http://www.asyura2.com/22/senkyo285/msg/562.html
Tweet |
※2022年2月19日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※文字起こし
Xデーは近づいているのか。ここ数日、ウクライナ情勢を伝える報道は、日増しに緊迫の度を強めている。
アメリカのバイデン大統領は17日、「ロシアによるウクライナ侵攻は近日中にも起き得る」と発言。米政府高官によると、ロシアは16日以降、ウクライナとの国境周辺に新たにロシア軍7000人を送ったという。
実際、ロシア軍は15万人規模でウクライナを3方向から包囲し、いつでも軍事行動を起こせる状態だ。
すでに、ロシアが事実上支配しているウクライナ東部では、16日夜から17日昼にかけて砲撃とみられる爆発が500回以上起きているという。幼稚園にも着弾し、“ウクライナ政府軍”と“親ロシア武装勢力”は、互いに相手の攻撃だと非難している状況である。
ウクライナ危機が異様なのは、アメリカが危機を煽っていることだ。バイデン大統領は「ウクライナにいるアメリカ人は、すぐに退去せよ」と警告。結果的に外れたが「ロシアの侵攻開始は16日だ」と予告し、「標的には首都キエフも含まれる」と緊張を高めている。さらに「ロシアはウクライナ侵攻の口実を得るため破壊工作を自演する“偽旗作戦”をやってくる」と、ロシアの謀略についてまで触れている。
挑発されたロシアは、「アメリカは緊張を煽っている」とカンカンだ。
ただし、ロシアが軍事的な緊張を高めているのは間違いない。19日には、核ミサイル部隊も参加する大規模な軍事演習を実施する予定だ。
その一方、ウクライナの首都キエフの市民は、普段通りの日常を送っている。大通りは仕事帰りの人で賑わい、週末はショッピングモールで買い物を楽しんでいる。
アメリカの発言とロシアの発言は、まったく違う。いったい、ウクライナでなにが起きているのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「まず、危機の元凶であるロシアに非があるのは間違いありません。ただ、いま起きていることは、ウクライナという小国を舞台にしてアメリカとロシアという大国の利害と思惑がぶつかっているという側面も強いと思います。もともとウクライナは、西のヨーロッパと、東のロシアの顔色を見ながらバランスを取ってきた国。危機を煽るアメリカには困惑しているはずです。ゼレンスキー大統領も『このような情報はパニックを誘発するだけで、我々の助けにはならない』と発言しています」
得をするのはアメリカだ |
やはり、このままロシアはウクライナに侵攻するのか。それとも、おとなしく撤退するのか。
もともと、ロシアは巨大な武力を見せつけ、開戦の“瀬戸際”まで相手を追い込み、国際社会から譲歩を引き出すのが狙いだったとみられている。例えば、親ロシア派が事実上支配するウクライナ東部の自治権承認だ。本格的な武力衝突となれば、ロシアも人的被害を受け、国際社会から経済制裁を受けることになるからだ。
ところが、ここにきて予想外のシナリオが囁かれている。浮上しているのが、合同軍事演習を行っている“同盟国”ベラルーシに侵攻させるという仰天プランだ。筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう言う。
「ベラルーシとの軍事演習を20日に終えた後、ベラルーシにウクライナ侵攻をさせれば、ロシアは『我々は侵攻していない』と言い張ることができます。国際社会の批判をかわせる。ウクライナ侵攻は、ベラルーシにもメリットがあります。ロシア産天然ガスの欧州向けのパイプラインには、“ウクライナ経由”と“ベラルーシ経由”が存在しますが、ウクライナのパイプラインが戦闘によってストップすれば、ベラルーシは天然ガスの輸送を独占でき、巨額の通行料を得ることができる。ベラルーシに通行料を支払うロシアも、ウクライナ危機による天然ガスの高騰で収入が増えるというカラクリです」
ヤバいのは、危機を煽るアメリカにとっても、「戦争は得策」という見方があることだ。
「戦争となり、ロシア産の天然ガスが禁輸措置の対象になれば、アメリカのエネルギー企業にとって大きなビジネスチャンスになる。アメリカは自国産の天然ガスを売り出せるわけです。と同時に、兵器産業も潤う可能性が出てくる。アメリカ本土で戦争が起きたら困るが、アメリカが直接戦渦に巻き込まれることはない。戦争の“現場”は遠く離れたウクライナです。たとえ、ロシアが侵攻しても、アメリカはウクライナに派兵もしないはずです」(大手商社関係者)
アメリカが危機を煽りまくっているのは、正義のためではなく金儲けのためなのではないか。
ロシアにトドメを刺す“切り札” |
ウクライナ危機が長引くと、国際情勢はどうなるのか。
すでに、原油や天然ガスの価格が高騰している。経済的な混乱が広がるのは避けられそうにない。
「欧州は輸入天然ガスの約4割をロシアに頼っています。足元の天然ガス価格は1年前から約4倍に上昇している。供給不足の不安が広がるだけで、高騰している状況です。この状況が続けば、欧州経済は大混乱でしょう」(中村逸郎氏=前出)
ロシアも致命的な打撃を受ける可能性がある。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「欧米が持つ最強の“制裁カード”は、世界の銀行間決済システムを運営する『国際銀行間通信協会』から、ロシアの銀行を排除することです。排除されると、ロシアは“ドル決済”が不能になる。つまり、海外とのやりとりがほぼできなくなるわけです。影響が大きすぎるため、欧米諸国もさすがに安易に切れるカードではありません。しかし、ロシアにとってはチラつかせられるだけで大きな脅威です」
それにしても影が薄いというか、ウクライナ危機に対してまったく存在感を発揮できていないのが、日本の岸田政権だ。 岸田首相がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談したのは15日、ロシアのプーチン大統領との電話協議は17日だ。ドイツもフランスもアメリカも、とっくに首脳会談を終えているのに、いくらなんでも遅すぎるのではないか。まさか、後回しにされたのか。しかも、プーチン大統領との電話協議は、わずか25分間である。通訳の時間を入れたら実質10分程度だろう。
そのうえ、どんな話をしたのか、具体的な中身もハッキリしない。
「恐らく、岸田-プーチンの電話協議は、ほとんど中身がなかったか、あるいはプーチン大統領から一方的に攻め込まれ日本にとって不利な内容だったか、いずれかだと思う。日本政府が積極的に内容を伝えないのは、そのためでしょう。心配なのは、安倍政権の7年間によって日本の外交能力が落ちている恐れがあることです。アベ外交は、“やっている感”を重視し、ほとんど成果がなかった。成果を第一としなければ、外交力が落ちるのは当然です」(五野井郁夫氏=前出)
はたして、岸田政権はウクライナで起きていること、さらにアメリカの思惑をどこまで理解しているのだろうか。いずれにしろ、アメリカ発のウクライナ情報は、マユツバで見た方がよさそうだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK285掲示板 次へ 前へ
- ウクライナ軍がドンバスへの攻撃を開始、住民が避難しているとの情報(櫻井ジャーナル) :戦争板リンク 赤かぶ 2022/2/20 07:00:05
(0)
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK285掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。