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注射はイヤ…でもどうしてもやらなければいけないケースがある 高齢者の正しいクスリとの付き合い方
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278769
2023年02月25日 日刊ゲンダイ
注射薬は重篤な疾患の治療に有効(提供写真)
クスリには飲み薬=内服以外にも、湿布、吸入、座薬などの外用薬、そして「注射薬」があります。注射薬は投与の際にどうしても針を刺さなければならないので、どちらかというと「イヤだ」という方が多いと思います。とりわけ高齢者は血管が細くなっていることがあるため、採血や注射薬を投与される際に針がうまく血管に刺さらず、何度もやり直されて痛い思いをしてしまった方もいらっしゃるでしょう。
それでも、注射薬はとても重要です。まず、注射でしか投与できないクスリがあります。たとえば、以前紹介した「インスリン」はタンパク質の一種なので、口から服用すると消化されてしまい効果が得られません。
また、クスリを口から服用するとその成分が体内に吸収されるのですが、いきなり全身の血管に入っていくわけではなく、まず門脈という血管を通って肝臓に入り、その後で全身の血管に広がっていきます。全身の血管に広がることを「分布」といい、クスリが効果を発揮するのはこの段階になります。ところが、クスリの多くは分布する前に通ることになる肝臓で代謝(分解)を受けます。ここでの代謝の割合が大きいと、当然、効果が少なくなってしまいます。少し専門的な言葉になりますが、クスリが分布する前に代謝されることを「初回通過効果」といい、クスリの中にはこれを逆手にとって初回通過効果で代謝を受けて初めて効果を発揮する構造になるように工夫されているものもあります。注射薬は直接静脈に投与されるため、当然ですが初回通過効果を受けることがありません。つまり、投与したものがそのまま効果を発揮するということになります。
そのため、内服薬や外用薬よりも注射薬の方が一般的に効果は強く、またその効果発現時間が早いことが特徴といえます。比較的身近なクスリで例を挙げると、「抗菌薬」がわかりやすいでしょう。風邪などの軽い症状には、内服の抗菌薬が処方される場合があります(そもそも風邪に抗菌薬が必要かどうか自体疑問ではありますが)。しかし、それが肺炎などの重篤な感染症の場合には、内服薬では到底太刀打ちできないため、注射の抗菌薬が投与されます。
注射薬には静脈内に直接投与するもの、皮下に投与するもの、筋肉内に投与するものなどがあり、それぞれクスリの特性によって投与方法が決まってきます。新型コロナウイルスなどに用いられているワクチンは皮下、筋肉内に投与するクスリの代表的なものです。
注射薬は重篤な疾患の治療にとても有効であり、大事なものです。注射薬がなければ助けられない疾患もあるので、どうしても必要な場合があります。それでも、「できれば痛い思いをしたくない」というのは万人の希望に間違いありませんけどね。
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