http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/150.html
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8月2日に米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。これについて以下に若干の分析を試みたい。
●ペロシ訪台は、米国が台湾の民主主義を支持する表明にはなった。
●だが、中国のリアクションを招き、海・空域及びミサイル発射等の軍事演習は海上封鎖のシミュレーションとなり、その実行意思の顕在化を招いた。
●訪台後の8月10日、ペロシはバランスを取るためか何らかの脅迫をされたのかは不明だが、中国を「強力な民主主義」「世界で最も自由な社会のひとつ」と動画の一部で発言した(これは台湾を中国と言い間違えたのではとも擁護されているが、訂正しておらず現時点では真相は不明だ)。何れにしても、結局訪台は中国の台湾進攻や海上封鎖等の可能性を却って高めた。
https://twitter.com/i/status/1557026658527346689
●これを抜きにしても、ペロシ訪台とそれを黙認したバイデン政権には、具体的な戦略は無く、ペロシのレガシー作りと自身との中間選挙対策であったと推察される。
●実際に台湾進攻等があれば、バイデン政権はウクライナ型の代理戦争をするか、何もしないかのどちらかだろう。
●米国はウクライナでロシアとの核戦争を避けるため直接参戦を留保しているが、ウクライナより核戦争に繋がる可能性が高い台湾で直接参戦する事はまず考えられない。
●ウクライナ型の代理戦争なら、当然ながら軍産複合体にとってウェルカムである。
●日本は台湾への武器弾薬物資供給の拠点になるのみならず、存立危機事態として直接参戦を強いられる可能性が高い。
●中国は、尖閣諸島等日本の領土を台湾進攻等に前後して取りに来る可能性もある。
●代理戦争といえども、ウクライナ、台湾で2正面作戦を戦う事は無理があり、米国が勝ち抜ける可能性は微塵もないだろう。
●中露疑似同盟を強化させた時点で米国は負けており、戦略無き挑発は単なる火遊びに過ぎない。米国は覇権を失うだろう。
●最大の人類に対する脅威である中共政権に対しシームレスな包囲網を築き、戦わずしてその牙を抜く事が上策であり、米国を中心とした大戦略でなければならない。
●そのためには、恐らくは少なくとも共和党政権実現を待たねばならないだろう。
さて、こうした状況に対し日本が直接に影響を与え動かせる余地には限りがある。
先ず日本がすべきは、危機対応体制にシフトする事である。防衛力倍増、核武装又は核レンタルの具体化、食糧安保(自給率倍増等)、原発再稼働、最新式小型原発の建設、因果関係不明なCO2地球温暖化説への過度な対応の停止、地熱発電等エネルギー開発による電力自給率増加、民間医療機関の再編公立化等による即応体制構築等々。
また、これらを推進する事によって、相対的にも絶対的にも国力が増す事は国土の価値が上昇し経済安全保障にも資するだろう。進んではバーゲニングパワーにより外交発言力強化にも繋がり、国際情勢を動かせる範囲が広がる。
日本には、国際的大義を伴う長期的国益の追求を通し、混沌とした世界情勢に方向性を与え、新しい世界秩序をデザインし形にする義務の一端がある。
佐藤戦略総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
- (最終稿)台湾での米中代理戦争:戦略無き米国の覇権喪失と日本の義務 佐藤鴻全 2022/8/23 15:51:40
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