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「全部ロシアが悪い」岸田首相がキレて媚プーチン外交から脱却へ 北方領土返還へ…日露「平和条約交渉」とは、なんだったのか
https://friday.kodansha.co.jp/article/235412
2022年03月23日 FRIDAYデジタル
20日にカンボジアを訪問、現地で内戦取材中に行方不明になった記者の石山幸基さん、国連の活動中に殺害された中田厚仁さんの記念碑に手を合わせた。ウクライナで今、多くの市民とともに報道陣らの命も危険にさらされている 写真:AFP/アフロ
岸田文雄首相がついに、感情を露に猛反発をみせた。
「すべてロシアによるウクライナ侵攻に起因して発生している。今般のロシアの対応、これは極めて不当であり、断じて受け入れることができない。逆に日本国として強く抗議をするところであります」
22日午前の参院予算委員会で、岸田首相はいつになく強い語気でこう話した。21日にロシア外務省が発表した「対日平和条約交渉」の決裂声明に対する「日本の返答」だ。外相経験者が言う。
「アメリカからもたらされる軍事情報は、官邸と市ヶ谷自衛隊本部に集中していることから、今、外務省は脇に追いやられています。戦火が拡大している現状ではやむを得ないのかもしれないが…。
今日の岸田発言は、ロシアのウクライナ侵略が一段と深刻になるという情報が背景にあるのでしょう。ここ一週間ほどで、さらに大きな動きになるという判断もあるのではないかと。
安倍晋三元首相は、アメリカ大使と会談して以降、発言をピタリと止めました。彼は親プーチンでしたから。そして外務省も、今や外交的にロシアや中国に気を遣うことを諦めたように見えます」
この外相経験者は、「この戦争は、一気に停戦となるのかもしれない」とも言う。それぐらい「Xデーが近づいている極めて緊迫した情勢」だと付け加えた。
どのような形にせよ、ウクライナ国内は今後も非道にさらされ、混沌とした政情が続く。
岸田内閣の支持率が下がらない理由
直近の岸田政権支持率調査は、支持率微増または微減と小幅な振幅にとどまり、総じて比較的高い水準を示しているが、そこに明確な「理由」はない。
「岸田首相の政権運営、失点最小限大作戦は効を奏している。何もしないから、反発もない。しかし、今回のスピード感のある『猛反発』で存在感を示した。一方、頭越しにやられた感のある外務省は、この対応に右往左往しています」(岸田首相周辺)
岸田政権にとって不測の事態続きとはいえ、だからこそ、切羽詰まった内外情勢をどのように乗り切るか政治家としての器量が問われるところだ。
「この国際的な危機に、これまでのような何もしない作戦では政権を運営できません。各省庁との連携も含め、政権を強固にしなければ」(同前)
エネルギー関連の危機が迫り、また国民に節電を呼びかける事態にもなっている今、東欧の戦争は「遠い国の出来事」ではない。政権の知恵と明確な態度、リーダーシップが期待されている。
取材・文:岩城周太郎 写真:AFP/アフロ
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