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ノルド・ストリーム破壊工作で誰が利益を得るか一目瞭然
2022年9月30日
Strategic Culture Foundation
論説
ロシアの天然資源と民間インフラ攻撃は奈落への新たな一歩だ。
今週ノルド・ストリームパイプラインを混乱させた爆発は偶然の暴噴で起きたのかもしれない。この海底パイプラインは今後何カ月も修理の遅れで機能しないか、ロシアに課された欧米の経済制裁のために稼働しない状態におかれている。
バルト海海底に敷設された1,222キロのインフラに加わる膨大な物理的圧力を考えれば、事故はいつ起きてもおかしくない状態だったかも知れないが、ノルド・ストリーム設備の通常運用に頑固に反対していたことからして、アメリカとNATO同盟諸国が咎められるべきなのかも知れない。
とは言え、ありそうな原因に意図的破壊工作がある。もしそうであれば民間インフラとロシア国益への重大な打撃となるテロ行為だ。それは犯罪的戦争行為と解釈可能だ。
ガスパイプライン破壊には前例もある。約40年前、元米空軍士官トーマス・リードが文書化したように、Farewell Dossier(お別れ文書)と呼ばれる作戦で、シベリアからヨーロッパまでのソ連天然ガスパイプライン爆破にCIAが関与したとされている。
二つのパイプライン、ノルド・ストリーム1と2に重大な損傷を起こしたほぼ同時の四回の爆発は、単なる事故に過ぎないという考え方を否定する。どうやらアメリカとNATO軍が他のヨーロッパ諸国とロシアの戦略的ガス幹線を破壊する軍事行動をしたようだ。
まず、アメリカのジョー・バイデン大統領本人が自分を有罪に追いやる発言をしている。2月、バイデンは、ロシア軍がウクライナを侵略したら、ノルド・ストリームを「終わらる」という不気味な警告で意志表示した。彼の謎めいた主張は、ヨーロッパ政府を超越して、ノルド・ストリームを破壊する緊急対策が既に承認されていたことを示唆している。そして、今週この極悪非道な行動が実行されたように思われる。
次に、ポーランド前外務大臣ラドスラフ・シコルスキーはロシア・インフラ破壊に対し早速アメリカに祝辞をのべた。その後、シコルスキーは自分の発言を隠す愚かな企みで感謝の言葉を削除した。現在欧州議会議員であるタカ派ポーランド政治家は、ワシントンにもNATO界隈にも有力なコネがある。国家テロと推定されるものを巡る彼の恥ずべき有頂天さは無意識の罪の告白と見なせる。
彼らの有罪を示唆するタイミングの問題もある。この大胆な事件は、これまでウクライナだった四地域で行われた歴史的な住民投票から目を逸らすのに好都合だった。共和国を宣言した二つのドンバス地域とザポロジエとヘルソンだ。今週何百万人もの人々がロシア連邦加入を圧倒的多数で票決した。国際監視団によれば、NATOが支援するキーウ政権による地域への砲撃継続にもかかわらず自由で公正な選挙で投票が行われた。欧米ニュース・メディアは、この住民投票は、ロシア軍が人々の頭に銃を突きつけて行われたと法外な主張をし現実を無視した。現実には、人々はNATO兵器の攻撃を受けながら投票したのだ。それにも拘わらず、2014年、クリミア半島の投票と同じように、結果はこれら地域が全員一致でロシアの主権地域になるのを支持したことを示している。
この画期的住民投票は、ロシアのウクライナに対する、いわれのない侵略という欧米のプロパガンダ主張を完全に粉砕する。この投票結果は、NATOが支援するナチ・キエフ軍によるウクライナ国内のロシア語話者住民テロから守るため、2月24日に特別軍事行動に着手したロシアのウラジーミル・プーチン大統領決定の正しさを証明する。
住民投票を中傷する欧米の試みにもかかわらず、今週の以前のウクライナにおける歴史的投票に、ワシントンとNATO同盟諸国が「悪いニュース物語」を期待していた疑いがある。ノルド・ストリーム・パイプライン爆発は、ロシアに有利な、ばつの悪い投票から目を散らす手頃な手段だった。
能力という問題もある。この夏早々、アメリカと他のNATO軍は、デンマークのボーンホルム島付近でバルト海での水中ドローン実験に関与した。スウェーデンのウプサラ大学国立地震学センターに記録された観測データによる速い連続四回の爆発と思われるものでノルド・ストリームパイプが損傷したのはまさにこの区域だった。
悪意ある行為にアメリカが関与していたと示唆するのは「非常識だ」とバイデン政権は言った。大笑いだ! この問題に関し、言葉通り受け取るのは極端な世間知らずだ。アメリカと軍には、このような悪意ある行為で長い悪評実績がある。
だから要するに、バイデンによる警告と、ポーランド人従者の承認、プラス手段と動機が存在しており、あらゆるものがこの爆発はテロ破壊行為であることを示している。
さらに、我々はこの出来事を、より大きな地政学的構図に置き、これが故意の破壊という犯罪行為だったことに一層説得力を持たせなければならない。ノルド・ストリーム・パイプライン・プロジェクトが10年以上前に始まって以来ずっと、アメリカと大西洋対岸ヨーロッパの代理人連中は、ロシアと他のヨーロッパ諸国間の相互に有益なエネルギー貿易の妨害に取りつかれていた。共和党か民主党かにかかわらず全てのアメリカ政権が、ロシアによる石油と天然ガス供給からヨーロッパを切り離すと誓っていた。一層高価なアメリカ炭化水素が、手頃な価格で、信頼性が高く、よりきれいなロシア燃料に取って代われるよう「資本主義自由市場」とされるものを不正操作する紛れもない実例だ。
この事実上の海賊行為を逃げきるため、アメリカはロシアに対する敵意を刺激し、冷戦地政学を呼び戻すためできる限りのことをしたのだ。ロシア「侵略」からヨーロッパを「守る」という見せかけの下、本当の狙いは、膨大な量の兵器同様、アメリカのエネルギーを輸出することだ。容赦ないロシア国境に向かうNATO拡大の中、ウクライナで戦争を引き起こして、望ましい敵意の雰囲気とゼロ・サム的分裂を醸成した。
予想通り、ヨーロッパとのロシアのエネルギー貿易が制裁と非難のやり合いで粉砕されたため、アメリカの液化天然ガス輸出は利益を急騰させて増えた。
ノルド・ストリーム・パイプライン爆破はヨーロッパ・ロシア関係への打撃が決して修復できないようにすべく意図されていたように思われる。
もしそれが実際国家テロ行為と確証されたら、ロシアが無視できない超えてはならない一線だ。アメリカとNATOに、キーウ政権を武装させる連中の侵略から手を引くようモスクワは繰り返し警告した。欧米列強は悲惨な核戦争に向かって無謀につき進んでいるとプーチンは警告した。ロシアの天然資源と民間インフラ攻撃は奈落への新たな一歩だ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2022/09/30/blatantly-obvious-who-gains-from-nord-stream-sabotage/
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