態下、今度は軍事大国ロシアのプーチンが、隣国ウクライナに軍事侵攻して新たな世界経済危機が日本にも及んできている。NATO東方拡大の政略に踊らされたのはアジアの日本も。妥協知らずのナショナリスト・民族主義者同士による大げんかに連動するかのように、日本の政治の中心地・永田町も危険な兆候が見られる。与野党仲良く予算をそそくさと処理して、7月参院選とその後の危ない橋を渡ろうとして恥じない。政府予算を賛成するという破天荒な野党も登場するなど、21世紀の国家主義化・大政翼賛会政治が、戦後日本の礎である平和主義憲法を標的にしている。日々の生活に追いまくられて惰眠をむさぼっている国民と知識人らが、国家主義や国粋主義の野望に立ち向かう力量があるのかどうか?戦後77年継続した平和体制が、とうとう深刻な危機を迎えている。
<21世紀型大政翼賛会の先に見える日本の核武装化と東アジアの危機>
労働組合の連合体・連合の会長に女性が座った。途端に連合の支持政党の旧民主党系右派の国民民主党と左派系の立憲民主党の間でざわめきが起きた。背後の財閥・原子力ムラの蠢動を見て取れる。
連合は、左派の旧総評と右派の旧同盟が合体して誕生した。もともと呉越同舟の労働組合である。後者は労働貴族と評される軍需産業労組や原発推進の電力労組などが、連合の主導権を握ってしまった。それ以前には、国家主義的な中曽根内閣が、国鉄民営化で労組の分断を先行した。その前には特別給与を支給することで、行動的な日教組や官公労を懐柔していた。その結果、連合の右傾化は教則に進行した。かくして弱者に配慮する反自民の旧社会党も消滅してしまった。連合は文字通り労働貴族に変質してしまい、市民の味方となるはずの野党もまた、衰退してゆく。そんな中で一人護憲リベラルの旗幟を鮮明にしたJR総連と、傘下のJR東労組のみが、松崎明の主導で革新の旗を振ってきたが、彼が亡くなると、分裂して小さな労組に落ち込んでしまった。
市民に味方する連合は、もはや存在しない。右傾化した連合のトップに女性が座った背景と狙いは、男尊女卑の日本社会では、極めて意味深で、決して軽いものではない。
進歩的な労組の衰退は、財閥労組(重工業・電気・電力など)が連合を主導する。いわゆる原子力ムラ企業の右寄り労働組合である。そうした場面での女性連合会長のもとで、国民民主党が真っ先に政府予算案に賛成して、野党から転んでしまった。政治屋・政党は、カネと票で転ぶ好例だろう。
関西の維新は、スタートから野党とは名ばかりで、安倍内閣や菅内閣の別動隊と見られてきた。「極右政治の立役者のような存在」と指摘する向きも多い。7月の参院選を目前にして野党は、立憲民主党と日本共産党と米粒の社民党のみとなってしまった。大勢は野党不在、大政翼賛会の様相を色濃くさせている。ずばり2022年は、戦後77年にして最大の政治危機を迎えたのだ。
それかあらぬか水面下では、信じがたい日本核武装化が秘密裡に進行していることが分かってきた。いち早く察知したジャーナリストは、日系アメリカ人ジャーナリストの島津洋一元ジャパンタイムズ記者。彼の難解な英文リポートの翻訳者は、反原発の反骨ジャーナリストの大沼安史で知られる。案の定、彼は原子力ムラの電磁波攻撃に倒れてしまった、とささやかれている。
「311の東電フクシマ原発内で、極秘裏に核兵器開発が繰り広げられていた」という驚天動地の暴露記事を翻訳、概要を自身のTwitterに発信した直後に、大沼は二つとない命を奪われた、とされる。夫人は健在だというが、公然と活動することは出来ないらしい。
10年前から政界に暗雲が垂れこめて大分経つ。日本政治の右傾化とは、ナショナリズムが列島を押し包んできていることと比例している。日本の平和憲法はリベラルを基調としている。それはナショナリズムを否定している民主憲法ゆえである。反対にナショナリスト・国家主義者は、憲法を破壊しようとする。その先頭に立った安倍晋三は、口を開けば改憲軍拡を吹聴する。彼はストロング・ナショナリスト(国粋主義者)と欧米で評価されている。核武装国家が国粋主義者のお目当てなのだ。
改憲軍拡は、アジア諸国民の猛反発を受ける。とりわけ東アジアの緊張を招き寄せるだろう。
<オウム真理教が核兵器開発に手を出した背景を島津レポートが暴露>
凡人ジャーナリストは、オウム事件の裁判で麻原彰晃ら主要な関係者が処刑された時点で、地下鉄サリン事件は一巻の終わりと判断して、以来関心を抱くことはなかった。ただ、安倍首相(当時)が起用した上川陽子法相(同)が、なんと2回に渡りオウム関係者13人を大量処刑した前後、安倍と上川らが乾杯する写真がネットに流れたことに、どういうことかと少しばかり違和感を抱いたくらいであった。
誰かに言われて彼女の出自を調べてみたが、不思議と確たる証拠を確認することが出来なかった。怪しいものだ。だが、島津レポートは、夢か幻なのか、オウムと安倍父子との闇の関係を暴いていた。これにも腰を抜かしてしまった。
言われてみると、オウムというカルト教団は表の顔で、裏の顔は闇の政治テロ集団なのか?知らなかったが、オウムはソ連崩壊後にモスクワやキエフに乗り込んで、大掛かりな信者獲得だけでなく、核兵器関連技術を入手していたという、これまた雲をつかむような事実を、同レポートは暴露していた。このための莫大な工作資金は誰が?どのような手づるでモスクワなど未知の世界に飛び込んだのか?確かに疑問は次々と出てくる。背後の黒幕を設定しないと、オウムの蛮行を説明できない。それこそ夢幻の類にされかねない。
このころ中国や北朝鮮なども、キエフなどウクライナから核兵器開発技術を入手したとされるが、日本もまた負けじと、カルト教団を手名付けて闇工作に現を抜かしていた?そのための資金など土台を政府筋が用意した?そのように仮定すると、オウムがサリンだけでなく、ソ連製の武器弾薬にも手を出していたことが理解できる。それでも本当だろうか、と疑問符がつくのだが、島津レポートはワシントンのCIA情報などから、オウムの黒幕を暴いていたのか。
核兵器に執念を燃やしているという安倍周辺の情報を、寝言話のように理解していた凡人ジャーナリストには、いざ現実といわれてみても、見当もつかいないことだった。とはいえ笹川別荘のある山梨県の旧上九一色村に聳え立っていた、壮大なオウム第七サテアンなる兵器工場が発覚した。これを技術屋が目撃すれば、単なるカルト教団ごときのレベルで建設できないことは分かるだろう。が、凡人にはそのような情報さえも手にしてなかった。事実上、無関心派でしかなかった。
ふと目撃したANN報道特集をネットのYoutubeが、麻原らが豪州へと旅していた映像を映し出したのだ。なんと核燃料のウラン採掘と、既に手に入れた猛毒ガスのサリンの実験のためだった。ここまでテレビ局は掴んでいながら、なぜオウムの核開発計画を、さらに深く追及報道しなかったのか。これもくさい。なぜ追及しなかったのか。その先に黒幕が登場することになるからだろう。
安倍が口を開けば憲法改悪論、戦争する日本改造をがなり立てていたことを、日本国民であれば、誰でも知っている。平和憲法を破棄した後に日本を核武装するというのだろう。そのために、秘密裡に核兵器開発をカルト教団を使っていたと決めつける島津レポート?むろん、日本の核武装NOの米CIA工作を逃れるためだったのか、当たらずとも遠からずなのか。
いずれ島津レポート第二弾が飛び出すかもしれない。
<諸悪の根源は小選挙区比例代表制という民意が反映しない選挙制度>
話題を変える。自公3分の2議席という圧倒的多数は、民意が反映しない有権者を欺くカラクリ選挙制度である。小選挙区比例代表制によってもたらされた議席である。実際は、有権者総数の2割から3割前後の支持と考えられる。それまでの1選挙区から3人、4人が当選する中選挙区制では、こんな数字にはならない。
極め付きの不公平・不平等な選挙制度である。ましてや小選挙区で落選した候補が当選する?というおかしなイカサマ制度である。当選した比例候補を国民は何者か知らない。小粒ぞろいで閣僚の名前さえも、国民は知らない。しかも、党本部執行部が公認を決めるため、自民党議員でも総裁・幹事長に対して意見表明さえできない。物言えば唇寒し秋の風が党内に吹きまくって、言論の府も言論の自由が確保されていない、異様な全体主義政党ばかりだ。
自由で民主主義を名乗りながら、自民党議員には自由な言論が保障されていない。派閥は、議員の言論を保障する役割を果たしてきたが、これも機能しなくなってしまった。極め付きは、内閣に人事局を設置、人事権を内閣が牛耳ることで、霞が関の官僚も口封じされてしまっている。議会も官界も全体主義が貫徹されている。さらに言うと、司法もである。今の日本は、言論の自由がない。さらに侮辱罪の罰則強化で、言論人も封じ込めようとしている法務省である。
永田町と霞が関で言論の自由が保障されないという異様な雰囲気が、特に10年前の安倍・ナショナリスト内閣から定着して、民意が反映されない1%のための政策が次々と実現してきている。
これらが自公の独裁を可能にしてきた。特に安倍内閣においては、安倍独裁がことさら突出し、国民不在ともいえる異常な政治が堂々とまかり通って、市民の不安と不満を高めてきた。拙著「小選挙区制は腐敗を生む」(エール出版)を地で行く安倍犯罪が次々と起こり、政策面では特定秘密保護法・自衛隊参戦法・共謀罪の、いわゆる戦争三法が公明党創価学会の強力な支援のもとで強行されてしまった。
言及するまでもなく、小選挙区制にこだわった人物といえば、戦前戦後のナショナリスト・岸信介である。理由は、少数の民意で圧倒的多数の議席を占めることが出来るためだった。核武装国家日本が、岸以来の極右・ナショナリストの悲願を実現するためであった。
「岸は韓国生まれのカルト教団・統一教会を利用した。娘婿と孫はカルト教団・オウムを手駒として使った」という事情通の鋭い指摘は、的を射たものではないだろうか。
小選挙区制はもういい。ナショナリストを跋扈させる国民不在の政治の暴走を、これ以上許してなるものか。民意が反映しやすい選挙制度に、一日も早く切り替えるべきだ。与野党とも、小選挙区制のいかがわしい点、憲法が容認しないナショナリストのための選挙制度を廃止して、国民の声が聞こえる寛容な選挙制度に改める時である。一刻も早く実現すべき責任が議会にある。天の声でもある。これに手を付けないと、参院選後に大変な事態を招来させることになるだろう。
岸信介・安倍晋三のナショナリストの野望実現のための制度は、日本国憲法が許さない。いま正常な軌道に乗せないと、日本政治は大変なことになる。
<歴史の教訓を学ばないナショナリスト(財閥神道傀儡政権)>
77年前の歴史の教訓を忘れてはなるまい。隣国は近現代史をしっかり教えている。二度と同じ過ちを繰り返さないための防護服である。日本人は老人も若者も、清和会的文科省のお陰で、歴史の教訓や憲法を学んでいない。
戦後解体された財閥と国家神道は、現在、見事に復活してしまった。自民党は彼らの傀儡政権である。民衆を幸せにするという観念がない。参院選挙後に、人類の宝ともいえる平和憲法が、21世紀の大政翼賛会によって破壊される危険性が高い。必然的にアジアに緊張が生まれることになる。
民衆が期待する野党は没落して久しい。改憲軍拡と円安経済に疲弊する庶民の生活が、根っこから奪われていく。
<身構える中国・北朝鮮・韓国、その時日本は?>
疲弊する国民生活と人々の精神の荒廃が比例すると、ナショナリズムに浸食される日本列島を招来させる危険性が高い。戦争国家に向けた国民投票法に翻弄される日本人の精神の狂いを、誰が食い止めることが出来るのであろうか。
日本国憲法危うし!このことに沈黙する心ある知識人が、惰眠から覚醒することが出来るのかどうか。あっさりと77年前のアジアとの厳しい約束事を放棄する日本人になってしまうのか。2022年は日本人とアジア諸国民に対して、厳しすぎる選択を迫られている。覚醒せよ、目を覚ませ!
2022年3月28日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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