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軍事侵攻から半年 支援の寄付は当初の1%以下に 関心低下か/nhk
2022年8月24日 6時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220824/k10013784591000.html
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから半年となる中、現地の支援に当たっているNGOに寄せられた寄付の件数は、当初の1%以下にまで落ち込んでいることが分かりました。
NGOは日本での関心が低下しているおそれがあるとしたうえで、現地では今も日用品や医療品などが不足し、継続的な支援が必要だと訴えています。
自然災害や紛争などの被害にあった人を支援している、国際NGOの「アドラ・ジャパン」は、軍事侵攻が始まった2月24日の翌日から募金を受け付け、ウクライナの人たちに生活必需品を送るなどの支援を続けています。
3月には募金やチャリティーグッズの販売などを通じて19万5000件余り、金額にしておよそ4億8000万円の寄付が集まり、4月から6月にかけても月に1500件から4700件ほどの寄付が寄せられたということです。
しかし、先月は870件、今月もこれまでに880件余りと、3月の1%以下にまで落ち込み、NGOは侵攻が長期化する中、日本での関心が低下しているおそれがあるとしています。
一方で現地では今も日用品や医療品などが不足し、今後は冬に備えて衣服なども必要になるため継続的な支援が必要だと訴えています。
「アドラ・ジャパン」の杉本亜季さんは「1人ができることは小さくても、集まれば大きな支援につながるので、関心を持ち続けてもらい、できる範囲で行動を起こしてほしい」と話しています。
ウクライナから日本へ避難 1775人
出入国在留管理庁によりますと、ウクライナから日本に避難した人は今月21日時点で1775人となっています。
内訳は、
▽ことし4月に政府専用機で避難してきた人が20人、
▽政府が座席を借り上げた民間の航空機で避難してきた人が173人、
▽そのほかの手段で避難してきた人が1582人です。
性別は男性が451人、女性が1324人となっています。
年代別では、▽18歳未満が382人、▽18歳以上、60歳以下が1165人、▽61歳以上が228人です。
入国日を月別にみると、
▽3月が351人、▽4月が471人と最も多く、
その後は減少傾向が続き、
▽5月は332人、▽6月は282人、▽7月は224人、▽今月は21日までに115人となっています。
入国した人のうち、少なくとも65人がすでに日本から出国しているということです。
受け入れ先決まらずホテル滞在続ける人も
避難してきた人のうち、日本に親族や知人などの受け入れ先がない人については、政府が一時滞在先のホテルを確保して生活支援を行っていますが、条件面などから長期間受け入れ先が決まらないケースもあり、今月21日の時点で108人がホテルに滞在しています。
「特定活動」に変更
また、政府は避難してきた人たちに90日間の短期滞在を認める在留資格を付与し、本人が希望すれば、就労が可能で1年間滞在できる「特定活動」の在留資格に変更することができます。
この在留資格に変更すると、住民登録をして国民健康保険に加入したり銀行口座を開設したりすることができ、今月21日までに1474人が「特定活動」に変更したということです。
就職した人は
一方、厚生労働省によりますと6月1日時点で避難してきた人から68件の職業相談があり、16人が就職したということです。
厚生労働省はウクライナ語での就労セミナーを開くなどの支援を行うことにしています。
支援を担当する出入国在留管理庁出入国管理課は「避難が長期化し、今後さらに就労や日本語教育などの支援が必要となる。避難民との連絡手段を確保し、必要な支援策の情報を多くの人に届けられるようにしたい」と話しています。
就労や健康に関する相談が増加
ウクライナから避難してきた人を支援するために東京都が設けている窓口には就労や健康に関する相談が増えています。
東京都はウクライナから避難してきた人を支援するための相談窓口をことし3月から設置していて、22日までに1238件の相談が寄せられたということです。
当初は住まいや在留資格についての問い合わせが多かったものの、最近では、就職先や、長引く避難生活で持病が悪化したり、精神的に不安定になったりするなど健康に関する相談が増えているということです。
また、避難してきた人を受け入れる都営住宅にはおとといの時点で134世帯232人が入居していて、都などは先月から個別に悩みごとがないか聞き取りを行っています。
相談を受け付けている「東京都つながり創生財団」は「避難生活は長期化しているので少しでも困ったことがあれば遠慮なく相談してほしい。また、近所や知人に避難して困っている人がいる場合もぜひ窓口を利用して支援につなげてほしい」と呼びかけています。
相談窓口の電話番号は03‐6258‐1227で、受付は平日の午前10時から午後4時まで、日本語のほかウクライナ語とロシア語、英語などで対応しています。
日本企業の支援広がる 課題はどこまで続けていけるか
企業の間では、ウクライナから日本に避難した人たちの生活を支援する動きが広がっています。
「ドン・キホーテ」などを運営するディスカウントストア大手の「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」は、今月3日までにウクライナから避難した人100世帯を受け入れ、住居のほか生活物資などを提供しています。
このうち就業を希望する人にはグループ内の企業で働く機会も提供し、これまでに23人が実際に働いているということで、今後も行政などと連携して支援を検討していくとしています。
賃貸アパートの管理などを行う「APAMAN」はグループで管理している空き室を無償で提供していて、先月末までに、全国で73人に合わせて45部屋を提供しました。
また、アパートの建築や賃貸管理などを行う「レオパレス21」は、自社で管理している家具や家電を備えた空き室を提供しているほか、物流大手の「セイノーホールディングス」も社宅の空き部屋のほか、荷詰め作業などの仕事の場を提供しています。
出入国在留管理庁によりますと、ウクライナから避難した人に対する企業からの支援の申し出は、今月19日の時点で780件寄せられているということです。
一方で、軍事侵攻が長期化する中、こうした支援をどこまで続けていけるかが今後の課題となっています。
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