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自宅療養者30万人超え 第6波「コロナ自宅死」わずか1カ月で2ケタ!【独自調査】
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/300856
2022/02/04 日刊ゲンダイ
第6波の自宅死について、後藤茂之厚労相(上・中央)は答えられなかった(C)日刊ゲンダイ
「1月以降の新型コロナ患者の自宅死亡事例は網羅的には把握できていません」──。2日の衆院予算委員会で、第6波の自宅死について問われた後藤厚労相は答えられなかった。感染者情報を国や自治体が共有するシステム「ハーシス」に「3件の入力があった」としたが、自宅死者数はそんなもんじゃない。日刊ゲンダイが独自に調べたところ、わずか1カ月で2ケタに上ることが分かった。
◇ ◇ ◇
報道や自治体発表を基にコロナ陽性者の自宅療養中の死亡事例を調査した(別表)。すべて高齢者で10件に上り、23日以降は立て続けに確認されている。
第6波は始まったばかりだ。病床が“逼迫”しているとは思えない段階での自宅死の急増。一体、何が起きているのか。
基礎疾患持ちの高齢者が急変
千葉では基礎疾患がある高齢男性が2人、自宅療養中に亡くなった。90代男性は微熱、70代男性は喉の痛みの軽症だった。2人の陽性が判明した1月下旬の千葉県の病床使用率は40%前後と余裕があった。基礎疾患持ちの高齢者でも「軽症」なら入院できないのか──。県は「高齢で基礎疾患があっても、状況によって自宅療養となるケースはあります。亡くなる前日の確認では、70代男性は体調に変化がなく、90代男性は熱が下がっていました」(疾病対策課)と答えた。
福岡のケースは「自宅療養の限界」を示している。18日に陽性が判明した60代男性は軽症で基礎疾患がなく、市は電話で対応していた。宿泊療養施設に入所予定だったが、19日から本人と連絡が取れなくなった。市、別居家族、かかりつけ医が連絡を試みるも28日、自宅で死亡している男性が発見された。
“自宅放置政策”が続けば… |
自宅療養者は第5波の3倍、30万人を超えているとみられる(C)日刊ゲンダイ
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「基礎疾患がある高齢者は、判明時は軽症でも、コロナにかかっていれば何が起きるか分かりません。千葉のケースは医師の管理下に置くべきでした。福岡の男性は同居家族がいなかったとみられますが、高齢者を自宅で一人にするのも危険です。これまでの苦い経験から自宅死に関する知見は積み上がっているはず。高リスクの患者の自宅療養を極力避けるために、宿泊施設の活用や臨時医療施設の設置に力を入れるべきです」
政府や東京都は「病床の余裕」を装い、自宅療養体制の「充実」を強調している。小池知事は「うちさぽ東京」と命名し、24時間の「自宅療養サポートセンター」を開設した。ところが、初日の31日は午前9時からの24時間で1万9200件の電話が殺到し、オペレーターが対応できたのはおよそ3割だったという。
どこの自治体の相談窓口もつながらない事態が起きている。
26日時点の自宅療養者は26万人。現在は30万人を軽く超えているとみられ、第5波ピークの13万人の3倍に迫る。第5波の昨年8月と9月に自宅で亡くなったコロナ患者は少なくとも202人。“自宅放置政策”が続けば、第5波を上回る自宅死が多発してもおかしくない。
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