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習近平はいつ“台湾侵攻”を決断するのか 元陸上自衛隊最高幹部が注目する「3つのポイント」 完全シミュレーション台湾侵攻戦争(1)前編/現代ビジネス
山下 裕貴 によるストーリー ? 49 分前
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%A4-%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E4%BE%B5%E6%94%BB-%E3%82%92%E6%B1%BA%E6%96%AD%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E5%85%83%E9%99%B8%E4%B8%8A%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%B9%B9%E9%83%A8%E3%81%8C%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%81%99%E3%82%8B-%EF%BC%93%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88-%E5%AE%8C%E5%85%A8%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E4%BE%B5%E6%94%BB%E6%88%A6%E4%BA%89-1-%E5%89%8D%E7%B7%A8/ar-AA1a1rmG?ocid=hpmsn&pc=EUPP_LCTE&cvid=8dd211a8eab24295bf6dccd68aab647b&ei=22
いま、日米の政府高官、および軍、自衛隊幹部の間で、ひそかに「台湾有事」を想定した机上演習が行われている。
中国はいつ台湾に侵攻するのか。なにがそのきっかけになるのか。攻撃の第一波はどのようなものか。上陸戦はどう展開するのか。米軍の参戦、そして日本はどのように巻き込まれていくのか。
そうした机上演習のコーディネーター、教官役を務める元陸将・山下氏が明かす想定されるもっとも現実的な「台湾有事」のシナリオ。その驚くべき結末とは――。(『完全シミュレーション台湾侵攻戦争』より)
2005年3月に制定された反国家分裂法では、「平和統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じて、国家の主権と領土保全を守ることができる」とし、武力行使が可能であることが明文化されている。つまり、平和的統一の可能性が完全に失われたと中国指導部が判断したときにこの条文が該当することになる。
台湾の動き以外にも、侵攻を決断する引き金となることはある。それは中国の内政面からの要請である。中国共産党は創建以来、未だ中国の完全統一を成し遂げていないが、香港を事実上統一し、残るは台湾だけとなった。
国内の経済状況が悪化して国民の不満が臨界点に達し、その矛先が共産党政権に向かう場合には、台湾への武力行使を決断する可能性がある。
そのときは「中華民族の偉大なる復興」が旗印となる。
習近平に対する個人崇拝
別の可能性もある。それは習近平に対する個人崇拝である。
北海道大学の城山英巳教授はその生い立ちに注目する。習近平の父・習仲勲元副総理は文化大革命で政治的迫害を受け16年間もの長きにわたって軟禁・投獄された。習近平少年も反動分子の子弟として、15歳のときに下放され農村で苦汁をなめた。
権し、その七光りで出世していくことになる。習近平は文化大革命を生き抜いたことを成功体験に転換している。彼が目指すのは格差のない社会=「共同富裕(文化大革命の目標の一つ)」であり、その先に見ているのは毛沢東の革命時代にみなぎっていた国民の熱狂である。
人民解放軍創設100年の節目で、人民解放軍の強軍化目標が完成する2027年頃、戦争遂行能力を最高度にして台湾に侵攻し、中国統一を成し遂げる。それによって国民を熱狂させて4期目の政権運営を担い、毛沢東を超える領袖として歴史に名を残す―これが習近平の筋書きではないか。
それ以前の段階でも、2024年の台湾総統選挙で独立志向の強い民進党候補が有利な情勢となれば、侵攻の口実となり得る。台湾の総統選挙は4年に1度で、アメリカ大統領選挙と同じ年にあたる。米大統領選の前後は権力の空白時期であり、強い政治決断ができないと中国側が判断すればチャンス到来となる。
「台湾海峡」という大障害
米国防総省の「中国軍事力報告2022」では、台湾海峡作戦を担当する部隊として、人民解放軍の東部戦区及び南部戦区を挙げている。増援部隊を含め、両戦区を合計すると約42万人の戦力が台湾正面に使用可能とされている。
一方の台湾軍は約9万人であり、地上戦力は中国軍が4.6倍となる。海上戦力は水上艦艇で見ると中国海軍73隻、台湾海軍26隻で2.8倍、航空戦力は戦闘機を見ると中国空軍700機、台湾空軍300機であり2.3倍となる。
一般に軍事的には、攻撃側は防御側の3倍以上の戦力が必要とされている。つまり、現状でも中国側は最低限の攻撃戦力はすでに保有している。
多くの日本人は、強大な中国の軍事力をもってすればすぐにでも台湾海峡を渡海し台湾に侵攻できると思っている。しかし、中国軍の前に台湾海峡が横たわり、陸続きのウクライナに侵攻したロシア軍の作戦とは明らかに違う。
海峡は狭い場所で約140キロ、潮の流れが速く、冬場には強風が吹き、濃い霧が発生して、夏場には多くの台風が通過する。中国軍の前に立ちふさがる自然の要害である。大艦船群が整斉と行動することを阻害し、侵攻時期を春先と秋口に限定する。
中国軍の海上輸送能力はどうか。
2022年現在、中国海軍はドック型輸送艦8隻、戦車揚陸艦30隻、ヘリコプター搭載強襲揚陸艦3隻等を保有しているが、これだけでは約2万人の同時輸送能力しかない。これを補うため民間貨物船を徴用し活用する。2025年ごろには強襲揚陸艦を12隻に増やすなど、艦艇を増強すると見られる。
中国は5206隻、1億6500万トン、香港は1532隻、9363万トンの船腹数(1000トン以上)を保有する(2017年時点)。軍用艦船で強襲上陸した部隊が主要港湾を確保した後に、貨物船に乗船した後続部隊を上陸させる。ただし、大規模な民間船の徴用は中国の物流システムに大きな影響を与え、国民生活に負担をかけることになる。
内陸侵攻にも障壁が
台湾本島への上陸にも多くの障害がある。台湾西部の海岸のうち上陸に適しているのは台北市、台南市正面と一部の台中市正面に限定される。
海岸からすぐに市街地が広がっており、上陸部隊が作戦展開するに十分な地積が確保できない。
内陸侵攻に移行しても、台湾を北部から南部に貫き、島を東西に分ける中央山脈の天険が最大の障害となる。3825メートルの秀姑巒山をはじめとした3000メートル級の高峰である。この地形障害が台湾東部地区への侵攻をきわめて困難にしている。
台湾軍は地形を巧みに利用して陣地を構築し、台湾海峡などの障害を最大限に生かすだろう。アウトレンジからのミサイル攻撃、機雷・地雷の敷設と対機甲火力の組織化、組織的な防御戦闘を侮ることはできない。加えて中国は、アメリカの介入と日本の存在を考えなければならない。
現状では台湾侵攻にはかなりのハードルがあり、作戦上は困難をきわめることになる。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻を見ても分かるとおり、権威主義国家では指導者がいったん決心すればいかなる困難や犠牲があっても作戦を実行する。そのことを忘れてはならない。
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