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吉村知事と松井市長がドバイ万博視察強行で非難殺到! コロナ第7波を放置、維新の頭の中はIRだけ、税金800億円投入も決定
https://lite-ra.com/2022/03/post-6178.html
2022.03.30 吉村知事と松井市長がドバイ万博視察強行で非難殺到!頭の中はIR利権だけ リテラ
日本維新の会HPより
新型コロナ第6波が収束することもないまま第7波への警戒感が高まりつつあるなか、死者数ワースト1である大阪の首長の行動に批判が集まっている。なんと、吉村洋文・大阪府知事と松井一郎・大阪市長がドバイ万博の視察のため、外遊に出かけてしまったからだ。
言っておくが、大阪ではいまだ医療逼迫状態にあり、第6波で入院もできずに高齢者・障害者施設で亡くなった人は57人にものぼっている(3月23日時点)。府内のある高齢者施設は保健所から「基本的に入院できない」と言われ、看取りに備えて遺体を入れるための納体袋を用意。「救える命が救えない状況だった」と述べている(読売新聞29日付)。
第6波で過去最悪の死者数を出したことへの吉村・松井両氏の責任はあまりに重いと言わざるを得ないが、「すでに第7波の入り口か」と言われるいま、今度こそ失敗を繰り返さないための対策の強化が必要だ。だが、ふたりにそうした緊張感はまるでなし。吉村知事は、大阪万博への参加を迷っている国への「最後の一押しをしたい」などと言い残し、ドバイに飛び立ってしまったのだ。
コロナ対策で何度も失敗を重ねながら、反省もなく2025年の大阪万博に前のめりになる──。いや、吉村・松井両氏が大阪万博以上に前のめりになっているのは、万博会場となる夢洲への誘致を目指している「大阪カジノ」だ。
だが、この大阪カジノをめぐっても、吉村知事と松井市長は大嘘ばかりで、市民を欺きつづけている。その最大の嘘が、カジノ建設のために公金が投入される問題だ。
2016年におこなわれた説明会では、当時、大阪府知事だった松井氏は「特定の政党が間違った情報を流布してますけど、これだけははっきり言っときます。IR、カジノに税金は一切使いません。民間事業者が大阪に投資してくれるんです」と断言。吉村知事も昨年7月、「IRは民設民営事業ですから、1兆円規模の投資とは民間が出すおカネ。何か公でおカネを出すものではありません」と述べていた。
ところが、昨年12月になって、大阪府と大阪市はカジノ建設予定地の夢洲の土壌汚染対策に790億円かかるとし、その全額を大阪市が負担すると発表。ようするに、約800億円もの巨額をカジノのために市が負担して公金をつぎ込もうというのである。
■税金800億円投入は松井市長の強い意向、“コネクティング不倫”の和泉洋人元首相補佐官を雇いカジノ利権化の尖兵に
しかも、土壌汚染対策の費用を市が負担することの背景には、“松井市長の強い意向”があった。昨年、毎日新聞が情報公開請求で入手した内部資料によると、昨年3月に事業者側は「液状化リスクのある土地ではIRのような大規模開発は極めて困難」と伝達し、対策を実施することを要求。この時点では府市のIR推進局も「費用負担は判断が難しい論点だ」などと回答していたのだが、その後も事業者側は「(IR実現に必須となる)実施協定締結の前提条件だ」「地盤改良が未定の状態で開発を進めることは困難だ」と要求。そして、松井市長が「誘致を決めた以上、IRが成り立つ土地を提供するのが市の責務だ」と言い、市が負担することが決定したというのだ。
税金はカジノに一切使わないと言い切ってきたのに、嘘をついて府民・市民を欺いただけではなく、唯々諾々と事業者側の要求に従う──。言っておくが、行政が地盤改良の費用を負担するのは異例中の異例のこと。実際、3月27日付の毎日新聞によると、〈東京都は、台場などの臨海副都心の土地を利用する建築主が液状化対策を行うようガイドラインで示している〉〈愛知県と名古屋市でつくる名古屋港管理組合、神戸市、福岡市も確認できる限り、行政側が負担したケースはない。建築基準法などに基づき、液状化対策は建築主が実施するのが前提と考えているためだ〉と指摘している。
しかも、つぎ込まれる公金は800億円からさらに増える可能性も高い。桜田照雄・阪南大学教授は「夢洲には、建設残土や浚渫土砂の廃棄を規制する法律がなかった時期に、大量の土砂が埋められており、そもそも商業施設が建設されることを想定していません。この程度の額で対策がすむとは思えません」(「週刊文春」3月24日号/文藝春秋)と述べている。
その上、もっと恐ろしいのは、吉村知事と松井市長はこの大阪カジノを“利権の温床”にしようとしていることだ。
実際、松井市長は今年1月、和泉洋人氏を大阪府・市の特別顧問に就任させた。和泉氏といえば、安倍・菅政権で首相補佐官を務め、厚労省の大坪寛子・大臣官房審議官と公費を使った不倫出張疑惑が浮上、“コネクティングルーム不倫”として大きな批判を浴びた人物。さらに、「週刊現代」(講談社)4月2・9日号に掲載されているノンフィクション作家・森功氏の記事によると、松井市長が和泉氏を特別顧問に選任するよう指示した同時期に、和泉氏は10社以上の大手住宅メーカーや建設、不動産関連の有名企業に月100万円のアドバイザリー契約を持ちかけていたという。
松井市長は「(和泉氏には)夢洲の街づくりに能力を発揮してほしい」などと語っているが、国土交通省出身で横浜カジノ参入でも菅義偉・前首相の右腕として暗躍し、さらには関連企業の代理人になろうとしている和泉氏が入り込んだことで、これまで以上に建設業者などの要求ばかりが呑まれ、公金をさらにじゃぶじゃぶと使いまくることになるのは目に見えているだろう。
■吉村「政治家に近い人にだけ利益がいく政治はやめましょう」、それは維新のことだ!
いや、そもそも大阪府・市がカジノ事業者に選定し、約800億円もの公金を投入する土壌改良を要求したのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ。オリックスといえばあの竹中平蔵が社外取締役を務めている企業であり、パソナが大阪の行政を食い物にしているのと同様、吉村知事と松井市長はカジノでも竹中氏に甘い汁を吸わせようというのだろうか。
「身を切る改革」と言いながら、維新政治によって府民・市民の税金がカジノの食い物にされる一方の大阪──。だが、信じられないのは、吉村知事が26日、西宮市長選の街頭演説でこんなことを主張したことだ。
「政治家に近い人にだけ利益がいくような昭和型の政治はやめましょう」
本サイトでは既報で、コロナ対応でも松井市長をはじめ維新議員の支援企業が優遇されている実態を伝えたが(https://lite-ra.com/2022/03/post-6174.html)、吉村知事はこうしていけしゃあしゃあと大嘘をつき、党勢拡大を図ろうとしたのである。
幸い西宮市長選では維新候補者が落選となったが、大阪カジノにかんしてもNOを叩きつける方法はある。いま大阪では、カジノに反対する市民団体がIRの賛否を問う住民投票の実施を求める署名運動を実施しているが、市民が声を上げ続けることで、維新政治にストップをかけていかなければならないだろう。
(編集部)
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