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遠山元財務副大臣 在宅起訴
コロナ対策 食い物に 貸金業法違反事件 問われる公明党の責任
公明党元衆院議員の遠山清彦元財務副大臣(52)と同党の太田昌孝前衆院議員の元政策秘書らが、貸金業の登録をせず日本政策金融公庫の融資を仲介した貸金業法違反の罪で東京地検特捜部に在宅起訴されました。仲介したのは新型コロナウイルスの拡大で苦しむ企業向けの特別融資。与党議員らがコロナ対策を食い物にした構図であり、公明党の責任も問われています。(「政治とカネ」取材班)
起訴状によると遠山被告は太陽光発電関連会社「テクノシステム」元顧問の牧厚被告(74)=同法違反で在宅起訴=らから依頼をうけ、日本政策金融公庫に融資を口利きし謝礼を得ていたとされます。テクノシステムは社長が詐欺罪などで起訴されている企業です。
所管金融機関に
牧被告と遠山被告はどんな関係なのか―。関係者は「両者はもともと幅広い付き合い。ビジネスパートナーを紹介してほしいと頼まれるとかプライベートな付き合いがあった」と言います。
遠山被告が仲介したのは、新型コロナで売り上げが減少した企業などに向けた日本政策金融公庫の特別融資。2020年3月ごろから今年6月ごろまで計111回仲介。計1000万円の謝礼を得たとされます。
遠山被告は、安倍政権下の19年9月13日から20年9月16日まで財務副大臣でした。同公庫は財務省が所管する政府系金融機関のひとつ。所管省庁の副大臣という立場の時も、口利きをして謝礼を得ていました。
さらに太田前衆院議員の元政策秘書の渋谷朗被告(61)もテクノシステム元相談役の川島裕被告(78)から依頼をうけ、87回の仲介をしたとされます。
公明党内の複数ルートで、コロナ禍で苦しむ企業を食い物にした構図です。
仲介料の使途は
遠山被告は1993年に創価大学を卒業。01年に公明党から参院議員に初当選し、10年には衆院議員に。“公明党のプリンス”とも呼ばれ、次世代のリーダーのひとりと目されていました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が出されていた今年1月に銀座のクラブで深夜まで滞在していたことが発覚し、議員辞職に追い込まれていました。
ある検察担当記者は「検察は遠山被告が仲介で得た金を銀座のクラブ通いで使ったとみている」と言います。ただ貸金業法違反事件の公判では仲介で得た資金の使途が明らかになるとは限りません。
一体どのように口利きをし、得た資金を何に使ったのか―。
公明党は「『清潔な政治』をリード 企業献金、口利きにメス 結党以来“腐敗”と闘い続ける」などと衆院選に向けた政策解説でうたってきました。しかし貸金業法違反事件について、山口那津男代表は「捜査の行方を見守りたい」(公明新聞11月17日付)というばかり。同党の国会議員、政策秘書がかかわっていたにもかかわらず、説明責任を果たしていない状況です。
99年に公明党が自民党と連立政権を組んで以降、同党の国会議員経験者が特捜部に摘発されたのは初めてです。元官房長官の秘書は与党になって公明党が変わったとして、こう指摘します。
「公明党のある秘書は与党になった後、省庁に説明を求めたとき、上層部の官僚がくるようになったと喜んでいた。与党となって公明党の権力志向が強まった。今回の事件はそんな中で起きた」
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