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安倍元首相は在任中「核共有 検討も研究もしていない」と答弁!ヒラ議員で発言一変の危うさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/302014
2022/03/02 日刊ゲンダイ
クルクル発言内容を変える危うい政治家(C)日刊ゲンダイ
「政府として認めることは難しい。議論することは考えていない」
2日の参院予算委で行われたウクライナ情勢をめぐる集中審議。岸田首相が語気を荒げて強く否定していたのが、ロシアの軍事侵攻を機に浮上した、米国の核兵器を自国内に配備して共同運用する「ニュークリア・シェアリング(核兵器の共有)」をめぐる議論について問われた時だった。
世界唯一の被爆国として「非核三原則」を掲げる日本ではこれまで、政府内で核保有の議論が主要な政策課題となることはなかった。にもかかわらず、今回、「ニュークリア・シェアリング」の議論が起きたきっかけの一つは、安倍元首相の発言があったからだろう。
安倍氏は2月27日にフジテレビの番組に出演した際、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の一部が採用している米国の核兵器を自国領土内に配備して共同運用する「ニュークリア・シェアリング」政策に触れ、「この世界はどのように安全が守られているのかという現実の議論をタブー視してはならない」などと議論を促したのだ。
これを機に、自民党の福田総務会長が会見で、「どんな議論も避けてはいけない」と言い、同党の高市政調会長も「非核三原則の『持ち込ませず』の例外をつくるかどうか、議論を封じ込めるべきではない」と賛同する事態となった。
ヒラ議員になった途端、「議論しろ」「タブー視するな」
安倍氏が「ニュークリア・シェアリング」の話を口にするのは、今回が初めてではないものの、総理大臣だった2017年3月の参院予算委では、野党の白眞勲議員(現・立憲民主党)が、安倍氏が過去に発言した「ニュークリア・シェアリング」を取り上げ、「日本は唯一の被爆国として核のない世界の実現をやっぱり目指すべきなんじゃないんでしょうか。その辺、総理どうですか」と問うと、安倍氏はこう答えていた。
「それは総理大臣でない時の発言でございまして、これはまさに日本の抑止力をある意味においては示そうという意味で申し上げたわけでございまして、今の立場は総理大臣でございますから、これは非核三原則を堅持をしていくという立場でございますから、この核シェアリングについては、全くこれは検討も研究もしていないわけでございまして……」
総理在任中は「検討も研究もしていない」「非核三原則を堅持」と答弁しながら、ヒラ議員になった途端、「議論しろ」「タブー視するな」と政府の尻を叩く。安倍氏の暴言に米国バイデン政権が呼応し、「ならば北朝鮮とロシアに対抗するために北海道や新潟に核兵器を配備する」などとなったら、安倍氏はどうするのか。盟友≠フ「ウラジーミル」だって敵意むき出しにするだろう。
安倍氏のように立場によってクルクル発言内容を変える危うい政治家がいるからこそ、日本は非核三原則を堅持する必要があるのだ。
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