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「英語と中国語の覇権争い」10年後の勝者はどちら 中国語が「世界共通語」になる日はやってくるか/東洋経済
上乃 久子 の意見 • 土曜日
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%81%A8%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%A6%87%E6%A8%A9%E4%BA%89%E3%81%84-10%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E3%81%AE%E5%8B%9D%E8%80%85%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E3%81%8C-%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%85%B1%E9%80%9A%E8%AA%9E-%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%97%A5%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%8B/ar-AA1bLatQ?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=5aaaecd34af244db859830cbbb2ad58a&ei=16
これまで世界共通語≠ニして君臨してきた英語。しかしながら、ここに来て中国語がそれに追随してきている。果たして、中国語が世界共通語≠ニして英語を凌ぐ日はやってくるのだろうか。著書『英語と中国語 10年後の勝者は』(小学館新書)を上梓した五味洋治(東京新聞論説委員)さんに、ニューヨーク・タイムズ東京支局の上乃久子記者がインタビューした。
前編記事:言語の覇権争い「中国とアメリカ」の戦略的な差
アフリカ大陸や中近東で増え続ける親中国家
上乃:アフリカ大陸というと、フランス語を話す人たちが多いという印象がありましたけど、今となってはそうも言い切れないようですね。中国語を学ぶ人が増えたのは、中国による経済協力の影響が明らかに大きくなったためでしょうか。
五味:そうですね。アフリカ各国は今、中国からの有償の経済支援がたくさん入ってきて、インフラを支援したり、道路作ったり、ダムを作ったりしているわけですね。ただし、償還期日が来た時点で借金を返せないと、建設したインフラが中国のものになってしまうという立て付けになっているケースがたくさんあります。
五味洋治/1958年7月26日長野県茅野市生まれ。1982年早大第一文学部卒。1983年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、川崎支局、社会部、政治部(官邸、野党担当)を経て1997年、韓国延世大学語学留学。1999〜2002年ソウル支局、2003〜2006年中国総局勤務。主に朝鮮半島問題取材。2008〜2009年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在中日新聞東京本社(東京新聞)論説委員(写真:横田紋子)
五味洋治/1958年7月26日長野県茅野市生まれ。1982年早大第一文学部卒。1983年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、川崎支局、社会部、政治部(官邸、野党担当)を経て1997年、韓国延世大学語学留学。1999〜2002年ソウル支局、2003〜2006年中国総局勤務。主に朝鮮半島問題取材。2008〜2009年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在中日新聞東京本社(東京新聞)論説委員(写真:横田紋子)
© 東洋経済オンライン
中国による「債務の罠」といって、よくニュースになっていますよね。こうしたスキームによって自国の国外資産を増やしていると。
ただ、アフリカの人たちには中国を選ぶしかなかったという事情もあります。フランスをはじめとした旧宗主国のヨーロッパの国々に頼ろうとしても、何もしてくれないという疎外感を抱えていたんです。これは中近東を見ても同じ。そういう状況を見透かして、中国はどんどん食い込んでいっている。
そうすると、それらの国はどうしても親中国≠ノならざるを得ない。国連の場では、いかなる国も投票権を持っていますから、親中国の国が増えれば増えるほど、国際社会での中国の発言力は強まるという流れになっていきますね。
五味:アフリカに行ってみると、中国の存在感は絶大だと言います。ただし、アフリカ大陸には、欧米メディアの特派員はあまりおらず、中国によって実際に何が行われているのかが報じられる機会は多くありません。日本のメディアの特派員も、カイロやヨハネスブルクといった大都市にしかいないのです。
そうなると、中国がアフリカ大陸で何をしようが、西側諸国はあまり気付かないという状況が生まれます。そしてあるとき気付いたら、中国が経済援助とともにアフリカ大陸で中国語を普及させ、同時に中国抜き≠ナは生活が成り立たなくなっている様子を目の当たりにする……。これが現在の状況と言っていいでしょうね。
上乃久子/1971年岡山県生まれ。1994年に四国学院大学文学部英文科卒業後、同大学の事務助手として勤務。東京都内のバイリンガル雑誌社、翻訳会社、ロサンゼルス・タイムズ東京支局、国際協力機構(JICA)を経て、現在、ニューヨーク・タイムズ東京支局にて記者として活躍。サイマル・アカデミー同時通訳科修了。著書に『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』(小学館)(写真:横田紋子)
上乃久子/1971年岡山県生まれ。1994年に四国学院大学文学部英文科卒業後、同大学の事務助手として勤務。東京都内のバイリンガル雑誌社、翻訳会社、ロサンゼルス・タイムズ東京支局、国際協力機構(JICA)を経て、現在、ニューヨーク・タイムズ東京支局にて記者として活躍。サイマル・アカデミー同時通訳科修了。著書に『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』(小学館)(写
上乃:今まであまり振り向かれなかった地域の人たちが、自らが学んだ中国語を活かし、経済的に成長してもう一段高いレベルの生活を目指そうとしているといった感じでしょうか。そう考える人たちは、これからも増えていきそうですね。
五味:そうだと思います。かつて、アフリカのエリートたちは皆フランス語を流暢に話していました。でも今は、「フランス語が話せても何のメリットもない」って言っているそうです。そこは利にさといというか、しっかりと考えている。こうした目端の利かせ方は、これからの日本人にも必要かもしれません。中国語が日本に入ってきたら、中国文化に取り込まれてしまうのではないかと心配するのではなく、中国のスケールメリットを活かして利用していくくらいの気概があってもいいでしょう。
中国語ができると「何かと得する」という今の世界の現実
上乃:五味さんは中国での駐在経験もあり、中国語を仕事でも使っていますけど、ご自身が普段の生活でメリットを感じることはありますか。
五味:やはり中国語は、世界で最も人口の多い国の1つである中国で話されているだけに、思わぬところでメリットを感じたりします。
以前に台湾に行ったとき、バスを待ちながら中国籍の妻と中国語を話していると、白タクの運転手が近づいてきて、「大陸から来たんでしょ?」と聞かれました。「格安で現地を案内しますよ」というのです。
中国は経済力と軍事力にものを言わせ、傍若無人に振る舞います。特に台湾に対しては、ことあるごとに圧力をかけてきます。日本では台湾有事がいつ起きるのか関心が高いですね。
当然、台湾では中国本土政府への反発は強烈ですが、中国人観光客は気前良くお金を使うので、台湾ではその経済力に期待する人が多いのも事実です。
あくまでも個人の体験レベルでの話ですけど、今の時代、中国語をしゃべれると、得をすることが多い世の中になっているようです。その点、英語を話すのは当たり前になっているので、ものすごく高いレベルでもない限り、そこまでのメリットはないような気がします。旅先で中国語ができると別の世界≠ェ見られるというのは、面白いと思いましたね。
五味:中国はまた秘密の多い国です。だからこそ、世界的なニュースを発掘してスクープを放つことができると、野心的な欧米のジャーナリストは積極的に中国語を学んでいます。通訳に頼らず取材できる人が少なくありません。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」を実践しているんですね。
ほかにも私の友人で、長く上海で働いていた日本人男性は、中国は急速に発展している国だけに、中国語に堪能なら、日系や中国系企業の就職口がたくさんあると話していました。
文化的には日本と中国は近いですが、世界観や社会の構造はまったく違います。一緒に働けば、すぐさまそういう違いに直面することになります。日本ではなかなかできない経験です。中国語を介して異文化コミュニケーションのスキルを向上させるきっかけになると思いますね。
日本人にとっての英語学習
上乃:英語学習に関する日中の違いについて、どう感じますか?
五味:中国には今、約2億3000万人の小中高生がいて、さらに大学生、社会人を加えると、約4億人が英語を学んでいるといるそうです。
中国人の英語に対する熱意は凄まじく、私の妻の友人で、北京中心部に住む主婦は、イギリス人を週に数回自宅に招き、中学生の娘に英語を教えてもらっているくらい。授業料は1時間1万円ほどとのことでした。大雑把ですが、日本人の100倍ぐらいの熱意はあるような実感がありますね。
かたや、日本の学校の英語教育に目を向けると、中途半端過ぎて、どこを目指しているのかよくわかっていないという印象が否めません。
受験用の一科目という位置づけのまま、「空欄にon、for、inのいずれかを当てはめなさい」なんていう学習をしていたら、もうダメでしょうね。しかも、入試が終わったら全部忘れてしまうという……。これは壮大な無駄ですよ。
受験のためだけに英語を学習することが本当に合理的なのか。ここを考え直していく必要があると思います。自分の競争相手は、クラスの同級生や、志望大学の入試を受ける受験生とかではなく、中国にいる4億人という意識を持たなくてはいけない時代になっている。
せっかく英語を勉強するなら、将来、海外に行って、自己主張の強い中国や韓国の人たちと英語でやり合っていく覚悟を持って勉強したほうがいい。
上乃:外国語を学び続けるためには、何が必要だと思いますか?
五味:この前、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が行われましたよね。日本代表チームには、アメリカ国籍のラーズ・ヌートバー選手がいました。
あのときにネットで話題になっていたのは、ヌートバー選手の話す英語を理解するのは日本人には難しすぎるということでした。とにかく早口で、くだけた話し言葉なので、日本で英語を勉強しているだけでは、とてもではないけど彼の英語を理解することはできないとのコメントが目立っていました。
でも、語学を勉強する究極の目的の1つは、ヌートバー選手のような人が何を言っているのかを通訳なしで理解したり、チャンスがあれば本人と会話を交わしてみたりするということにあると思うんですよね。いつか実際に現地の球場に足を運び、彼に直接話しかけて会話をしている自分を想像するだけで、楽しいじゃないですか。そうした野心≠持つことが、語学学習を継続するためのコツでしょうね。
英語と中国語、勝つのはどっち?
上乃:では最後に、英語と中国語のうち10年後に勝っているのは、どちらだと思いますか?
五味:私の本の読者も、その設問の答えを期待している人が多かったようです。で、肝心の答えですが、やはり英語です。この答えがひっくり返ることはまずないでしょう。
ただし、中国語の影響力がかなり英語に肉薄してくるのは間違いないと思います。
10年後には中近東やアフリカ、東南アジア、ヨーロッパの一部では、中国語がかなりメジャーな言葉として存在感を高め、中国語がかなり使われるようになってくるというのが私の予測です。これからも英語が一番で、どこに行っても使われているという状況は変わらない一方で、中国語が使われるエリアは増えていく。そうした構図が繰り広げられると考えられます。
上乃:今後しばらくは、米中の軍事的、経済的な対立がさらに先鋭化してくると考えられます。そうした状況の中で、日本や日本の人たちはどう立ち回ったらいいのでしょうか?
五味:私は、どちらか一方に付くのではなく、両方と仲良くしていくのが日本の生き残り策だと思っています。若い人にとって、どの言葉を学ぶのかの選択は、自分の将来に直接結びついている事柄でもありますよね。だったら、英語と中国語の両方を学べばいい。これら2つの言葉を覚えれば、確実に自分の強みにもなるでしょう。
私は長い間、中国語や韓国語、英語を継続的に学んできました。外国語ができるようになると、確実に世界は広がります。母語以外の言葉を学ぶことには、勝ち負けでは決して語り切れない貴重な価値があるんですよ。それを多くの人に認識してもらいたいですね。
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