http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/250.html
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◆追い込まれるプーチン◆
ウクライナ戦争の鬩ぎ合いは、ロシア劣勢の流れとなっている。
プーチンとしては、東部2州とクリミアへの回廊となる南部2州を併合し、戦線を絞り言わば将棋の穴熊囲いの構えを取り、下記のような図式の持久戦で勝機を見出そうとしていた感があった。
【ウクライナ + NATO vs ロシア + 冬将軍】
だが、ロシアは併合したはずの地域まで複数で奪回されている。また上記で言う「冬将軍」には、食糧・エネルギー輸出を人質に取ってEU諸国の首根っこを掴み厭戦気分で停戦交渉に持ち込む事も含まれていたはずたが、天然ガスパイプライン「ノードストリーム1・2」の破裂によりそれもままならなくなった。
パイプライン破裂は、何やら第一次大戦時のUボートによる商船撃沈作戦も連想させ、ほぼ人為的破壊と見られているが、その実行者はロシア自身、米英、その他の名が挙げられており真相は藪の中となっている。
EUは果たして冬を越せるのかが懸念されるが、パイプラインは計4本中1本は辛うじて残った。9月末には、ノルウェーからデンマーク経由でポーランドへ北海ガスを輸送する「バルティック・パイプ外部サイトへの開通記念式典が行われた。また米国は液化天然ガスをエネルギーに瀕したドイツ等に供給するようである。
破壊はロシア自身によるギリギリの自作自演かも知れないが、だとすると背水の陣としてもかなり倒錯した世界ではある。
◆マスク氏の和平案◆
さて、そんな中、4日、実業家のイーロン・マスク氏がTwitterのアンケート機能を使い、下記のような和平案を提示した。
https://twitter.com/elonmusk/status/1576969255031296000?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1576969255031296000%7Ctwgr%5E235b5cd0fa1a4f444e0a45bd16e832b85b1fabc2%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fgigazine.net%2Fnews%2F20221004-elon-musk-twitter-ukraine-poll%2F
・国連の監視下で、併合地域の選挙をやり直す。ロシアは、それが民意であるならば、離脱する
・クリミアは1783年からニキータ・フルシチョフの過ち、つまりウクライナへのクリミア半島割譲まで正式にロシアの一部だった
・クリミアへの水の供給は保証される
・ウクライナは中立を保つ
これに対して、ウクライナ側は当然反発した一方、ロシア側は歓迎を示した。
この波紋が消える間もなく、マスク氏は今度はフィナンシャル・タイムズが7日に報じたインタビューで、台中問題について「合理的に受け入れ可能だが、おそらく誰もが喜ぶわけではない台湾の特別行政区を検討してはどうか」とし、「香港よりも寛大な取り決めがおそらくできると思う」と語った。
https://jp.reuters.com/article/china-taiwan-musk-idJPKBN2R3028
歴史的にも中国は台湾を支配した事が無い上に、香港での人権弾圧を見れば荒唐無稽な事に加えて危険な発言だが、自身のテスラ社が上海に工場を構え広大な中国市場も狙っている事を念頭に、中国へのビジネス上のリップサービスの要素も強いのだろう。
こう考えると、先のウクライナ和平案は、台湾特区案の単なる前振りに過ぎなかったのかも知れない。
だが、ウクライナ戦争は何らかの形で終結しなければならない事に変わりはない。さもなくば、核戦争、第三次世界大戦に発展しかねない。(参考拙稿:手負いの熊が核を放つ日https://agora-web.jp/archives/220524064619.html)
台中発言で大分軽くなったが、マスク氏の意図が何処にあるにせよ、何らかのウクライナ和平案は各国を巻き込んで早急に形成されるべきに違いはない。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
- (最終稿)ウクライナ戦争の行方:「冬将軍」とイーロン・マスクの和平案(アゴラ) 佐藤鴻全 2022/10/12 11:00:14
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