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新型コロナウイルス騒動は沈静化に向っているが…動物ウイルス学者はなぜ「絶望」したのか
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278863
2023年03月23日 日刊ゲンダイ
京大医生物学研究所準教授に聞く(1)
緊急事態宣言で繁華街からは人が消えた(C)日刊ゲンダイ
「ウイルス学者の絶望」(宝島社新書)が話題になっている。著者はウイルス学一筋に研究を続けてきた京都大学医生物学研究所の宮沢孝幸准教授だ。一体、何に絶望したのだろうか?
「この3年間、世界中が新型コロナに翻弄されてきました。私はこういうときに役立ちたいと思い、長年研究してウイルスに関する数多くの論文を書いてきました。今回のコロナ騒動も、何も新型コロナの研究を新たにしなくても、既存の知識を生かせば解決できると考えていました。それなのに新型コロナによる混乱を収めることに役に立っていない。これまでの研究が生かされなかったことを悲しく思っています」
宮沢氏といえば、2020年以来、その対策についてテレビ、雑誌、SNSなどで持論を発信してきたことで知られる。その「歯に衣着せぬ発言」は熱烈な支持者を集める一方で、強い反発も浴びた。それはウイルス学の専門家として科学的態度で素直な意見を述べたに過ぎなかったのだが、その真意が「正しく伝わらなかった」せいだと言う。
「テレビや雑誌には放映時間や紙面の広さに制限があり、必ずしも言いたいことを正確に伝えることができませんでした。今回のコロナ対策で最初の間違いは、この感染症を未知のウイルス扱いしたことです。今回のウイルスは遺伝子配列的にSARSコロナウイルスに近い。それは流行の早い段階でわかっていました。その証拠に国際公式名称は『SARSコロナウイルス2型』(SARS-CoV-2)です。すでにSARSコロナは詳しく研究され多くの論文が発表されていて、感染メカニズムもウイルスの感染条件などもわかっていたのです」
本来なら、その知識を生かせばこれほどの混乱は起きなかったのではないか、という。それなのに、ステイホームを呼びかけたり、緊急事態宣言を安易に発動させた。
宮沢氏によれば、新型コロナは絶対に排除するウイルスではなく、もともと人と共存する定めのウイルスだったという。日本はそれを見誤り、最後まで修正できなかった。
「疫学データから新型コロナは感染しても発症しない人が相当の割合でいることが初期の段階からわかっていました。病原性が低く、発症期の他の人にうつす以上、把握は不可能で、大多数の人が感染しなければ収束しないことも明らかでした。にもかかわらず、コロナは恐ろしいという空気が醸成され、ロックダウンだ、ゼロコロナだなどという騒ぎになってしまった。ただし、欧米では基礎疾患のある人が多く亡くなっていたことが伝えられていましたので、これらの人を守る手だては必要でした。なので、私は『ウィズコロナで行くべきで、病原性は数年で落ちますよ、健康な若い人はそれほど感染を怖がる必要はありませんよ』と申し上げてきたのです」
ウイルス学が生かされなかった
日本で無意味な感染対策がまかり通った原因は多くの人たちがウイルスと細菌の区別がつかず、専門家がその間違いをたださなかったからだ、と宮沢氏は言う。
「栄養さえあれば増殖する細菌とは異なり、ウイルスが増殖するには生きた細胞が必要です。お札からうつる可能性があると言った大臣もいましたが、お札の上ではウイルスは増えません。お札についたウイルスが手についてうつるわけでもありません。大量にウイルスが指について、その指を鼻の穴に突っ込んだとしても、よほどのことがない限りうつりません。つまり、通常の生活では接触感染についてはあまり考える必要はないのです。飛沫感染についても、顔に大量の飛沫をかけられても鼻から飛沫を吸い込まない限りうつらないでしょう」
確かに、流行当初は感染経路についてさまざまな報告がなされていた。しかし、2021年ごろには専門家の間で主な感染経路はエアロゾル感染であることのコンセンサスができていたという。
「動物コロナウイルスの知見からすると、1個の細胞にウイルス粒子100個以上が侵入しないと感染しません。ウイルスが人に感染するためには、少なくとも1000〜1万個のウイルス粒子が必要です。1ミリリットルあたり1000万個の大量のウイルス粒子があったとしても、感染するためには、計算上は1000万個以上の微小飛沫粒子(1粒子あたり5マイクロメートルとして)が必要ということになります。自分が吸い込む微小飛沫粒子を10分の1に減らすだけでも、感染リスクは大幅に減るはずです。それには換気あるいはウイルスを捕捉する空気清浄機を設置することが大切です。飲食店などに設置されたアクリル板やスーパーのレジのビニールカーテンは換気の妨げになるばかりか、声が聞きづらいために大声になることでエアロゾルが出やすい環境に拍車をかけた。その点は、意味がないどころかマイナスだったと思います」
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