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「オミクロン系ワクチン」は急いで打つ必要なし 11月以降の接種で感染予防にもなる どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/312282
2022/10/04 日刊ゲンダイ
重症化防止だけでなく感染予防も(C)共同通信社
オミクロン株ワクチンの接種が始まった。患者さんから「どうすればいいでしょうか」と聞かれることが増えた。
私は「複数回の接種を終えているのであれば、急いで打つ必要はない」と答えることにしている。それは、どうせ打つなら、重症化だけでなく、感染も予防したいからだ。
コロナワクチンは、重症化予防効果こそ、長期間維持されるが、感染予防効果は数カ月でなくなる。4月13日にイスラエルの研究チームが、「ニューイングランド医学誌」に発表した研究によれば、60歳以上の高齢者に4回接種を行ったところ、3回接種と比べ、接種後1カ月間の入院は68%、死亡は74%減少したが、感染は45%しか減らず、接種後2カ月までに、その効果は10%まで低下した。複数の研究グループから同様の研究成果が発表されており、オミクロン株ワクチンも状況は大差ないだろう。
コロナ流行には季節性がある。一昨年は11月から流行が本格化し、ピークは1月11日、昨年は年末から感染が増え、ピークは2月9日だった。今冬も同じ頃にはやるだろう。11月以降に打てば、重症化だけでなく、感染も予防できそうだ。
BA.4/BA.5対応ワクチンは?
ではBA.4/BA.5対応ワクチンが国内に入荷されるまで待つべきだろうか。私は、その必要はないと考えている。
確かに、最新のBA.4/BA.5対応ワクチンを打った方が抗体価は上昇する。7月11日のモデルナ社の発表によれば、BA.4/BA.5対応ワクチンによる抗体価の上昇は、BA.1/BA.2対応ワクチンの1.8倍だった。ただ、この差が、複数回のワクチン接種を終えた人に対して、臨床的に意義があるか不明だ。
「ネイチャー」誌は9月1日公開の記事で、ニューサウスウェールズ大学のクロマー教授らの1000人にBA.4/BA.5対応ワクチンを接種すると、従来型ワクチンと比べて8人の入院を減らすという推計を紹介し、公衆衛生学的には「わずかな利点でも、その普及を正当化するには十分かもしれない」が、個人レベルでは「多少はまし」な程度と評している。
それでも、BA.4/BA.5対応ワクチンに期待したい人もいるだろうが、後述する理由で、固執することはおすすめしない。
ファイザーとモデルナのBA.4/BA.5対応ワクチンは、9月1日に米国で承認されたばかりだ。両社は米国への供給を優先し、その代わり、在庫となるBA.1/BA.2対応のワクチンを全世界に輸出する。岸田総理が、オミクロン株対応ワクチンは「10月末までに対象者全員分が輸入される見込み」と説明しているのは、このような背景があるためだ。現状では、希望者全員分のBA.4/BA.5対応ワクチンが日本に入ってくるとは思えない。
以上がオミクロン株ワクチンの現状だ。皆さんが接種を考える際の参考になれば幸いである。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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