米国のウクライナでの挑発作戦が失敗、 ロシアと中国が急接近し、 日本は集団的自衛権で戦争準備 2014.06.11 民主党の岡田克也元代表は先日、「集団的自衛権」の行使容認を前提 とした話を展開、10 日には「議員有志」が権利を「限定的」に使うことを認める「 安全保障基本法案」の草案をまとめて党執行部へ届け、11 日には自民党の高村正彦 副総裁が 20 日までに権利行使を容認するための閣議決定をするべきだと語ったよう だ。 言うまでもなく、 安倍晋三政権だけでなく 民主党のネオコン一派が 「集団的自衛権」を推進しようとしているのは アメリカ支配層の都合。 前にも書いたように、 アメリカの戦略を知らなければ、 「集団的自衛権」の目的もわからない。
アメリカ支配層の目標は世界の制覇であり、 第2次世界大戦以降、 ソ連/ロシアへの先制核攻撃を何度も計画している。 まず、 1949 年の段階で 統合参謀本部は ソ連の 70 都市へ 133 発の原爆を落とすという案を持っていた。 1957 年に ソ連を先制核攻撃する計画をスタートさせ、 63 年後半には 攻撃を実行するというスケジュールになっていたと テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授は語っている。 その頃になれば、 先制攻撃に必要なICBMをアメリカは準備でき、 ソ連はまだ追いついていないという計算だったようだ。 つまり、この時点なら ワンサイド・ゲームで 核戦争に勝利できると信じていたということ。 こうしたソ連との核戦争計画にとって 最大の障害は ジョン・F・ケネディ大統領。 1963 年 11 月に ケネディ大統領は暗殺され、 その直後に CIAは「ソ連犯行説」を流している。 1983 年1月、 首相に就任して間もない 中曽根康弘はアメリカを訪問、 ワシントン・ポスト紙のインタビューで 「日本列島を ソ連の爆撃機の侵入を防ぐ 巨大な防衛のとりでを備えた 不沈空母とすべき」であり、 「日本列島にある4つの海峡を全面的かつ完全に支配」、 「ソ連の潜水艦および海軍艦艇に海峡を通過させない」 と語って大騒動になった。 中曽根は「巨大空母」と表現したのであり、 「不沈空母」は誤訳だとする人もいるようだが、 意味しているところは同じであり、本質的な差はない。 その3ヵ月後、 アメリカ海軍は 千島列島エトロフ島の沖に 3空母を集結させ、大艦隊演習を実施する。 演習では空母を飛び立った艦載機が エトロフ島に仮想攻撃をしかけ、 志発島の上空に侵入して 対地攻撃訓練を繰り返したとも言われている。 その年の8月 31 日から9月1日にかけて 大韓航空 007 便が アメリカの設定した「緩衝空域」と「飛行禁止空域」を横切り、 ソ連軍の重要基地の上を飛行した末に サハリン沖で撃墜されたとされている。 アメリカや日本では 大々的な反ソ連キャンペーンが展開された。 その直後、11 月には
NATOが大規模な軍事演習を計画、 核攻撃のシミュレーションも行われることになっていた。 これをソ連の情報機関KGBは 「偽装演習」だと疑い、 全面核戦争を仕掛けてくるのではないかと疑い、 応戦の準備をしている。 大韓航空機事件の直前、 1982 年に アメリカでは 一種の戒厳令プロジェクト「COG」が承認されていた。 このプログラムで中心的な役割を果たしていたのは ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領(当時)だと考えられている。 1980 年代には毎年、 COGの演習が実施され、その演習に ドナルド・ラムズフェルドや リチャード・チェイニーも参加していたという。 このCOGは 2001 年9月 11 日の 航空機による攻撃が引き金になって 「愛国者法」という形で出現、 憲法の機能は麻痺する。 その一方で アフガニスタンやイラクに軍事侵攻、 リビアの体制も転覆させ、 シリアも攻撃されている。 そしてウクライナ。 ウクライナの一件でも、 天然ガスなど資源を手に入れたいという欲望以外に、 クリミアからロシア軍基地をなくし、 ロシアの喉元に核兵器を突きつけようという 軍事的な目的が存在している可能性が高い。 1980 年代以降、 アメリカは 「民間軍事会社」や 「民間CIA」という形で 軍事介入し、 破壊活動を展開してきた。 ウクライナでも同様。 もし挑発に乗って ロシアが反撃してきたなら、 メディアを総動員して 「ロシアの軍事侵略」を宣伝して孤立させ、 場合によっては核戦争を想定していただろう。 キエフで ネオナチが クーデターを成功させる様子を見ていたクリミアの住民は すぐに住民投票を実施、 事実上、無血で独立してしまった。 その際、 「西側」のメディアは 駐留ロシア軍を「侵略軍」だと呼んでいたが、 これは「予定稿」だった可能性がある。 オデッサで住民を虐殺、 東部の地域でも殺戮を続けている理由のひとつは、 ロシア軍を引き出すための挑発だと推測する人もいる。 が、ロシアは軍事力の行使を自重し、 「予定稿」は誤報になってしまった。 ロシアは「事実」を武器に戦っている。 ウクライナのネオナチは ステファン・バンデラを信奉している。 バンデラを中心に集まっていたグループは OUN-Bと呼ばれているが、 これはOUN(ウクライナ民族主義者機構)の バンデラ派という意味。 創設当初、OUNのリーダーは ドイツの外国諜報局(情報機関)と接触し、 ドイツが占領した地域で 「汚い仕事」を引き受け、 ウクライナでは 90 万人のユダヤ人が行方不明になったとされている。 OUNのリーダーを ソ連のエージェントが1938年に暗殺、 引き継いだのがアンドレイ・メルニク。 この後継者を生ぬるいと感じたメンバーが集まり、 1941 年に OUN-Bは誕生したわけだ。 なお、メルニク派はOUN-Mと呼ばれている。 当初、OUN-Bはイギリスの情報機関MI6の フィンランド支局長に雇われていたとされている が、 その一方で ドイツから資金を提供されていたとも言われている。 バンデラの側近だった ミコラ・レベジは ゲシュタポの訓練学校へ入ったという。 OUN-Bは ナチスだけでなく 米英とも緊密な関係にあり、 第2次世界大戦後は CIAと協力関係にあった。 この組織が 1943 年に設立した「反ボルシェビキ戦線」は 戦後、46年に ABN(反ボルシェビキ国家連合)となる。 1949 年には、 このグループのメンバーがパラシュートを使い、 ウクライナへ戻っている。 その後、岸信介も関わった APACL(アジア人民反共連盟、 後にアジア太平洋反共連盟に改名)とともに WACL(世界反共連盟、1991 年に WLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更) の母体になった。 ウクライナのネオナチと
安倍晋三はつながっているということになる。 アメリカは現在、 NATOを軍事侵略の道具として使っている。 当初は ソ連軍と戦う軍事同盟という側面のほか、 西ヨーロッパを支配する仕組みとしての役割があった。 イタリアのグラディオなど、 NATO加盟国が 「秘密部隊」を組織させられている理由はそこにある。 アメリカは NATOを旧ソ連圏へ拡大しているだけでなく、 ロシア、中国、イランなどの周囲に拡大、 その中へ日本も組み込もうとしている。 そこで集団的自衛権だ。 各地域の担当国を アメリカは決めているはずで、 自衛隊を遠隔地へ派遣させているのは 軍事同盟へ引きずり込むための儀式。 アメリカの戦争で 日本が担当するのは東アジアのはずで、 当然、戦う相手は中国になる。 ウクライナでの作戦に アメリカは失敗、 ロシアと中国が急接近しているため、 日本政府は戦争準備を急がされているのだろう。 戦争になれば、 アメリカへ弾道ミサイルが発射されるような事態になる前に 日本は廃墟だろう。 核兵器を撃ち込まれる可能性もあるが、 そうでなくとも、 いくつかの原発を破壊されるだけで 日本は終わりだ。 そうなると、 アメリカも放射能で汚染されることになるのだが、 この国の好戦派は そうしたことを昔から気にしていない。 2011 年3月8日付けの インディペンデント紙に掲載されたインタビュー記事の中で、 外交力とは核兵器なのだと 石原慎太郎は語っている。 妄想なのかもしれないが、 どこかで聞きかじったことを口にしたのかもしれない。 つまり、 日本の深層部分で 核戦争が議論されている可能性がある。
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