とは言え、個人的には 人類の人口は10億でも多すぎるから 世界全体が日本化(アジア化)して、もっと人口が減っていくことが 望ましいとは思うが アフリカや中東などに限らず愚かな紛争国が多いから無理だろう https://www.ted.com/talks/bill_gates_we_can_make_covid_19_the_last_pandemic?language=ja
00:01 西暦6年に ローマを大火が襲いました それに対し皇帝アウグストゥスは ローマの歴史上かつて なかったことをしました 専業の消防士の組織を 作ったのです このようなバケツを 使っていました 個人の力では火事に対処できず コミュニティの助けがいることを アウグストゥスは理解していました 誰かの家が火事になれば 他のみんなの家にも 危険が及びます 00:38 私たちがこの2年間に経験したのは 世界規模の火災のようなものです 新型コロナの流行で何百万という人が命を落とし 経済が大打撃を受けました このようなことは二度と 起きてほしくありません 新型コロナの酷さは 誇張し難いほどです 貧者と富者の間で 医療の不平等が拡大し 助かるかどうかが 収入や人種や 住んでいる場所で 変わりました これを機会に 誰もが健康で生産的な人生を 送れるような世界を作り 次のパンデミックを恐れずに 済むようにすべきでしょう 01:27 2015年に私はこの場で 我々にはパンデミックへの備えがなく 準備が必要だと 警鐘を鳴らしましたが 準備がなされることは ありませんでした 多くの人があのトークを 見ましたが 9割の人が見たのは 手遅れになってからです 01:47 (笑) 01:50 今や必要なことが 明確になったことを望みます 私たちは多くのことを学びました このパンデミックの間に 上手くいったこと・いかなかったことが たくさんあり 予防システムを作るのに 必要な知見が得られました 02:08 適切な手を打てば 新型コロナを 最後のパンデミックにできるかもしれません それには何が必要なのか? ローマの人たちが何をしたか 思い出しましょう 私たちが大火災の予防をどれほど 上手くできるようになったか考えてください 防火対策は広く浸透しており 十分な投資がなされ よく理解されています 今 火災警報が鳴ったなら 落ち着いて集まって 外に向い 指示を待てばいいと みんな分かっています 訓練された消防士が たくさんいて 駆けつけてくれることを 知っています 専業の消防士がアメリカだけでも 37万人います 思っていた以上に 大きな数字です 防火用水もあります アメリカには消火栓が 9百万近くあります そのような投資や 訓練やシステムが パンデミックの予防にも 必要なのです 03:16 パンデミックは映画にも よく出てきますが そこでの対応には いつも感心します この緊急対応の例を 見てみましょう 03:26 [ザイール モターバ川渓谷] 03:28 (ヘリコプターのローター音) 03:42 素晴らしいですね BGMはいいとして それ以外はまさに 我々が必要とするものです アウトブレイクが検知されると 迅速に 数日もせず 医師が手配され 発生地に行くための ヘリコプターがあり 適切な装備を持って 現地入りします 04:03 これはまさに アウトブレイク発見時に なされるべきことですが 私たちには このようなチームも リソースもありません アウトブレイクが低所得国で 起きた場合には そういうリソースを揃えるのに 何ヶ月もかかりかねません 04:22 映画ではよく目にする にもかかわらず 疫病の蔓延防止のためスタンバイしている 専門家チームというのは存在せず 新たに作る必要があります これをGERMチームと 私は呼んでいます GERMは「世界的感染症緊急対策」の略です パンデミック防止を 目的とした 専業のチームで 様々な分野の専門家で 構成されます 疫学者 データ科学者 ロジスティクスのプロ 科学や医学の知識だけでなく コミュニケーションや 外交のスキルも必要です そのためのコストは 小さくありません このチームの3千人の スタッフを支えるためには 年間10億ドル以上 必要になるでしょう その使命はパンデミックになる前に アウトブレイクを止めることです WHOが仕事の調整を行い 世界の様々な場所の 公衆衛生機関に駐在し その国のチームと 密に連携します 低所得国には より多くの支援が 必要になるでしょう 例えばGERM所属の疫学者が アブジャのアフリカ疾病予防管理センターから 仕事をするという具合です 重要なのは 消防士同様に GERMチームにも訓練が 必要だということです 緊急対応が可能で 必要なものが全て揃っていて 迅速に行動できるためには 練習が鍵になります そうやってみんな 何をすべきか分かるようにするのです 06:09 危険なアウトブレイクがない時は 他の感染症への対応を通じて スキルを磨くというのもいいですが それは二次的なことです また各国と協力して 医療システムを強化します 医療システムが最前線になります 例えば多くの人が新種の咳を 患っているという時には GERMが確認する 必要があります それはアウトブレイクか 新たな病原体か 塩基配列はどうなっているか 最初の100日が重要です ウイルスは加速度的に 広がっていきます 感染率がごく低い段階で 対応すれば 広がるのを抑えられます 07:02 新型コロナで最初の100日内に 止めることができていたなら 亡くなった人の98%以上を 救えたのです 上手くできた国もあります 例えばオーストラリアです 診断できる場所を確保し ソーシャルディスタンスや 検疫の方針を立て 人口あたりの死亡率が 他の国の10分の1 以下になっています しかし世界全体としては 封じ込めることができず 次回はもっと上手く やる必要があります 07:38 新型コロナが起きた時の私たちは 消火バケツや消防士を揃える前の ローマみたいなもので 必要な人員やシステムや道具が ありませんでした 適切な投資をすることで 全く新しいツール より良い診断 治療法 ワクチンを手にできます 診断に関しての良い例は この小さな装置で ルミラと言います 世界中で備えておき 様々な種類の病気の診断が行えます PCRと同じ精度の検査を 10分の1 のコストで 簡単にできて どこででも使えます その他の研究開発投資も必要で なかでも私が素晴らしいと 思うのは 吸入することで感染を防げる薬 というアイデアです 病原体の種類に関係なく 免疫系を働かせることで 体を守ります 診断ツールや 感染予防ツールなど 汎用的なツールが 重要なのは あらかじめ数を用意して おけるからです ワクチンは必要ですが 世界的にワクチンの展開を しなければならなくなる前に アウトブレイクを止めたいと 思っています ワクチンも役割を果たしますが 主要な役割ではありません それ以上のものを 開発する必要があります 08:56 ワクチンは今回の流行において 奇跡のようなものでした 何百万もの命を救いましたが まだまだ改善できます 腕に貼り付けたり 吸入したりするだけで効く 使いやすいワクチンを 作る必要があります 感染を確実に防ぐ ワクチンが必要です 今回はワクチン接種後の感染が 多数ありました 出現する変異株の多くに 広く効くワクチンが必要です 今回はそのようなものが ありませんでした 世界中の人に行き渡るワクチンを 半年以内に製造し 公平性を確保できるよう スタンバイしている 工場が必要です 一連のウイルスをまとめて根絶できる ワクチンができれば 大変有用です 革新的なワクチンを 適切に使えば インフルエンザやコロナウイルスを なくせるでしょう パンデミックにならない年でも これらの病気は 大きな負担になるし なくすことができれば パンデミックになることもありません 09:59 3つの領域への投資について お話ししました 病気の監視をするGERM 優れたツールの研究開発 そして最もコストがかかるであろう 医療システムの改善 安くはありませんが 命を救うものであり 長期的には節約になります 保険のようなものです 10:23 次のパンデミックを予防するのにかかるコストは 数百億ドルになるでしょうが 比較して考えてみてください IMFの概算では 新型コロナのコストは 14兆ドル近くになります 兆単位のお金を節約するために 数十億必要だということです これの良いところは アウトブレイクがなかったとしても ルミラや新型のワクチンの ようなものへの投資によって 人々がより健康になり 豊かな国・貧しい国の間の 大きな医療格差を 縮められるということです 例えば HIV患者を早く見つけ より良い治療ができます マラリアで死ぬ人を減らせます より多くの人が質の高い医療を 受けられるようになります だからこれは悪化をいかに食い止めるかという 暗いだけの話ではなく 世界をより良くできる 機会でもあるのです 11:26 正しく進めていくなら 新型コロナを最後の パンデミックにし 全ての人のための より健やかで 公平な世界を作れるでしょう 11:38 ありがとうございました 11:40 (拍手) (ヘレン・ウォルターズ) どうも ありがとうございました いくつか質問があります ひとつはGERMの現状についてです 十億ドルかかり WHOを通して行われる ということでしたが 誰が運営し どう機能し どう実現するのでしょう? 12:09 (ビル・ゲイツ) GERMは実在しません これは私が進めている提案であり パンデミックの痛みが まだ残っているうちに この1年くらいで世界的な合意が 得られればと思っています 豊かな国々の政府が 国際援助をするときと同様に 率先して 資金を調達する必要があります 人員については WHOが管理し 最高のチームを揃えます それをどう上手くやるのかについては 多くの議論がなされるでしょう 提案を進めて 1年くらいで合意が形成できればと 思っています 12:42 (ウォルターズ) 次に動くべきなのは 誰でしょう? 12:45 (ゲイツ) 豊かな国の政府です WHOで世界保健総会という 大きな年次会合があるので 誰かが決議案を出して リソースが割り当てられるか 見ることになります 第二次世界大戦の後には 多くのことがなされました 国連が作られ 戦争について多くの議論がなされました 今回のことでは これまでのところ 期待していたほどの 動きはなく 私がお話ししたものに近い形へと 進まないとしたら 大変残念です 13:20 (ウォルターズ) あなたは 攻撃されてきました 声の大きな反ワクチンの 人たちがいて 標的にされていますが どう対処されているんですか? 13:30 (ゲイツ) 奇妙な話です 13:33 (笑) 13:35 (拍手) 13:40 ゲイツ財団は ワクチンの開発に関わり 投資しています Gaviアライアンスなどと協力し 何千万という人々を救えたことを 誇りに思います だから ああいう言われようをするのは 皮肉なことです 私たちがワクチンで人を殺しているとか 金儲けしているとか パンデミックを起こしたのは 我々だとか 各個人の位置の追跡が目的 みたいな話まであります 私はみんなどこにいるか 知りたくて仕方ないんだと 14:10 (笑) 14:12 その情報でいったい何をするのか 分かりませんが 14:15 (笑) 14:18 こういう時には奇妙な人たちが 現れるものなのでしょうか パンデミックが落ち着いたら みんな理性的になることを望みます ワクチンは救いであり もっとできることがあるんだと 14:33 (ウォルターズ) 未来は今の私たちに かかっているのだと 14:36 お越しいただき ありがとうございました 14:38 (ゲイツ) こちらこそ 14:39
|