http://www.asyura2.com/22/senkyo285/msg/619.html
Tweet |
※2022年2月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クイック拡大
※紙面抜粋
※2022年2月26日 日刊ゲンダイ2面
【世界が固唾をのむ未曽有の混乱】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 25, 2022
この戦争は行くところまで行く懸念
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/Lp5NfXqQgn
※文字起こし
ウクライナ情勢は全く先が読めない展開になってきた。
ロシア軍が24日、ウクライナに侵攻。首都キエフなど各地の軍事施設を160発以上の巡航ミサイルなどで空爆し、ウクライナ軍の無力化に躍起になっている。ロシア国防省は11空港を含む83の地上施設を破壊したとし、ウクライナの防空網を制圧したと発表。ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアの本格侵攻開始後、国民137人が死亡したと述べた。ウクライナ全土に戒厳令を敷いた同大統領は、ロシアとの断交を表明。国境を接するほぼすべての地域で両軍の激しい戦闘が繰り広げられ、チェルノブイリ原発もロシア軍に占拠された。
外交は完全に吹き飛び、戦いの火蓋は切られた。空襲警報が発令されたキエフから脱出を試みる市民が相次ぎ、ポーランド方面へ向かう幹線道路は大渋滞している。
ロシアのプーチン大統領が動きを見せたのは21日だった。親ロシア派が実効支配するウクライナ東部ドンバスの「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認。それから3日後、傀儡の両共和国トップ2人から軍事支援を要請されたとの口実でウクライナへ派兵。20日まで大規模合同軍事演習を実施していたベラルーシとの北部国境、実効支配する南部クリミア半島との境界の軍事施設を破壊し、地上部隊が次々に侵入した。ベラルーシ領内からも弾道ミサイルが撃ち込まれているという。
ゼレンスキー逃亡で新ロ政権樹立へ |
侵攻に先立ち、プーチンは早朝の国民向け演説で「東方拡大するNATO(北大西洋条約機構)は軍備をロシア国境に近づけている」「ロシア封じ込め政策をとる米国と同盟国はレッドラインを越えた」「ロシアと自国民を守るためにはこの手段しか残されていない」などと、「自衛」を主張。一方で、「ソ連崩壊で多くのものを失ったが、現代のロシアは世界で最も強力な核保有国のひとつ」「最新兵器でも優位性がある」と核使用をチラつかせ、「わが国を攻撃すれば、壊滅し、悲惨な結果になることに疑いない」と欧米に警告した。「ウクライナ領土の占領は計画していない」とも言っていたが、ロシア軍の車列が入った北部国境からキエフまでは約200キロ。東京-静岡、あるいは名古屋-大阪ほどの距離だ。3方面から取り囲んでおいて、誰が額面通りに受け取るのか。
第2次大戦後の欧州で最大規模となる戦争に近づいているとの指摘もある。いまいましい歴史は繰り返されてしまうのか。プーチンは中国との結束を強めつつ、「米国の裏庭」と呼ばれる中南米諸国との連携も加速させている。キューバ、ベネズエラ、ニカラグアはロシア支持を表明。昨年末、プーチンが「われわれが米国の国境近くにミサイルを配備したら、米国はどうするのか」と脅し文句を吐いたこともあって、キューバ危機の再来も不安視されている。世界が固唾をのむ未曽有の混乱。この戦争は行くところまで行く懸念が高まっている。
筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう言う。
「プーチン大統領の狙いはNATO加盟を目指す現政権の転覆です。ゼレンスキー大統領が自ら職を辞することになるのか、国外脱出に追い込まれるかはわかりませんが、政権を倒して臨時政府を樹立。大統領選を経て、再び親ロ政権をつくり上げるシナリオです。もっとも、プーチン大統領の計画通りにコトが運ぶかは米国のバイデン政権の対応にもよるでしょう。ウクライナが徹底抗戦し、米国が方針を変えて直接派兵するなどして紛争が泥沼化すれば、プーチン戦略は狂い、暴挙に出る可能性は否定できない。想像を超えた戦争、人類史上最悪の悲劇を覚悟する必要に迫られるかもしれません。キューバ危機を超える脅威が差し迫っています」
拍車かかるロシア売り、止まらない原油高騰 |
ロシアの軍事侵攻を牽制してきた米国のバイデン大統領は「プーチン大統領は破滅的な人命の損失をもたらす戦争を選んだ。同盟・友好国と結束して断固対処する」との声明を発表。予定されていた米ロ外相会談、首脳会談は白紙になった。ゼレンスキーとの電話会談では「理不尽で不当な攻撃」などと口を極めてプーチンを罵り、対ロ制裁の強化やウクライナ支援の継続を約束。日米英、EU、カナダ、オーストラリアは制裁第1弾としてロシア政府発行債券の取引制限やロシアの一部銀行の取引停止、プーチン側近らの資産凍結などを実施。天然ガス輸入の約5割をロシアに依存するドイツは、ロシア産を自国に送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」の稼働認可手続きの停止に踏み切った。NATOは24日の緊急理事会を受け、25日は緊急首脳会議を開いて対応を協議する。
金融市場ではロシア売りに拍車がかかっている。ルーブルは対ドルで史上最安値をつけ、ロシア株も過去最大の下落。国際的に激しい動揺が広がり、24日の日経平均株価は急落し、終値は約1年3カ月ぶりに節目の2万6000円を割り込んだ。ニューヨーク株式市場でも売りが膨らみ、前日からの下げ幅は一時850ドルを超え、3万3000ドルの節目を割り込んだ。欧米やアジア株も乱高下に見舞われている。
その一方で、原油価格は高騰している。世界3位の産油国であるロシアへの制裁が強化され、その対抗措置としてロシアが輸出を絞る公算大だからだ。需給逼迫が警戒され、欧米の先物市場で一時1バレル=100ドルを突破。7年7カ月ぶりの高値となった。経団連の十倉雅和会長も「過去何十年を見て一番大きな地政学的リスクが生じているんじゃないかと思う」「ウクライナの問題は全世界に波及していく問題。非常に憂慮している」と不安を口にしていた。
老害モリベアの釘で中ぶらりんの弱腰 |
外交交渉を足蹴にし、軍事侵攻を選択した「ならず者」はもう絶対に引かないだろう。長引く緊張、世界経済の混乱、親ロ国家の動きなど、世界規模の戦いとなっていくのか。
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)は米国の出方をこう見ている。
「ウクライナ情勢はバイデン政権が想定していたシナリオの中で最悪の方向へ進んでいます。ですが、直ちに軍事行動に動くとは考えにくい。国内世論の支持は2割にも届かない上、介入によって紛争が大規模となり、第3次世界大戦につながるリスクをはらんでいる。そして、エネルギー問題をめぐって各国の温度差がある欧州は決して一枚岩ではないからです。当面は、最大級の対ロ制裁として浮上している国際決済ネットワークシステムであるSWIFT(国際銀行間通信協会)へのアクセス遮断へ向け、段階的に措置を強めていくのが精いっぱいではないか」
岸田政権はこの危機にどうあたるのか。今必要なのは、どちらに加担してもロクでもないことになる自覚と冷静な分析だが、胆力は期待薄だ。「岸田総理は17日にプーチン大統領との電話会談を行いましたが、プーチン氏と近しい森元総理や安倍元総理から〈あまり厳しいことを言わないように〉と事前に釘を刺され、中ぶらりんになってしまったようです」(与党関係者)と失笑を買っていた。実際、日本の対ロ制裁は弱腰そのもの。第1弾は「ドネツク」「ルガンスク」の関係者を対象とする査証発給禁止と資産凍結、両地域との輸出入禁止、ロシア政府が発行する国債や政府機関債の日本での発行・流通の禁止──の3項目。出入りも輸出入も流通も大したボリュームではないため、ダメージは軽微だともっぱらだ。24日のG7テレビ首脳会議で「厳しい経済・金融制裁を協調して実施する」との声明発表を受け、岸田は25日にも強化内容を明らかにするという。一体どんなメニューにするのか。先端技術を利用した製品の輸出入規制などが浮上しているが、中国製品で代替可能ともっぱらだ。
安倍政権から続く「プーチン朝貢」で外交の方向性を見失ったツケはあまりにも大きい。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK285掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK285掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。