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※2022年2月5日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年2月5日 日刊ゲンダイ2面
【空しいテレビ局の盛り上げ報道】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 5, 2022
冬季五輪 また札幌など「悪い冗談」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/D3ABMYAstD
※文字起こし
世界の感染者が連日、300万人を数え、約1万人が命を落としているパンデミックのなかで、4日、「北京冬季五輪」が始まった。大会は20日の閉会式までの17日間。7競技、史上最多の109種目が実施される。
日本人選手は過去最多に並ぶ123人が出場予定だ。冬季大会では史上最多のメダル13個(金4、銀5、銅4)を獲得した平昌五輪を超えるメダル数を期待されている。
それにしても、昨年夏の2020東京五輪も異常な大会だったが、この北京五輪も異例ずくめだ。チケットの一般販売も見送ってしまった。東京五輪よりも厳格な“バブル方式”が採られ、選手と市民が接触する機会はゼロ。選手同士の親交の場であるはずの選手村でも、食事は天井から機械経由で届き、個食を強いられるという。
しかも、大会に政府関係者を送らない「外交ボイコット」が相次ぐなど、欧米と中国の対立が持ち込まれ、中国もアメリカも、公然とオリンピックを“政治利用”する始末だ。現地に祝祭ムードは、ほとんどないという。いったい、どこが“平和の祭典”なのか。
ところが、案の定、日本の大手メディアは、「特別な舞台 限界の先へ」などと、はやくも“お祭り騒ぎ”なのだから、どうしようもない。NHKも昨夜7時30分から「開会式直前スペシャル」を大々的に放送し、9時からスタートした開会式を完全生中継してみせた。この調子では、大手メディアが最終日まで「日本人選手、またメダル獲得です」と大騒ぎするのは目に見えている。大事なニュースも後回しにされてしまうのではないか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「日本メディアの最大の問題は、もともとオリンピックに対して中立ではないということです。東京五輪の時は、スポンサーにまでなっていた。とくにテレビ局にとって五輪は、視聴率を稼げる重要なコンテンツなのでしょう。だから、少しでも盛り上げたい。
でも、そろそろメディアは、オリンピックの在り方について議論すべきです。中国が国威発揚に使い、欧米が政治利用し、IOCがチャイナマネーを目当てにしている北京五輪は、五輪の在り方を考える格好のテキストになるはずです」
立候補する都市は激減している |
しかし、いくら大手メディアが大騒ぎしても、もう国民は騙されないのではないか。五輪の“正体”を、昨夏の東京大会でイヤというほど見せつけられたからだ。高々と掲げる「平和の祭典」とやらは看板だけで、カネと利権、政治的思惑が渦巻くのが五輪の本質である。
象徴的だったのは“主催者”であるIOCの不遜な態度だ。あの時、日本中が新型コロナに苦しんでいたのに、IOC幹部は「アルマゲドンでもない限り大会は実施だ」と放言。競技の開始時刻まで全てIOCスポンサーの“ご意向”が優先され、「アスリートファースト」など、どこ吹く風だった。
そもそも、今どき、五輪なんて時代遅れもいいところだ。3日付の朝日新聞で、一橋大大学院の町村敬志特任教授はこう語っていた。
〈もはや五輪は「時代遅れ」と考えています〉〈成熟した都市にとって、五輪は昔ほど大きなインパクトはありません〉〈国際イベントは当たり前になり、五輪の特別さは薄れています〉
開催する価値は低いとみなされているのだろう、近年は開催を希望する都市も激減している。焦ったIOCは2019年に開催都市の選定ルールを変更。従来は、開催7年前にIOC委員による多数決で開催都市を決めるルールだったが、事前に個別都市と「下交渉」を重ねて、推薦する方式に変えてしまった。苦肉の策で「一本釣り」方式に変更したわけだ。
その結果、昨年7月には、11年先の32年夏季大会の開催都市をオーストラリア・ブリスベンに決定。8年も先の30年冬季五輪の開催都市に札幌市が浮上しているのも、異例のルール変更によるものだ。
どこもやりたがらない五輪など完全に色褪せた“ただの運動会”ではないか。「東京五輪の大罪」(ちくま新書)の著者・本間龍氏はこう言う。
「五輪には『平和でよりよい世界の構築に寄与する』という理念に基づき、選手のみならず世界中から市民が集まり、交流を深めるという目的があります。しかし、東京も北京も観客は入れず、選手も自由に動けない。理念などかなぐり捨てて何としても開催にこぎつけることが目的になっているのです。それは、IOCは利益、国はメンツや権威を最優先しているからです。選手は盛り上げるための道具になっているのが実態です」
東京と北京、この2大会で五輪は完全にオワコンになるに違いない。
また札幌で開催という無反省 |
なのに、また日本にオリンピックを招致しようとしているのだから狂気の沙汰だ。30年に札幌で2度目の「冬季五輪」を開催しようと、市と政府がシャカリキになっている。
現在、札幌市以外で手を挙げているのは、ソルトレークシティー(米)、バンクーバー(カナダ)、ピレネー・バルセロナ(スペイン)、ウクライナ(都市未定)などだ。
だが、いずれの都市もマイナス材料を抱え、札幌が“大本命”となっている。IOCのバッハ会長も「札幌の冬季五輪の開催能力に疑いの余地はない」と太鼓判を押している。大会関係者は「現実的には札幌以外に開催できるところがないのでは」と漏らし、早ければ年内にも内定が決まるという。
「札幌市への招致にネックがあるとすれば、市民の支持が少ないことです。札幌市は市民の世論をはかる“道民アンケート”を3月に実施する予定です。もっと早く実施できたはずという声もありますが、北京五輪の余韻が残っている時の方が、賛成が増えるとみているようです」(大会関係者)
だが、開催すればトンデモナイことになるのは明白だ。秋元克広市長は、19年段階で総額3100億〜3700億円だった開催経費を「900億円削減できた」なんて言っているが、東京五輪同様、膨張する可能性が高い。
東京五輪では、立候補時に示された経費は7340億円だったが、最終的に大会組織委員会の公表では2倍に拡大。関連経費まで含めれば3兆円を超えるとみられている。その上、東京都が整備した複数の競技会場は年間億単位の赤字を垂れ流す「負のレガシー」となるのが確実だ。
そもそも、札幌五輪には開催する大義すらない。目的といえば、北海道新幹線の札幌延伸に合わせた市の再開発程度のもの。24年に夏季大会が開催されるパリは、開催を機にセーヌ川の水質を改善し、泳げるようにするというからスケールが全然違う。
大した構想もないのに開催すれば、失敗は目に見えている。
「東京五輪で開催経費が当初の何倍にも膨れ上がり、巨額の税金をつぎ込むことになった責任を、まだ誰もとっていません。それどころか、組織委や東京都は検証もせず『うまくいきました』と自賛している。無反省なまま札幌で開催すれば、また同じ過ちを繰り返すでしょう。追及すべき大手メディアも礼賛報道を繰り返すばかりでは、話になりません」(本間龍氏=前出)
東京五輪と北京五輪を経験しても、まだ大手メディアは五輪の“正体”に気付かないのか。札幌開催など「悪い冗談」だ。
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