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尾身会長また誤り繰り返す…新型コロナ「第7波」による“医療崩壊”の責任 どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/309789
2022/08/16 日刊ゲンダイ
人災といっていい(政府対策分科会の尾身茂会長)/(C)共同通信社
8月4日、厚労省は新型コロナに感染しても軽症なら医療機関の受診を控えるよう呼びかけた。
なぜ、こんなことになるのか。オミクロン株は重症化しにくく、昨年のように、重症患者が巷にあふれているわけではない。
問題は、院内感染が多発していることだ。8月初旬、東大病院では200人の職員が欠勤し、1157床の病床の3割が稼働できなかった。都内のコロナ診療基幹病院に勤務する医師は、「院内で100人近くが自宅待機。定時手術は全て延期、救急受け入れもほぼお断りです」と言う。
8月5日、コロナに感染した都内在住の80歳代の男性が、救急車の受け入れ先が見つからず、死亡した。当時、病床使用率は57.5%だった。院内感染が多発し、どこも受け入れる余裕がなかったのだ。
なぜ、こんなことになったのか。それは、厚労省がワクチンの4回目接種を高齢者に限定し、医師・看護師らを接種対象から外したからだ。
4回目接種が感染予防に有効なことは公知だ。4月13日、イスラエルの研究チームは、60歳以上の高齢者に対して、4回目接種を行ったところ、3回接種と比べ、感染リスクが45%低下していたと米「ニューイングランド医学誌」に報告している。その後、カナダのオンタリオ州の公衆衛生局の研究チームからも同様の研究が「英国医師会誌」に報告されている。
4回目接種にも問題はある。それは感染予防効果が数カ月間しかもたないことだ。接種するなら、流行の直前がいい。8月2日、イスラエルの研究チームは、1月のオミクロン株の流行時期に、医療従事者に4回目接種を行うことで、感染のリスクを65%低下させたと米「JAMAネットワークオープン」に報告した。
コロナの流行性には季節性がある。昨年、一昨年と6月から感染者が増加し、8月にピークとなった。今夏も同じ経過をたどった。流行が予測できるのだから、その時期に合わせて医師や看護師にワクチンを打てばいい。幸い、ワクチンが余り、大量に廃棄している。
ところが、厚労省は医師や看護師への4回目接種をかたくなに拒んだ。医師で、全国市長会会長を務める立谷秀清相馬市長は、「繰り返し厚労省に要請したが、エビデンスがないの一点張りだった」という。今となっては、どちらの主張が正しかったかは言うまでもない。
残念なことに、この時、専門家は厚労省を支持した。3月9日、尾身氏は衆院厚労委員会で、イスラエルやチリで4回目接種が導入されていることを紹介し、「情報を集め、検討するということが大事」と発言し、7月14日の記者会見では「(政府の4回目接種対象拡大を)正しい判断」と評価している。これが、今夏の医療崩壊の真相だ。
我が国のコロナ対策が迷走するのは、厚労省と周囲の専門家が誤りを繰り返してきたからだ。人災といっていい。人事を一新する必要がある。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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