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発売中の「女性セブン」3/16号でも「水道水でがんになる!永遠の化学物質PFASはあなたの家にも」特集
— とりま西東京 (@TRMnisitokyo) March 2, 2023
いまできる対応策は、PFASの除去が確認されている浄水器「活性炭、逆浸透膜、イオン交換樹脂」タイプのものを取り付けることのようです pic.twitter.com/shWAQu4nBX
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多摩地区の水道水から発がん性が疑われる化学物質PFASを検出 米軍の横田基地が汚染源の疑い
https://www.news-postseven.com/archives/20230303_1845942.html?DETAIL
2023.03.03 19:00 女性セブン NEWSポストセブン
国分寺市の水道水から発がん性物質が(写真/PIXTA)
東京の西郊に位置する多摩地区。武蔵野の面影を残す緑多き地域に、いま住民を不安に陥れる事態が持ち上がっている。発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が2019年、東京都の調査で国分寺市の井戸から1Lあたり101ng(ナノグラム)検出されていた。この数値は、現在の暫定指針値の2倍以上だった。
この問題で、1月30日、市民団体「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」は、周辺住民から参加を募って行った血液検査の中間報告を公表した。その結果なんと、調査に参加した国分寺市民65人のPFAS血中濃度の平均が、環境省が2021年に調べた全国平均の約3.7倍の数値だったことが明らかになった。汚染におびえる市民の実情を、同市民団体・国分寺世話人の卯城公啓さんが明かす。
「水道水に得体の知れないものが混ざっていたことに、強い不安を覚えている人が多いです。受検者の1人にスポーツ好きの70代女性がいますが、食べ物に配慮し体形もスリムです。それなのに病院で脂質異常症と診断されました。医師も“なんであなたが”と首をひねるばかりでした。
そんな中、PFASの問題が発覚したのです。この物質は発がん性があることにとどまらず脂質異常症を引き起こすこともあるとされており、原因物質である可能性が高いと疑っています。多くの受検者が疑心暗鬼になっています」
そもそも「PFAS」とは何か。科学ジャーナリストの植田武智さんが解説する。
「PFASとは『有機フッ素化合物』の総称で、水や油をはじく性質があり、フライパンのコーティングなどに使われてきました。代表例はPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)と呼ばれるもので、4700種類以上ある。分解されにくく残留しやすい性質から『永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)』とも呼ばれています。
人体への蓄積性が高く、体に入った量が半分に減るまでにかかる期間(生物学的半減期)はPFOAで3.8年、PFOSで5.4年です」
PFASはどういった健康被害を引き起こすのか。
「アメリカの汚染地域で健康調査が行われ、2012年に次の病状との関連が確認されました。妊娠高血圧及び妊娠高血圧腎症、精巣がん、腎細胞がん、甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、高コレステロール血症です。
特に懸念されるのは子供や胎児への影響です。北海道大学の調査によると汚染地域でなくとも母親の妊娠中のPFAS濃度が高いと生まれてきた子供に出生体重の減少、甲状腺ホルモンや性ホルモンの異常、免疫力低下、神経発達の遅延、脂質代謝異常などのリスクが上昇する可能性が指摘されています」(植田さん)
永遠の化学物質PFAS
米ハーバード大学の研究チームが1999〜2015年にかけてアメリカ在住の18才以上の1万1747人(男性5681人、女性6066人)を対象とした追跡調査でも、PFASの血中濃度が高い人は低い人に比べて全死因死亡率で1.57倍、心臓病死亡率で1.65倍、がん死亡率は1.75倍高いという結果が出た。
PFASの厄介なところは水俣病のような特定の病気の原因になるわけではなく、さまざまな病気の発生確率が上がるところにある。その危険性は1970年代から指摘されていた。PFAS問題に詳しい京都大学大学院医学研究科准教授の原田浩二さんが解説する。
「私が属する研究室には過去の日本人の血液サンプルが保存されており、実際に1970〜1980年代の血液からは高濃度のPFASが検出されています。2000年にPFOSを製造していた米・3M社が自主的に製造中止を発表。2009年には国連のストックホルム条約会議で製造や使用が制限され、翌年には日本でも化学物質審査規制法の規制対象になり、製造・使用が原則禁止になりました。徐々に人々の血中濃度も下がり、一件落着かと思った矢先、今回の水道汚染が発覚したのです」
子供のワクチンの抗体ができにくい
言うまでもないが、水道は生活に欠かせない重要インフラの1つ。飲み水として口に入るだけでなく、料理や洗濯、入浴、歯磨き、トイレなど多くのことに不可欠だ。しかも、日本の水道水は世界でもトップクラスの安全性を誇っていただけに、驚きは大きい。市民団体の共同代表を務める根木山幸夫さんはこう話す。
「多摩地区の水道水は河川の水だけでなく、豊富な地下水を水源として利用してきた歴史があります。ところが2019年末、国分寺市と府中市の浄水所で井戸から高濃度のPFASが検出され、くみ上げを停止したと東京都水道局が発表したのです。
ほかの井戸の水や川の水を混ぜて濃度を下げるとの説明でしたが、同時に長く汚染された水を飲み続けてきたことも明らかになったということ。これは住民としても青天の霹靂です」
国分寺市は環境省の名水百選に選ばれた「お鷹の道・真姿の池湧水群」を擁する水自慢の土地柄だが、なぜこんな事態になってしまったのか。
「米軍の横田基地が汚染源として疑われています。基地では航空機火災の訓練を長年頻繁に行っており、使用される泡消火剤にPFASが含まれているのです。泡消火剤が風に乗って20km以上飛散し、長い年月を経て地中に染みて、地下水を汚染したとみられます」(根木山さん)
とはいえ、横田基地は国分寺市から10kmほど離れている。そこまでの広範囲が汚染されるものなのだろうか。
「地下水は時間をかけて少しずつ地下深くまで染みていきます。地表からの水に有害物質が含まれていた場合、すぐに影響が出るのは浅い層だけで、距離が遠い深い層は時間はかかりますが、確実に汚染されていくのです。特にPFASは、残留しやすい『永遠の化学物質』です。また、関東の平野では西から東に向かって地下水の流れがあることが知られている。その流れに乗って遠くまで届いてしまったのでしょう」(原田さん)
日本のPFAS暫定指針値は欧米と比べ甘い
アメリカでもPFAS汚染は社会問題になり、規制が順次強化されている。昨年6月、アメリカの環境保護庁が発表したガイドラインでは、PFASのうち特に毒性が強いPFOAとPFOSはこれまで水道水1Lあたりの含有量は合計70ngまで安全だとしてきたが、前者は0.004ng、後者は0.02ngまでと2000倍近く厳しくするとした。米政府は「最新の科学的見地を踏まえ、生涯にわたって摂取し続ける影響を考慮し決定した」「ゼロに近い量でも健康に悪影響を及ぼす可能性がある」と説明した。
しかし、日本の対策は遅れていると言わざるを得ない。環境省と厚生労働省は暫定指針値として、PFOSとPFOAの合計値を1Lあたり50ngにしている。
「各国で基準値を下げることになったのは、PFASによって子供の免疫への影響やワクチン接種後に抗体ができにくくなったことによります。日本の基準値は、子供たちを守るのに充分だとは言えません」(植田さん)
根木山さんも言い添える。
「アメリカはバイデン政権になりPFASが有毒であると認定し、土壌汚染させた人に原状回復しなさいと命令を出せるようになった。さらに、飲み水の規制値を厳しくするため、強制力のある規制値を作ろうとしている。しかし、日本では調査すら充分にやっておらず、強制力のある規制値がない。すぐに水質・土壌・血中濃度の規制値を定めることが必要です。日本はあまりにも遅れています」
暫定指針値を超える地域全国MAP
※女性セブン2023年3月16日号
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発がん性が疑われる「PFAS」が全国各地の水道水から検出 防ぐ方法はあるか
https://www.news-postseven.com/archives/20230304_1845959.html?DETAIL
2023.03.04 07:00 女性セブン NEWSポストセブン
水道水に健康被害の不安が…(写真/GettyImages)
水道水をそのまま飲める国の数はたった12か国で、その1つが日本だ。水質基準は厳しく、味に影響を与えるカルシウムやナトリウムなどの含有量さえも決められている。しかし、いま異常事態が起きている。
東京西郊の多摩地区で、住民を不安に陥れる事態が発生した。発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が2019年、東京都の調査で国分寺市の井戸から1Lあたり101ng(ナノグラム)検出されていた。この数値は、現在の暫定指針値の2倍以上だった。
PFASはどういった健康被害を引き起こすのか。科学ジャーナリストの植田武智さんが言う。
「アメリカの汚染地域で健康調査が行われ、2012年に次の病状との関連が確認されました。妊娠高血圧及び妊娠高血圧腎症、精巣がん、腎細胞がん、甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、高コレステロール血症です。
特に懸念されるのは子供や胎児への影響です。北海道大学の調査によると汚染地域でなくとも母親の妊娠中のPFAS濃度が高いと生まれてきた子供に出生体重の減少、甲状腺ホルモンや性ホルモンの異常、免疫力低下、神経発達の遅延、脂質代謝異常などのリスクが上昇する可能性が指摘されています」(植田さん)
東京では横田基地が汚染源として疑われているが、多くの米軍基地を抱える沖縄県でも、高濃度のPFAS汚染被害が多数報告されている。
2021年6月、うるま市にある米軍の燃料保管施設で貯水槽の蓋から雨水が入り込み、PFASを含む水が基地の外に流出するという事故が起きた。その後、国が定める暫定指針値の約1700倍という高濃度のPFASが確認された。沖縄の米軍基地でも泡消火剤が使われており、各地でPFASが検出されている。決して“対岸の火事”ではないのだ。
環境省も、遅きに失したが重い腰を上げてはいる。2021年度の全国調査では、PFASのうち特に毒性が強いPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)が全国13都府県の81地点の河川や地下水などから国の暫定目標値を超えて検出されていたことが判明。環境省は暫定指針値の超過が確認された地点の水について飲用しないよう指導している。だが、直接飲まなくても私たちの体内に入ってくる場合がある。
「汚染された土壌で作られた農作物にPFASが含まれている可能性があります。ただ、植物の種類や根や葉、果実など部位による濃度の違いがあるほか、PFASの種類によっても蓄積しやすさが異なるようで、現在、研究中です。ただ、農作物を通して体にPFASが入り込んでくる可能性は充分にあり得ると想定した方がいい。
アメリカのメイン州では2022年に汚染の可能性が高い肥料の使用が禁止されました。国内でも大阪府摂津市の工場に隣接する農地の土壌や地下水から高濃度のPFASが検出された例がある。水道水に地下水は使われていないのに、農地の耕作者の血中から高い数値のPFASが検出されています」(植田さん)
永遠の化学物質PFAS
知らないうちに高濃度のPFASを口にしているかもしれないのだ。問題は農作物だけに留まらない。PFAS問題に詳しい京都大学大学院医学研究科准教授の原田浩二さんが言う。
「PFASは蓄積性が高いため魚介類の体内で濃縮され、食品として戻ってくることは充分ある。食物連鎖の上にいる大型魚は、特に多く含有しやすいと考えられます」(原田さん・以下同)
多摩地区の水源が地下水であったことから、地下水をくみ上げずに川の水を飲用している地域は関係ないと思うかもしれないが、それも正しいとはいえない。
「水源が川であっても、水道水から高濃度PFASが検出されたことはあります。兵庫県明石市では上流の産廃処理場からPFASが流出した例がありました。また、川の上流に不法投棄された土砂からPFASが浸透してしまうこともあり得るでしょう」
世界を見回したとき、高濃度のPFASが検出される場所に共通点があった。
「米軍基地と同じ泡消火剤が使われている空港施設や石油コンビナート、大型立体駐車場、化学工場、下水処理場、ゴミ埋立地などが近くにあると地下水が汚染されている可能性が高くなります。アメリカの研究では4万9145の産業施設や4255の排水処理場、3493の軍事施設、519の主要空港での汚染が確認されています。日本もそうしたところを積極的に調べるべきでしょう」(植田さん・以下同)
調査すれば続々と汚染箇所が見つかるかもしれないのだ。
ファンデーションや日焼け止めにも
さまざまな病気を引き起こす可能性があるPFAS。自宅の水道に含まれているかどうか見分ける方法はあるのか。
「現在、検査キットなどはありません。供給を受けている水道事業者に尋ねましょう」
わずかでもPFASが検出されているとの答えだったら、どう対処すればいいのか。
高い日本のPFAS指針値
「PFASは煮沸しても残留します。より影響が大きいと考えられる乳幼児のミルクは、信頼できるブランドのペットボトルの水を使う方がいいです」
とはいえ、口にする飲用水をすべてペットボトルにするのは現実的ではない。
「PFASの除去ができることが確認されている浄水器があります。活性炭、逆浸透膜、イオン交換樹脂の3種類です。ただし、カートリッジの交換などを適切に行う必要があります。活性炭の場合、使い続けると飽和し、活性炭から浄水にPFASが逆流することになります」
風呂やうがいなどで使う水は大丈夫なのか。
「皮膚から入る分は微量で問題にならないと考えていいです」(原田さん)
飲み水以外にも、気をつけるべきPFAS含有物がある。
「ファンデーションや日焼け止めなどの化粧品類には水の10万倍ほどのPFASが含まれるものがあり、皮膚から体内に浸透すると考えられます。成分表示の中にフッ素を意味する『フルオロ』という単語を含む名称があるものは避けた方がよいでしょう。また、テフロン樹脂製のデンタルフロスを使っている人は体内濃度が高いという研究もあります」(植田さん)
未知の部分も多いPFAS。あなたの家にも入ってくると考え、できる限りの自衛をしたい。
暫定指針値を超える地域全国MAP
※女性セブン2023年3月16日号
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