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トラブル続出! 石原宏高衆院議員の「選挙違反証拠写真」独占入手 遺産相続に大忙しで、まったく選挙に身が入らず……
https://friday.kodansha.co.jp/article/226899
2022年01月30日 FRIDAYデジタル
昨年10月30日のJR大井駅前の様子(写真@)
岸田文雄首相が、電光石火の決断で踏み切った昨年秋の総選挙。10月30日の選挙戦最終日、全国各地を駆け巡ってきた岸田氏がマイク納めの場に選んだのが、東京・品川区のJR大井町駅前だった。
「この東京3区、石原宏高、石原宏高をなんとしても、押し上げていただけますよう、内閣総理大臣、自民党総裁、岸田文雄から、心からお願い申し上げます」
街宣カーの上で、約10分間にわたって熱弁をふるった岸田氏は、宏高氏の左手を握ると、その手を高々と掲げたーー。
「岸田氏の応援を受けた宏高氏ですが、小選挙区では野党候補に敗れ、比例復活でなんとか議席を確保した。そのうえ、岸田氏を迎えた街頭演説の会場設営では、考えられないミスをしていました」(全国紙政治部記者)
そのミスの証拠が、上記の写真@である。中央の街宣カーの上で、赤いブルゾンを着ているのが宏高氏。その右隣のスーツ姿が岸田氏だ。問題は、写真の左に写っている宏高氏の「のぼり旗」である。
「公職選挙法164条2の規定で、衆院選の街頭演説会場などで、候補者本人の名前や顔写真が入ったのぼり旗や看板を掲げる場合、各選管が配布する証表と呼ばれる表示物をつけなければいけないことになっている。証表をつけることではじめて、のぼり旗などを掲げることができるのです」(公選法に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授)
都の選管による「証表」(写真A)。本来はこれをのぼりにつけなくてはいけない
今回、東京都選管が用意した証表は、緑色のプラスチック製で、斜辺が20センチ程度の直角二等辺三角形のタイプだった(写真A)。
昨年10月30日夕方のJR大井駅前(写真B)。写真@で見えるのぼりがすでに置かれていた
写真Bは、冒頭の写真@の街頭演説が行われる前の同じ場所の写真だ。置かれたのぼり旗には、このような証表がないことが確認できる。
「細かなルールですが、選挙運動のイロハのイに当たるものであり、選挙に臨むのであれば、当然知っていなければいけない内容です。違反すれば罰則もあり、今回のケースは明らかに違法行為に当たる」(同前)
選挙期間中、宏高氏の陣営はこのほかにもトラブルを起こしている。
石原宏高事務所が設置した看板(写真C)
写真Cは、選挙事務所の場所を示す看板を、公共物であるガードレールにくくりつけてあるところを撮影したものである。
しばらくすると、公共物に看板をくくりつけていることを問題視した品川区選管から注意を受けて、あらためて設置し直すことになった(写真D)。
看板を設置し直すスタッフたち(写真D)
さらに、再設置作業を行うため駆けつけた関係者の車両が違法駐車をしてしまい、警察官にとがめられるというおまけまでついた(写真E)。
もはや踏んだり蹴ったり(写真E)
宏高氏の陣営にとって、なんとも締まらない選挙戦だったわけだが、次のような事情もあったようだ。
「選挙期間中、宏高さんの士気は高くなかった。父親の石原慎太郎さん(元東京都知事)が胃がんを患っていて、自宅で水素吸入治療を受けるなど、当時は容態がかなり悪かった。宏高さんは『選挙どころではない。相続で忙しいんだ』と漏らしていました」(選挙事務所関係者)
候補者本人のモチベーション不足が影響したのか、選挙を戦っている最中に、右腕となって支えるべき政策秘書のY氏が辞職するという混乱もあった(宏高氏の事務所は、街頭演説会場に掲げたのぼり旗について「法令に従った選挙運動だった」と回答。 Y氏の辞職については「人事に関することは回答しない」と答えた)。
小選挙区で敗れた宏高氏にとって、今回の選挙戦は、まさに泣きっ面に蜂といった惨状だったわけである。一方、昨年12月、宏高氏は、兄の伸晃氏が会長を務めていた石原派を離れ、岸田氏が率いる宏池会に入会するという決断を下した。
「実は、宏高さんは、宏池会の関係者から一度入会を断られている。伸晃さんが落選し、派閥会長を辞任することを表明していたこともあり、『節操がなさすぎる。宏高さんのためにもよくない』とたしなめられたといいます」(宏高氏周辺)
しかし、宏高氏には、強引にでも総裁派閥に移らなければならない理由があった。それが、衆院小選挙区の「1票の格差」を是正する区割りの見直しである。宏高氏の選挙区である東京3区は、「違憲」あるいは「違憲状態」の目安とされる格差2倍を超えていて、今後、選挙区が分割・再編される公算が大きい。
「宏高さんは『次の衆院選では、(昨年10月の総選挙で敗れた)松原仁とは別の選挙区で出馬したい』と周囲に語っている。党本部に対して、こうした意向を通し、少しでも自分の選挙に有利な選挙区を割り当てられるよう、党内で影響力のある派閥に移りたいという考えを持っていました」(同前)
そんな宏高氏のお眼鏡にかなったのが、総裁派閥である宏池会だったのだ。
ただ、岸田氏にとってみれば、石原ブランドへの温情は必ずしもいい結果を招いていない。落選した伸晃氏を内閣官房参与に起用した途端、伸晃氏の政治団体がコロナ関連の助成金を受給したことが明るみになって辞任したのは記憶に新しいところ。宏池会入りした宏高氏が、好調な岸田内閣の支持率を押し下げる「疫病神」にならないとは限らないのだ。
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