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検証「安倍政治」 原発の無責任 現実は「統御」に程遠い
東京新聞 2020年9月5日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/53406
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御(アンダーコントロール)されています」
二〇一三年秋、アルゼンチンで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会。東京への五輪招致演説の冒頭で、安倍晋三首相は言い切った。正直、あぜんとしたものだ。
帰国直後、首相は東京電力福島第一原発を訪れて、放射能汚染水漏れの現場を視察。「汚染水の影響は、湾内の〇・三平方キロメートル以内の範囲で完全にブロックされている」と再び強調し、「汚染水処理についてはしっかりと国が前面に出て、私が責任者として対応したい」と力を込めた。
あれから七年。汚染水の流出はいまだ止まっていない。
昨年度平均で一日百八十トン発生し、多核種除去装置で浄化した処理水を詰めたタンクは千基を超える“密”状態。原発敷地内での保管は限界に近づいている。高度処理したはずの処理水からは、新たな放射性物質が検出されており、再浄化の必要もあるという。海洋などへの放出もままならない。
汚染水だけではない。メルトダウン(炉心溶融)を起こした三基の原子炉内部には溶け落ちた燃料デブリ(塊)が、ほぼ手つかずのまま残されており、廃炉の見通しは立っていない。解体ごみの行き場もない。「アンダーコントロール」のイメージには程遠い。
日本世論調査会が今年二、三月に実施した全国世論調査では、「原発の安全性が向上したと思わない」との回答が過半数を占め、「原発を段階的に減らし、将来的にゼロにすべきだ」と答えた人が、六割強に上っている。
それでもなお、安倍内閣は「原発ゼロは無責任だ」と、再稼働に前のめり。一八年に改定した国のエネルギー基本計画でも、原子力を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置付け、三〇年度の電源構成に占める割合は二割以上を維持するという方針を崩さない。新増設なしには実現しづらい数字である。それこそ無責任ではないのだろうか。
フクシマの現実を直視して、3・11の後始末を急ぐこと。そして国民の声に耳を傾け、世界の潮流にのっとって、原発依存から再生可能エネルギーへの切り替えを進めること−。
これらこそ、国策として原発を推進してきた政府、すなわち後継内閣の責務ではないのだろうか。
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