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アフリカにおけるアメリカの本当の狙いは覇権
2022年9月21日
初出The Cradle、著者ペペ・エスコバールの許可を得て公表
Saker
開発などどうでも良い。現在アフリカにおけるワシントンの主要な関心は中国とロシアを締め出すことだ。
合理的な環境で、第77回国連総会(UNGA)は南の発展途上国、特にアフリカの苦難軽減を論議する予定だ。
そうはなるまい。有名な帝国の災厄予言者連中が国連の「信頼性の危機」を批判し、ロシアが始めた「挑発されていない戦争」を厳しく批判する中、地政学ヘッドライトで照らされた鹿のよう身動きできなくなった国連事務総長アントニオ・グテーレスは憂うつな「世界的な不満の冬」に関し、つまらないことを述べた。
もちろん8年にわたるドンバスのロシア語話者住民の緩慢な大量虐殺は決して挑発として認められることはあるまい。
グテーレスは「経済が荒廃状態で、人権が踏み潰されている」アフガニスタンに関して話したが、あえて背景は説明しなかった。リビアでは「分裂が国を危険にさらし続けている」またしても背景説明はなし。「継続中中の緊張が継続中の安定性を脅かしている」イラクは言うまでもない。
アフリカには国連加盟国54の国がある。どんな本当に代表的な国連総会もアフリカ問題を最優先にするべきだ。またもや、そんなことはあり得ない。それでニューヨークの国連ビルの外での大いに必要な背景説明はアフリカ指導者に任される。
G20唯一のアフリカ加盟国として、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は最近アメリカに、ロシアを悪者にしたり、制裁を強いたりして、アフリカ大陸全体を「罰しない」よう促した。ワシントンによる「アフリカにおけるロシアの悪行対抗法」と呼ばれる法律の導入は「アフリカに害を与え、アフリカ大陸をのけ者にする」と彼は言う。
南アフリカは、ベルトウエーで忌み嫌われる概念であるBRICSのメンバーで、世界列強の間での非同盟政策を奉じている。1960年代の非同盟運動(NAM)の新興の21世紀版が南の発展途上国、特にアフリカで強くなっており、アメリカとその手先連中が強い嫌悪感を覚えている。
国連総会で、グテーレスはグローバル肥料危機に触れた。またしても背景説明なしで。ロシア外務省は繰り返し、2022年の終わりまでにモスクワは3000万トンの穀物と2000万トン以上の肥料を輸出する準備ができていると強調した。欧米では語られないのは、EUへの肥料輸入だけ「許される」のに対し、アフリカへの輸送はそうではないことだ。
ロシア肥料輸出に関してEU指導部に直接貨物支払いと出荷保険に影響を与える制裁を解除するよう説得しようとしたとグテーレスは言った。例えば、ロシアのウラルケムは無料でアフリカに肥料を供給しようとさえ申し出た。
それでもアメリカとEU諸属国の見地から、唯一重要なのはアフリカでロシアと中国に対処することだ。セネガルのマッキー・サル大統領はこの政策は「後味が悪い」ことに気付いた。
「我々はあなた方が、あなたのパイプラインを建設するのを禁止する」
それは一層酷くなる。極めて効率の悪いEU議会は今、曖昧な人権侵害、環境脅威を言い出して、プロジェクトから撤退するよう加盟国に「助言して」ウガンダからタンザニアまでの1,445kmの東アフリカ原油パイプライン(EACOP)建設を止めようと望んでいる。
ウガンダは60億バレル以上の石油が雇用ブームを維持し、最終的に国を中間所得の立場に引き上げるのを期待している。大いに必要な背景説明をしたのはウガンダ議会議長代理トーマス・タエブヤだった。
「ウガンダの石油プロジェクトが気候変化を悪化させると言うのは無分別だ。世界人口のたった10パーセントを占めるEUブロックがCO2排出の25パーセントを占めているのは事実で、世界の人口の20パーセントを占めるアフリカはCO2排出の3パーセントしか占めていない。EUと他の西側諸国は歴史的に気候変化に責任がある。誰が天然資源の開発を止めたり、ペースを落としたりすべきだろう? 確実にアフリカやウガンダではない。」
EU議会は、おまけに生物燃料ロビーの断固たる傀儡だ。実際国連食糧プログラムが「未曾有の規模の世界緊急事態」と記述したものに貢献する燃料生産用の食用作物の使用を止める法律改正を拒否した。少なくとも3億5000万人がアフリカ中で飢餓の瀬戸際だ。
その代わり、アフリカを「助ける」というG7の概念は、アメリカ率いる、より良い世界再建(B3W)で具体化される。ホワイトハウスによれば北京の意欲的な一帯一路構想(BRI)に対抗する「気候、健康と健康安全管理、デジタル技術、性的公平と平等」に焦点を合わせたワシントンの陳腐な試みだ。中国計画の核心であるインフラや持続可能な開発の実際的な問題を、B3Wは無視している。
セネガルとガーナを訪問したアメリカ代表団によって初めに、少数の「有望な」プロジェクトが特定された。セネガル外交筋が、以来これらプロジェクトがインフラ建設に全く無関係なことを確認した。
B3Wは予想通り立ち消えに終わった。結局、アメリカに率いられたプロジェクトは、2035年までに南の発展途上諸国に必要な40兆ドル以上に相当するインフラ縮小に対する取るに足りない効果で、中国を傷つける広報策略以上のほとんど何ものでもなかったのだ。
YALIで旅行だ
アフリカにおける帝国の構想は、アフリカ大陸のむき出しの軍国化である米軍アフリカ司令部(AFRICOM)以外では、ワシントン-ニューヨーク枢軸でオバマ時代の「最も革新的」政策と広く推奨されるた不思議な事例YALIの(若いアフリカ指導者構想)がある。
2010年に立ち上げられたYALIは彼らをアメリカ風に教育する(つまり洗脳する)婉曲表現「アフリカ指導体制の新世代を力づけること」と定義された。仕組みは単純だ。何百人もの若いアフリカの潜在的指導者に投資し「ビジネス、市民運動の指導部、企業家精神や公共企業経営」の短い、6週間の「訓練」のためアメリカ大学に連れて来るのだ。それから、ワシントンで4日オバマ「政権指導部」と会い写真撮影するのだ。
このプロジェクトはアフリカのアメリカ大使館が調整し、サハラ以南のアフリカ49カ国の若い男女を標的にした。スーダン、エリトリアやジンバブエのようなアメリカ制裁下の国々を含め、英語に達者な人々をアフリカに帰る「約束」で。初年の約80パーセントが一度もアメリカに行ったことがなく、50パーセント以上が大都市以外で成長していた。
それから、2013年、南アフリカでの演説で、オバマはワシントン・フェローシップ設立を発表し、後にマンデラ-ワシントン・フェローシップ(MWF)に改名した。
それは依然継続中だ。2022年、MWFはワシントンでの短期滞在前に、ほとんど40のアメリカ大学で「リーダー研修」を学ぶ700人の「傑出したサハラ以南アフリカの若い指導者」に認められている。その後、彼らは「アメリカとアフリカの間の長期関与」の準備が整うのだ。
そして文字通り微々たる金額で、MWFの全てが民主党支配体制によって費用対効果が良いと宣伝された。コカコーラ、IBM、マスターカード財団、マイクロソフト、インテル、マッキンゼー、GEやプロクター・アンド・ギャンブルや、参加するアメリカ大学に支払われ、一人当たり24,000ドルだ。
そしてそれはMWFでは終わらなかった。米国国際開発庁USAIDは一歩進んで、3800万ドル以上投資した。南アフリカ、ケニア、ガーナとセネガルで4つの地域指導者センタ(RLC)を設置するためのマスターカード財団から1000万ドル。これらは遠来のクラス内訓練で、年間少なくとも3,500人の「未来の指導者」だった。
ブルッキングス研究所が「アフリカの未来」に、アメリカがアフリカで「競合力を維持する」ために投資する話になると、それほど多くの「費用効果」によだれを垂らしたのは少しも不思議ではない。YALIは確実にAFRICOMより見栄えが良い。
だが少数のサクセスストーリーは、アフリカ人フットボール選手がヨーロッパで大評判を取り、国に戻って利益の大部分を再投資する絶えない流れに匹敵するようには思えない。トランプ時代YALI資金は縮小した。2017年の1900万ドルから約500万ドルに。
「訓練すべき」非常に多くの指導者たち
予想通り、ジョー・バイデンホワイトハウスはYALI-教育にすさまじい勢いで徹底的に取り組んだ。ナイジェリアのこのアメリカ報道官は「全国大統領選挙前の数カ月」を含め「偽情報の流布」に対処するのに必要な「メディアと情報リテラシー」に対する現在の強調を語っている。
それでアメリカは、YALIの下で「1,000人の若いナイジェリア人をオンラインで、メディアの誤報と偽情報の兆候を認識するよう訓練した」。そしてフォローアップ活動は「ヨベ、ボルノ、アダマワ、ザムファラとカツィナ州で(半分が女性)40人のジャーナリスト、コンテンツ・クリエーターや活動家に、誤報を特定し、調査し報告する方法を教え」「講師を訓練する」ワークショップだ。FBIから「不都合な」選挙結果を変える可能性がある事実を検閲するよう命じられているFacebookはカリキュラムの一部ではない。
YALIはAFRICOMのソフトなインスタグラムの顔だ。これまで20年にわたり、アメリカは秘密主義のAFRICOMの下で部隊を訓練し、いくつかのアフリカ政府打倒に参加してきた。AFRICOMの現地「パートナー」の軍事化に国防総省の真剣な監査はなかった。おそらく、シリアやリビアのように米軍は更に多くのテロリストを武装させている可能性がある。
そして予想通り、それは全く超党的だ。元トランプ・国家安全保障担当補佐官で狂ったネオコンのジョン・ボルトンは、2018年12月、ヘリテージ財団で、それを極めて明確にした。アメリカのアフリカ支援は民主主義や持続可能な発展と無関係だ。全てロシアと中国への対応が狙いだ。
石油に富んだ赤道ギニアに海軍基地を作ることを北京が考えていると知った時、バイデン・ホワイトハウスは政府にやめるよう説得するため首都マラボに全権大使を送った。無駄だった。
対照的に、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は世界的食料品価格と肥料ドラマがロシアに対する欧米制裁の直接の結果だと広く理解された最近のアフリカ大規模歴訪でスーパースターのように歓迎された。「一度も我々を傷つけたことがない人々にどのように反対できるだろう?」とウガンダ大統領ヨウェリ・ムセベニムが単刀直入に述べた。
12月13日-15日、ホワイトハウスは民主主義と人権に関しいつも繰り返される講義とともに主に食品安全管理と気候変化を論じるためワシントンで本格的なアメリカ-アフリカ指導者サミットを計画している。大半の指導者は「アフリカに対するアメリカの永続的約束」のこの新しい展示に感銘を受けるまい。まあ常にYALIはある。洗脳すべき実に多くの若い指導者がいるが、時間は足りない。
記事原文のurl:https://thesaker.is/the-real-us-agenda-in-africa-is-hegemony/
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