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※2022年1月8日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年1月8日 日刊ゲンダイ2面
【どうにもならない閉塞感】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) January 8, 2022
また敵失で空虚な政権が生き延びるのか
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/bWHbaRqcLY
※文字起こし
発足から3カ月が経過した岸田政権の意思決定の舞台裏を描いた朝日新聞(5、6日)の記事には仰天した。
目玉の「新しい資本主義」について、事務方の上げた提案に岸田首相が納得しない。「では、どんな感じですか?」と側近に繰り返し問われても、岸田はうなってばかりで、最後に「ビジョンを作りたいんだよね」と答えたというのだ。
記事はこう続く。
<長年の持論にもかかわらず、岸田は「ビジョン」をこれからつくるのだという。岸田派の関係者は「人から提案されたものを採り入れてきたから、実は具体性がない」と認める。本当は首相としてやりたい政策はないのではないか──。与党議員や官僚の間ではそうした声もささやかれ始めた>
ええっ! ビジョンをこれからつくる? 岸田は2度目の総裁選挑戦で勝利した。曲がりなりにも、一国の首相を目指してきた政治家なら、就任前から「こうしたい」というビジョンを持っているもんじゃないのか。「岸田ノート」には一体、何をつづってきたのか。それに岸田は、2020年9月に「岸田ビジョン」と題した258ページの著書を出版している。よくもまあ、そんなタイトルをつけられたものだ。
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「結局、岸田首相は、総理になって何を実現するというものはなく、総理になること自体が目的だった。官邸官僚から、そんな感想が聞こえてきます。だから、すべてが行き当たりばったり。『融通無碍』と言えば表現はいいが、自分がないから人の話を聞いて、一度決めたことも簡単に変える。しかし、軸のない付和雷同型の総理で、本格化してきたオミクロン対策を乗り切れるのでしょうか。リーダーの資質は有事に問われる。普段から思索にふけってきた政治家なら引き出しがたくさんあるが、岸田首相の引き出しには『総理になる』という紙が入っているだけ。だんだんメッキが剥がれてきました」
「永田町で一番つまらない男」
昨秋の総裁選時、二階幹事長(当時)に引導を渡すような党改革を打ち出した際は「岸田は変わった」なんて言われたが、「永田町で一番つまらない男」と呼ばれたスッカラカンが、そう簡単に変われるはずがないのだ。
子育て世帯への「10万円給付」をクーポンから全額現金に変更したのも、コロナワクチン3回目接種の一部前倒しも、岸田の「聞く耳」の成果などと喧伝されるが、確固たる信念がないから世論の反応に合わせているだけというのが実相。
その「聞く耳」も、強権を振るう安倍・菅政権のトップダウン型との対比であり、オミクロン株の水際対策で外国人の入国禁止をスピード決定したのも、後手に回った安倍・菅政権のコロナ失政を反面教師としたものだ。で、狙い通り支持率はアップしたが、倍々ゲームで感染者が激増していく今、フワフワと芯のない首相が迫りくるオミクロンの猛威に対応できるのかは心もとない。
水際対策には米軍基地という大穴があいていた。それでも、「抗議しろ」と林外相に吠えるだけで、「日米地位協定の改定は考えていない」とアッサリ白旗。ワクチン不足で3回目のブースター接種も遅々として進まない。これでは再び日本列島が「第5波」級の阿鼻叫喚に包まれることになりやしないか。
政治に緊張感を与えられない野党の罪つくり |
岸田政権で国民の命は守られるのか、という不安や懸念が高まってきたのに、相変わらずしょうもない野党には期待できないというむなしさ。それがますますこの国の閉塞感を強めていく。
立憲民主党は、「提案型野党」を標榜するも現状では存在感を見せられないまま。党の立て直しは遠い道のりだ。衆院選からもう2カ月以上経ったが、いまだ敗北の総括すらできていない。データを含め調査中で、今月中に総括を出すというのでは遅すぎる。
今年最大の政治決戦である参院選は半年後に迫る。
ところが立憲は、支持団体の「連合」の顔色をうかがってばかりで、共産党を含めた野党の共闘態勢をどうつくるのか、つくらないのか、方向性を出せず、候補者擁立も見通せない。
泉代表が「親和性が高い」と秋波を送る国民民主党は、むしろ「ゆ党」の日本維新の会との連携に前のめりだ。その維新は、参院選で全国政党化を目指して候補者の大量擁立を模索中。立憲を退け、「野党第1党」を狙っている。
東京都の小池知事も、顧問を務める「都民ファーストの会(都ファ)」をベースに虎視眈々。合同勉強会を開いた都ファと国民民主党の連携も現実味を帯びる。
その結果、岸田政権への批判票が増えたとしても、乱立する「ゆ野党」に票は分散、自公を利することになるだけなのである。
「政治に緊張感をもたらす、という観点でも、野党の弱体化は罪つくりですよ。メッキが剥がれてきた岸田政権には攻めどころがたくさんある。自民党は参院選に向け怯えていておかしくないのに、現状では野党に勝てる要素が見えません。野党は政権与党が嫌がることをしなければダメ。そういう発想で政策を考え、戦術を組み立てていくべきです。この先どうなるのか、という国民の生活不安に応えるのが政治の原点。本気度が見えなければ野党は浮上できません」(野上忠興氏=前出)
参院選向けの目くらまし
敵失によって空虚な政権が生き延びたら、長期政権になる恐れすらある。
与党が過半数を制して参院選を乗り切れば、3年間は大型の国政選挙を回避することができるからだ。
それを狙う岸田の行動は、実は選挙向けの目くらまし、と見た方がいい。
総裁選時の威勢のよさがいまや風前のともしびの「分配」。岸田は年頭所感で「資本主義の弊害に対応し、持続可能な経済を作り上げていく」と訴え、5日に出席した経済3団体の新年祝賀会では「賃上げに攻めの姿勢でご協力いただけるようお願いする」と挨拶していたが、おそらく賃上げも一部の好業績大企業に限られるのだろう。「賃上げしたら減税」という使い古された政策では、全体の7割近い赤字の中小企業に何の恩恵もない。
つまり、バラマキ予算と批判されている107兆円の2022年度当初予算案に象徴されるように、岸田の眼中には参院選の勝利しかなく、すべてがそのための口先政策なのである。
医療現場の医師が「これまでと次元の違う闘い」と警鐘を鳴らすオミクロン株の猛威で、9日からの「まん延防止等重点措置」適用が決まった沖縄では、予約キャンセルが相次ぐホテルや飲食店の悲鳴が上がる。
全国の新規感染者数は7日、3カ月半ぶりに6000人を上回った。新規感染者が922人だった東京は1週間前の実に12倍だ。沖縄・山口・広島の重点措置は“序の口”。再びコロナが全国に蔓延し、経済活動に制約がかかれば、ますます格差が拡大する懸念と絶望が広がっていく。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「新自由主義が低賃金の非正規雇用を増大させるなど、さまざまな問題を引き起こしてきた。資本主義の行き詰まりは明らかで、だからこそ岸田首相は『新しい資本主義』を目指しているのでしょう。コロナ禍で格差がさらに拡大しているいまこそ『新しい資本主義』のきちんとした考え方を提示して欲しいのに、明確なビジョンを打ち出せないようではどうしようもありません。そこで野党の出番のはずですが、『提案解決型』で牙を抜かれてしまって、本来の野党の役割を果たせていない。寅年なのに牙を抜かれた猫になってどうするんですか」
どうにもならない閉塞感は、果たして打破できるのだろうか。少なくとも言えることは、国民が諦めたらオシマイ、だということだ。
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