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ウクライナから台湾へ転進を図るアメリカだが、その台湾でもアメリカ離れの動き
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303230000/
2023.03.23 櫻井ジャーナル
台湾の総統を2008年5月から16年5月まで務めた馬英九が3月27日から4月7日にかけて学者や学生を率いて中国を訪問する。現総統の蔡英文は中国からの独立を実現するためにアメリカの属国になる道を選んだが、これは台湾の経済を破壊し、戦乱を招く行為。有権者に支持されていない。昨年11月に実施された地方選挙では蔡英文の民主進歩党が馬英九の国民党に大敗した。
アメリカのシステムは1970年代から金融が中心になり、国内の製造業は衰退、生産活動は低賃金国へ移動させた。アメリカの巨大資本は資源を支配、略奪するために海兵隊やCIAを利用してきたが、金融の仕組みも駆使している。ドルが基軸通貨として認められたことで、そうした支配システムが可能になったのだが、ドルが基軸通貨の地位から陥落しつつある。アメリカの支配システムがは崩壊し始めたということだ。
アメリカが軍事的にも弱体化していることが2008年8月の南オセチアによる戦闘とシリアでの戦争で明確になった。
南オセチアではイスラエルやアメリカの支援を受けたジョージアが奇襲攻撃したのだが、ロシア軍の反撃で惨敗。バラク・オバマが大統領に就任して3年目の2011年春、シリアはアメリカなどから軍事侵略を受けたが、バシャール・アル・アサド政権は倒れない。
そこでオバマ大統領は政府を好戦的な布陣に変更、2015年にアメリカ/NATO軍を直接介入させる動きを見せた。それに対し、シリア政府は2015年にロシアへ軍事介入を要請、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長が退任した直後の9月30日にロシア軍は軍事介入、アメリカなどが手先として使っていたジハード傭兵を敗走させている。その年の10月7日にはカスピ海からシリアのターゲットへ向けて巡航ミサイルのカリブル26機を11のターゲットに向けて発射、いずれも数メートルの精度で命中した。そうしたミサイルの存在を認識していなかったアメリカ軍を震撼させたとも言われている。
ドナルド・トランプは大統領に就任して間もない2017年4月、地中海に配備されていたアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスからトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したものの、約6割が無力化されている。ロシアの防空システムS-300やS-400だけでなくECM(電子対抗手段)で落とされたとも言われている。
翌年の4月にもトランプ政権は巡航ミサイルでシリアを攻撃する。この時はイギリスやフランスを巻き込み、100機以上のミサイルを発射したが、今度は7割が無力化されてしまった。前年には配備されていなかった短距離用防空システムのパーンツィリ-S1が効果的だったようである。
2014年2月にオバマ政権はウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行して政権転覆に成功しているが、これを切っ掛けにしてロシアと中国は戦略的な同盟関係を結び、世界がアメリカを見る目は厳しくなった。
こうしたことが影響したのか、中東で大きな変化が起こり始める。サウジアラビアがロシアへ接近、さらにイランとの関係修復に乗り出したのだ。
イラン側でメッセンジャーの役割を果たしていたのはイスラム革命防衛隊の「コッズ軍」を指揮していたガーセム・ソレイマーニー。この人物がサウジアラビアへの返書を携えてバグダッド国際空港に到着したところをアメリカ軍は2020年1月、無人機のMQ-9で暗殺している。イスラエルが協力していたともいう。
しかし、こうした暴力で流れを変えることはできなかった。今年3月10日に中国、サウジアラビア、イランは共同声明を発表、中国の仲介でサウジアラビアとイランが国交を正常化させ、それぞれ大使館を再開させることを明らかにした。サウジアラビア国王は自国にイラン大統領を招待している。
またシリアでの戦乱を終わらせるためにロシアはイランやトルコと協力して話し合いを進めていると伝えられているが、シリアはエジプトのほか、オマーンやアラブ首長国連邦といったペルシャ湾岸の産油国との関係を改善させている。こうした産油国の動きはサウジアラビアが承認いているはずだと考えられている。
サウジアラビアをはじめとする産油国のアメリカ離れはドル体制を揺るがす可能性が高い。
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