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「『手を洗う救急医Taka』フォロワー14万 コロナやHPVワクチンで発信を続けるブレない使命感とは」
(林菜穂子 AERA.dot 2022/4/28)
https://dot.asahi.com/dot/2022042500054.html
新型コロナウイルスワクチンやHPVワクチンについて、熱心に情報発信をするのが、"手を洗う救急医Taka"こと木下喬弘医師だ。救急医から公衆衛生学の専門家というユニークな経歴を持つ彼が、SNSなどを使い、声を届け続ける使命感とは。発売中の週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる2022』で話を聞いた(内容は取材時のものです)。
【データ】発熱、頭痛だけじゃない!ワクチン接種後に確認された副反応と割合はこちら
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木下喬弘医師がツイッターによる情報発信を本格的に始めたのは、2019年1月のこと。その後、20年に世間を混乱に陥れた新型コロナウイルスについて、わかりやすい感染対策をつぶやき続けたところ、みるみるうちに注目され、現在では約14万人のフォロワーを持つに至った。
「えたいが知れないウイルスへの恐怖心から、当時のSNSはパニックに近い状態。不安をあおるような間違った情報もあふれていました。医師が発信する確かな情報が求められていたのだと思います」
21年には新型コロナウイルスワクチン関連の情報を発信するプロジェクト「こびナビ」を立ち上げ、医療従事者の仲間たちとともに、意欲的な活動を続けている。
わずか数年で、SNS上での存在感を得た木下医師。
「ツイッターの魅力は、多くの人にタイミングよく発信できること。内容によっては閲覧数が数百万になることもあって、非常に強力なツールだと実感しています」と話し、「今では息をするようにツイートしています」と笑うが、始めたころはトライアンドエラーを繰り返したと振り返る。
「医師同士の意見交換ではなく一般の人に医療情報を届けるわけですから、正確さはもちろんのこと、わかりやすく興味を持たれるように書くことが大切です。最初のころはこれが難しくて『きちんと理解されていないな』と感じることも多々ありました。そこで、フォロワーが多い方のツイートを見て研究しました。今では文章の書き方が格段にうまくなったと思います」
■ HPVワクチンの普及啓発〜人の命を救うという使命感に駆られて
ツイッターなどのSNSツールには、その発信力の大きさゆえのマイナス面もある。アンチコメントや誹謗中傷はつきもので、木下医師もこれまでに何度も炎上を経験した。
「僕はよく人からメンタルが強いねと言われるのですが、悪意を込めた『口撃』は気にしないようにしています。ただ、アンチコメントの中には時にもっともな指摘も混ざっているので、それはしっかりと受け止めて、今後に生かしたいと考えています」
新型コロナウイルス関連のツイートで一躍有名になった木下医師だが、そもそもツイッターを使って発信したかったのは、HPVワクチンの普及啓発だったという。HPVワクチンとは、子宮頸がんなどを予防する効果があるワクチン。諸外国の接種率は6〜7割だが、日本の接種率は1%以下にとどまっている。
「13年に副反応が大きく報道されたことで、厚生労働省が積極的な接種の呼びかけを中止し、接種率がガクッと下がってしまいました。しかし近年では安全性が確認され、効果が見直されています。ワクチンを打たずに子宮頸がんになって命を落としたり、子どもを産めなくなったりといった悲劇をなくしたい。その一心で、ツイートをしてきました」
木下医師はHPVワクチンの普及啓発プロジェクト「みんパピ!」の副代表も務め、各種メディアで情報を届けている。その熱意は実を結び、21年11月には、翌年4月からHPVワクチンの積極的接種勧奨の再開が決定した。
■ ハーバード大に留学、公衆衛生学の神髄に触れる
手軽さが売りのツイッターだが、木下医師のつぶやきの裏には、多大な労力がひそむ。
「新型コロナウイルスとHPVワクチン関連の論文はすべて取り寄せて目を通し、各国の医療政策にも目を配っています。そして、皆さんに伝えたい有益な情報をかみ砕いて、表現を工夫して伝えています」
ツイッターに費やす時間は、論文を読む時間も合わせると1日に5〜6時間になることも。
「自分のツイートが人の命を救うかもしれないと思うと、面倒くさいと感じることはないですね。HPVワクチンの接種率が諸外国並みになるまでは、まだまだ忙しい日々が続くと覚悟しています」
病院内にとどまらず、マルチに活躍する木下医師。その経歴はいかなるものなのか。
「医師を目指したきっかけは、『ER緊急救命室』というアメリカのテレビドラマ。手術で命を救う救急医に憧れ、不慮の事故で苦しむ人や、未来ある子どもを助けたいと思いました。大学卒業後は大阪急性期・総合医療センターなどで救急医として働き、緊迫した命の現場に身を投じました」
そんな日々の中、臨床現場の実情をデータや論文で世界中に示し、救命率の改善につなげたいと考えるようになる。そして救急医として9年間のキャリアを積んだのち、ハーバード公衆衛生大学院に留学し、臨床研究や統計学を学んだ。そこで気がついたのが、公衆衛生学の重要さだ。
「イチロー・カワチという名物教授が、医療を川の流れに例えていたんです。病気やけがで苦しむ人を助ける臨床現場は下流で、病気やけがを防ぐ仕組みをつくる公衆衛生学は上流だというものです」
救急医時代、たばこをやめられずに何度も心筋梗塞で運び込まれるヘビースモーカーや、自殺未遂を繰り返す精神疾患患者に出会い、やるせなさを感じることがあった。
「救急医として、溺れて流されてきた人を救うことはもちろん大切ですが、そもそも溺れない仕組みをつくることで救える命は格段に増えるのだと強い衝撃を受けました」
日本におけるHPVワクチンの普及啓発に関心を持ったのも、同時期のことだった。
■ ユーチューバーや他業種の仲間との協働で、訴える力が強まる
「日本の医療政策問題を研究するマイケル・R・ライシュ教授が、日本のHPVワクチン接種率の低さをいたく心配していたのです。命に関わる重大な問題をなんとかしなければと奮い立ち、医療政策の課題を議論する論文を発表するとともに、ツイッターなどのSNSを使った啓発活動にも力を入れ始めました」
大学院修了後はアメリカのヘルスケア関連企業に就職し、機械学習を用いた製品開発に携わっている。
「これまでは医者の経験や勘に頼っていた予後予測を、データで手助けする製品をつくっています。家ではツイートを書いたり執筆や取材対応をしたり……。医学生時代に思い描いていた医師像とはまったく異なる日々を送っています」
新型コロナウイルスワクチンやHPVワクチンの啓発活動は多方面からの賛同を得て、木下医師を取り巻くネットワークは広がり続けている。
「『こびナビ』や『みんパピ!』のメンバーのほとんどは、SNSを通じて知り合いました。今では法律家やアーティスト、コピーライターといった異業種の仲間も増え、多様な専門性を生かして、協働して情報発信を行っています。いろいろな才能を持つ方との出会いはとても新鮮で楽しいし、僕一人では絶対になし得なかった活動ができて本当に幸せなことだと感じます」
「みんパピ!」の取り組みとしては、21年の「子宮の日(4月9日)」に「もう『知らなかった』という理由で、死なないでほしい。」という衝撃的なキャッチコピーの全面広告を全国紙に出し、ツイッターでもHPVワクチンの普及啓発を熱心に訴えた。
最近では、実業家のひろゆき氏や人気ユーチューバー集団・コムドットなどのインフルエンサーともつながり、一緒にユーチューブで動画配信を行う。
「新型コロナウイルスワクチンやHPVワクチンの話をしたら、それはとても大切なことだからぜひ一緒に伝えましょうと言ってくださって、心強かったです。彼らは強い影響力を持っているので、これまで僕たちの声が届かなかったような層にも訴求できていると手応えを感じています」
医師としての専門知識や命を尊ぶ気持ちを糧に、独自の道を突き進む木下医師。その立ち位置は一風変わったものにも思えるが、今の自身をどう捉えているのか。
「医学生時代は『世界一手術がうまくなって、自分の腕で人々を助けたい』と思っていました。今やっていることとは大違いです。ですが、悲惨な事故に遭ってしまった人の命を救いたいという気持ちと、HPVワクチンを打ち逃して子宮頸がんで亡くなってしまう悲劇をなくしたいという思いの根底にあるものは同じ。医師として人の命を救いたいというシンプルな動機です」
木下喬弘医師(きのした・たかひろ)
医師・公衆衛生学修士/「こびナビ」「みんパピ! 」副代表。2010年に大阪大学医学部を卒業後、大阪府内の救命救急センターを中心に医師として9年間の臨床経験を積む。19年にハーバード公衆衛生大学院に留学。在学中に取り組んだ日本のHPVワクチンに関する医療政策研究と啓発活動が評価され、20年度ハーバード公衆衛生大学院卒業賞(Gareth M. Green Award)を受賞。卒業後は米国で臨床研究に従事するかたわら、「手を洗う救急医Taka」としてTwitter(@mph_for_doctors)などで幅広く医療情報を発信している。20年「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」設立、副代表に就任。21年「CoV−Navi(こびナビ)」を設立、副代表に就任。
(文/林 菜穂子)
※週刊朝日MOOK『医者と医学部がわかる2022』から抜粋
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この先、ワクチン被害がさらに深刻になれば、峰宗太郎医師と同様、「足を洗う救急医」となって
逃亡するのではないでしょうか?
こんなヨイショ記事を書いたAERAは赤っ恥をかくことになるでしょう。
(関連情報)
「峰宗太郎医師がツイッター終了、こびナビ副代表も辞任 これは何かの前触れか」
(拙稿 2022/5/3)
http://www.asyura2.com/22/iryo9/msg/163.html
「手を洗う救急医・木下喬弘医師の昨年のツイートに非難轟々」 (拙稿 2022/2/10)
http://www.asyura2.com/21/iryo8/msg/502.html
「『こびナビ』副代表木下氏の問題発言をまとめました」 (臨床獣医師の立場から 2021/9/16)
https://tatsuharug.com/covinavi-kinoshita
「こびナビのメンバーはワクチン専門家でない若い医師ばかり
これでは反ワクチン陣営には勝てません」 (拙稿 2021/7/9)
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/852.html
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