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学生がコロナ感染で機会損失の被害 この国は若者に冷たい どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/309121
2022/08/02 日刊ゲンダイ
若者のワクチン未接種には落とし穴が…(東京・渋谷スクランブル交差点=29日)/(C)日刊ゲンダイ
コロナ対策で、議論すべき重要な問題がある。若年者の機会損失への対応だ。
なぜ、この問題が重要なのか。それは、感染の主体が若年者だからだ。東京都によれば、7月24日、2万8112人の感染が確認されたが、このうち1万6507人(59%)は30歳代以下だった。若年者で感染が拡大するのは、この世代がワクチンを打っていないからだ。7月25日現在、3回目接種を終えた割合は20歳代が47%、12〜19歳が33%だ。若者がワクチンを打たないのは、感染しても重症化しないからだが、これには落とし穴がある。
「コロナにかかったため留年になりました」
医療ガバナンス研究所に出入りする東京大学の学生が言う。同大学は、今年度の前期試験から、コロナ感染者に対する追試を廃止している。その理由は、保健所機能が圧迫され「実質的に学生からの申し出のみによる審査・決定となり、審査の信頼性が担保できない状況となった」からだという。
この対応はむちゃくちゃだ。それは、コロナにかかれば、たとえ軽症・無症状であっても、自宅待機が求められるからだ。これは感染症法に基づく法的措置で、その目的は感染を拡大させないための防疫だ。国家の防疫のために、国民に犠牲を強いるのだから、国家は機会損失の被害を被った人を救済する義務がある。
もちろん、政府も、このことは認識している。文科省は、「学生一人一人の立場に立って、きめ細かな対応」「不安の中にある学生に寄り添った対応」を求める通知を出しているが、説得力がない。
それは、文科省自体がそのような対応をしていないからだ。例えば、教育職員免許法に基づいて文科省が実施する教員資格認定試験の令和4年度の受験要項には、コロナ感染を示唆する症状、および濃厚接触者、自宅待機者を挙げ、「以下に該当する場合は、受験を見合わせてください。これらを理由とした欠席者向けの再試験は実施しません」と記されている。
この状況は厚労省も変わらない。同省は医師国家試験など22の国家資格試験を実施しているが、入院中、宿泊または自宅療養中、一部の濃厚接触者の受験は認めず、再試験も実施していない。厚労省は、その理由として、「短期間で追試の問題を作成するのは困難だ。(中略)従来から心身の不調を理由とした追試は実施していない」と説明している。コロナと「心身の不調」を一緒に議論していることには呆れざるを得ない。
この問題の解決法の一つが、コロナを感染症法の2類相当から5類にすることだ。過度な規制は不要になる。ところが、松野官房長官は7月13日の記者会見で「(5類への変更を)現実的でない」と発言した。今夏も若年世代の苦境は続きそうだ。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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