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2022年4月16日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/172020
沖縄県の玉城たまきデニー知事は、5月15日に沖縄が本土復帰から50年を迎えるのを前に、本紙の単独インタビューに応じた。半世紀を経た今も、県民が過重な米軍基地の負担に苦しみ、安全・安心な生活が保障されていない現状について「憲法がないがしろにされている状態を1日も早く解消すべきだ」と主張。名護市辺野古へのこの米軍新基地建設に関しては「2019年の県民投票で反対の意思を示した。民主主義を国民に示せる政府の姿を求めたい」と述べ、岸田文雄首相に工事の中断と対話を求めた。(山口哲人)
新基地建設を巡っては、国土交通相が8日、防衛省による設計変更申請を不承認とした沖縄県の処分を取り消すなど、両者の対立が続いている。玉城氏は「民意を一顧だにせず工事を強行している政府の姿勢には大きな問題がある」と批判。県と日米両政府の3者による協議の場を設けるよう提案して「対話による解決が重要だ」と強調した。
全国の在日米軍基地で新型コロナウイルスの感染者が相次いだことに関しては「日本の検疫が適用されず、管理権が及ばないのは、日米地位協定がもたらす構造的な問題だ」と指摘。現行の協定のままでは「国民の権利を奪う」として、改定の必要性を訴えた。
ロシアのウクライナ侵攻も受け、岸田政権で防衛力強化の検討が進むことに対しては「改憲や核兵器装備などの議論が起こっているが、アジアの緊張を高めることにしかならない」と懸念を表明。全国の在日米軍専用施設の7割が依然、沖縄に集中する負担の軽減に向けて「復帰50年の節目に、基地や地位協定の問題を国民が自分事として受け止め、行動してほしい」と呼び掛けた。
◇
玉城知事のインタビューの詳細は以下の通り。
◆「聞く力」あるなら対話で解決
Q新基地建設をどう阻止するか。
「対話での解決策を求めていく。日米(両政府)に沖縄も加えた対話の場をつくることが重要だ。岸田首相は話を聞くことが特技と言っているので、応じてもらえると期待している」
Q異論にも耳を傾け、時間をかけて一致点を見いだすのが民主主義だが、今の政府の姿勢への評価は。
「県民投票で示された辺野古埋め立て反対の民意を一顧だにせず、強行する姿勢、考え方には大きな問題がある。多くの国民が納得し、地域住民が理解する政策を進めることに心を向け、懸命に取り組むのがあるべき政府の姿だ。憲法の下、日米の同盟関係ではなく国民の幸福追求に軸を置いて判断するよう求めたい」
◆国民の権利奪う地位協定、改定を
Q在日米軍基地内の新型コロナウイルス感染拡大では、日米地位協定の弊害が改めて鮮明になった。
「地位協定によって海外から来る米軍関係者に日本の検疫が適用されず、日本側の管理権が及ばないため、調査や情報共有はままならない。協定の構造的な問題を点検し、改定しなければならない。憲法に基づく国民の権利を奪うような協定は認められない」
Q政府の対応は後手で及び腰だった。
「亡くなった翁長雄志おながたけし前知事は(沖縄の現状を)『憲法の上に地位協定がある』と表現した。県で各国の地位協定を調査したが、基地の管理権は受け入れ国が持ち、米軍に何も言えないということはない。憲法がないがしろにされているような状態は1日も早く解消すべきだ」
Qロシアのウクライナ侵攻を受けて防衛力強化を訴える声が出ている。米軍基地が多い沖縄の考えは。
「国会では『今すぐ憲法改正を』とか『日本も核装備を』という議論が起こっているが、アジアの緊張を高める方向にしかならない。国民は、日本のかつての戦争についてもう1度考え、未来がどうあるべきか話し合ってほしい」
◆基地負担、自分事と受け止めて
Q基地問題を巡る県内外の温度差は感じるか。
「日本の安全保障の重要項目として国民全体に関わる課題なのに、政府から十分な情報提供がなされない。基地負担や地位協定の問題を国民の皆さんが自分事として受け止め、考え、行動してほしい」
Q50年で沖縄を取り巻く環境は変わったか。
「戦後27年間の米軍施政下で産業や生活の基盤整備は遅れ、(本土との)著しい格差が生じたことは間違いない。今は復帰後に生まれた人の割合が過半数を占め、昨年度の意識調査では県民の8割強が『沖縄に生まれて良かった』などと心の豊かさを実感する一方、子どもの3人に1人が貧困家庭で、県民所得は全国平均の7割だ。全ての人を取り残さず成長していけるよう取り組んでいる」
たまき・でにー 1959年、沖縄県うるま市で米軍人の父、沖縄出身の母の間に生まれる。上智社会福祉専門学校卒。ラジオパーソナリティーなどを経て2002年に沖縄市議。09年衆院選に当時の民主党から出馬し初当選。4期目途中に翁長雄志知事が急逝し、後継候補として18年の県知事選に出馬。過去最多得票で当選を果たす。デニーは通称で、公文書などには本名の康裕やすひろと署名する。
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