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シリア アラブ連盟復帰の背景/出川展恒・nhk
2023年05月17日 (水)
出川 展恒 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/483373.html
内戦での市民弾圧をめぐって国際的に孤立してきたシリアのアサド政権。12年ぶりに、アラブ連盟への復帰が認められました。中東情勢担当の出川解説委員です。
Q1:
アラブ連盟がシリアの復帰を認めた背景は何でしょうか。
A1:
アラブの21か国とパレスチナ解放機構でつくるアラブ連盟は、シリアの内戦が始まった2011年、その参加資格を停止しました。アサド政権の弾圧で、大勢の市民が犠牲になったという理由です。今なお、反政府勢力への攻撃が続く中、復帰が認められた背景には、アサド政権の軍事的優位がもはや動かなくなったこと。および、アラブの大国であるサウジアラビアなどの意向が働いています。
Q2:
どういうことですか。
A2:
サウジアラビアは、脱石油の経済改革を進めていますが、外国からの投資や技術を呼び込むためには、この地域を安定させることが不可欠です。そこで、国交を断絶してきたイランとの関係正常化に踏み切り、続いて、イランやロシアの支援を受けるアサド政権との関係も正常化したのです。同盟国のアメリカが中東への関与を減らす中、近隣の国と敵対するのは得策ではないとの判断でしょう。ただし、アラブ連盟は、決して一枚岩ではありません。
Q3:
と言いますと、シリアの復帰に反対する国もあるのですか。
A3:
正面からの反対ではありませんが、カタールは、シリアの復帰を決めた外相会議を欠席し、アサド政権との二国間関係の正常化には否定的です。さらに、欧米各国は、いぜんとして、アサド政権の正当性を認めず、退陣を求めて、制裁を続けています。
Q4:
シリア情勢、今後、どこに注目しますか。
A4:
今週金曜日(19日)、サウジアラビアで開かれるアラブ連盟の首脳会議に、アサド大統領自身が出席するかどうかが、まず注目されます。また、シリアと国境を接し、反政府勢力側を支援してきたトルコも、関係改善に向けて動き始めています。しかしながら、内戦は終結する見通しが立たないうえ、アラブ諸国やトルコに逃れた700万人近くのシリア難民が祖国に戻れる日は、むしろ遠のくのではないかという指摘も出ています。人道危機の解決が何よりも優先されるべきだと思います。
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